おうち時間が増えたのがきっかけで資格がブームとなっているそうです。
それを聞いて私も元資格講師として勉強をしている人にアドバイス的なことをまとめようと思います。
そして、第一回目は不動産業界だけでなく、社会的にも知名度抜群の「宅地建物取引士」を取り上げることにします。
宅地建物取引士は、毎年約20万人が受験するといわれる人気の国家資格です。
私にとっても、大学生時代に遊ぶのを我慢して取った初めての国家資格なので思い入れがあります。
「当時は宅地建物取引主任者という名称でした。」
宅地建物取引士は何故人気?
宅地建物取引士は毎年約20万人が受験する、人気、知名度ともに抜群の資格です。
私の友人6人に聞いたところ、TOEICを知らない友人はいましたが、宅地建物取引士はみんな知ってました。
この資格が人気の理由に、不動産取引での独占業務があること、法律の基礎が学べる、実生活で役に立つ等が挙げられます。
また、難しい試験なので自分に自信がもてるようになります。私も合格する前は何とも思ってませんでしたが、15%という合格率の試験に受かったことは自信につながりました。
不動産業界で働いてない人も合格は一生有効なので、いつか役立つかもしれませんし、取得して損はありません。
ただ、合格率が15%と難易度が高いことから、合格には計画と強い意志が必要です。
合格するんだという強い意志と行動力があれば、合格は手にしたようなものです。
宅地建物取引士試験についてメチャクチャ難しいといった声も聞きますが、半年から1年しっかりと勉強すればほとんどの人が合格できる試験だからです。
宅地建物取引士について
宅地建物取引士試験に合格するためにも、まずは資格について知ることです。
宅地建物取引士は、宅建(たっけん)と一般的に呼ばれてるので、ここからは宅建士と表記します。
資格には、独占業務というものがあるものとないものがあります。
独占業務というのはその資格がなければ出来ない業務で、宅建士資格には独占業務があります。
ちなみに最も有名な資格の簿記資格には独占業務はありません。有名な資格だからといって独占業務があるとは限らないのです。
宅建士の独占業務というのは、不動産の取引で契約前に行われる重要事項説明をできることです。
また、店舗には5人に1人の割合で宅建士が必要になります。
重要事項説明は、不動産取引に不慣れなお客さんに契約前に事前に重要なことを説明することで、トラブルを回避するのが目的です。
宅建士の資格がない営業だと、重要事項説明になって資格がある人にバトンタッチすることになり、そこで初めてお客さんは資格がない営業ということを知ります。
営業としては結構悲しいので不動産業に携わる予定がある人、かもしれない人は早めに取得しておくのがよいでしょう。
この資格を取得することで不動産や建設、民法の知識があることの証明になります。
宅地建物取引士試験について知る
宅建士試験は例年10月の第3日曜日に行われます。
7月に入ると書店や役所などに受験案内が配布されるので、取りに行って申込期間内に手続きをします。インターネットの申し込みは期間が短いですが、24時間出来るので仕事が忙しい人はネットがいいかもしれません。
試験の出題範囲ですが、不動産に関係する民法等を中心とした権利関係、業務に特に関連する宅地建物取引業法、利用上の制限等の法令上の制限、税金等の税・その他からとなってます。
・権利関係14問
・宅建業法20問
・法令上の制限8問
・税・その他8問
受験料は8,200円ですが、写真(4.5cm×3.5cm)と簡易書留料金が別に必要です。
試験は13時から15時までの2時間で行われます。
この試験は相対試験なので、合格率は15%から18%くらいになるように調整されます。合格点も31点の年があれば38点の年もあるようにバラバラです。
合格発表は11月中旬頃です。
合格後に登録できますが、登録には2年以上の実務経験か実務講習が必要になります。
宅建士として活動するには、さらに宅建士証の交付が必要ということも覚えておくとよいでしょう。
宅建士証交付後は5年ごとの更新も必要です。
宅地建物取引士試験に合格するまでの流れ
宅地建物取引士に合格するには、250から300時間の勉強が必要といわれてるので、試験までに300時間勉強する覚悟が必要です。
1日1時間くらいの勉強なら10か月かかりますし、週末を勉強に充てられる人なら半年未満でも合格は可能です。
テキストで最初に出てくるのが権利関係ですが、この権利関係は暗記しただけでは問題が解けないので、しっかりとした理解が必要です。
ここはしっかりと理解すれば高得点も可能です。判例も出題されますが、判例はあまり深追いすると大変なので過去問の範囲だけで十分です。
宅建業法は、しっかりと学習すれば9割取れる分野です。
ただ覚えるだけのものも多いので、過去問を通して覚えるのが楽で身に着きやすいと思います。
法令上の制限は、都市計画や開発許可、建築確認などです。
不動産営業には必須の知識ですが、暗記が多いのでここも過去問を通して覚えるのが良いと思います。
税・その他は、不動産に関する税金などです。
税金というと難しいイメージを持ってしまいがちですが、試験は基本的なことばかりです。
それと宅建業者に従事している人なら登録講習を受けられますが、この講習を受けることで税・その他のうちから5問が免除されます。
権利関係で10問、宅建業法で18問、法令上の制限で5問、税・その他で6問を正解できれば、39点なので合格圏内です。
独学で合格するためは、分かりやすいテキストと過去問が必要ですが、過去問は10年分あるものがおすすめです。
勉強開始後は、民法などの理解が必要なものを先に進めていき、宅建業法や都市計画など覚えにくい箇所は付せんを貼って何度も確認することが大事です。
何度も見てれば自然と覚えます。
エビングハウスの忘却曲線によれば、勉強しても復習しなければ1か月後にはほとんど忘れてしまうそうです。20分後には4割忘れるそうなので、無理して覚えようとするより、付せんを付けて覚えるまで何度も目を通すことを意識した方がいいかもしれません。
一通りテキストを読み終わったら、過去問に手を付けます。
テキストのみでは合格は無理なので、過去問は早いうちから挑戦するのがよいでしょう。
過去問は正解するまで何度でも解きます。
実は過去に出題された問題で重要なところは、毎年のように出題されてます。
ほとんど同じ問題文で出ることもあります。
過去問だけをひたすら解いて試験に合格した人もいます。
過去問を解く際におすすめなのが、間違えや悩んだ肢はチェックしておくことです。
そうすると何度も間違えを繰り返す箇所が分かります。試験直前の確認にも使えます。
暗記に頼るより理解から入るようにした方が知識は定着します。
間違いが減っていくことで合格が近づいてると実感できます。
もっとも解けるようになっても時間を空けるとまた間違えたり、他の知識につられて間違えるようになるところも出てきます。これは避けて通れないので、力がついてる証と思いましょう。
試験が近づいたら資格予備校の答練を受けるのもおすすめです。
市販の予想問題で試験と同じように2時間で解く練習をすることもおすすめです。
私も日商簿記1級、社労士、管理業務主任者といった試験では、予想問題を購入して実際に時間をはかって何度も解きました。
特に日商簿記1級は7周以上解いたと思います。
おわりに
独学では難しい人は、価格がお手頃な通信講座の検討が良いと思います。
独学だとなかなか理解しづらいことも動画だとすんなりと理解できたりします。
通信講座であればスマホやパソコンがあればどこでも勉強が始められます。
私の場合は英語ですが、スマホを使ってどこでも毎日勉強してます。
フォーサイトの通信講座
フルカラーのテキストとハイビジョン講義を使ってるので分かりやすいのが特徴です。
出題範囲を絞ったテキストなので少ない学習量で合格を目指すことができ、受講者の合格率も高いのです。
スタディング
スマホやパソコンがあれば何もいらずに勉強ができます。
オンライン学習に特化してるので、無理なく進めて実力がつきます。
裏技ではないですが本当に時間がない人は過去問をひたすら解くという方法があります。
実は私自身、宅建士試験まで2か月しかなくてテキストを使わず10年分の過去問を毎日ひたすら解き続け、合格点ギリギリの点数で突破しました。
過去問だけだと出題形式の変化に対応できない(理解不足)ので、あまりお勧めしませんけどね。