不動産を買おうと思った人は、どのように物件を探すでしょうか。
一昔前は、駅前に住宅関連のフリーペーパーが置かれてましたが、今はだいぶ少なくなりました。
現在では、ほとんどの人がインターネットのポータルサイトで検索しています。
地域や沿線、建物の種類に予算や広さ等の条件をポータルサイトに入力して、出てきた物件の中から条件に近い物件を選び、物件ごとに不動産会社に問い合わせて資料をもらうというのが一般的です。
もらった資料をもとに実際に不動産会社に行ってみると、他の不動産会社で紹介された物件を紹介される、そんな場面に出くわします。
今回は、何故どこの不動産屋に行っても同じ物件を紹介されるのかについてです。
同じ物件を別の不動産会社で紹介されることがある
インターネットのポータルサイトで条件に合う物件を見つけたので不動産会社に問い合わせたとします。
実際に物件を見学しましたが、どの物件も気に入らなかった旨を伝えると、どこの不動産会社でも同じ物件、ポータルサイトに載ってた物件を紹介してきます。
不動産探しでは、賃貸でも売買でもこういったことがよくあります。
不動産会社は、業者のみが閲覧できるレインズ(Real Estate Information System・不動産流通機構)というもので物件を検索します。
流通している不動産は、このデータベースを通して情報を共有しているので、条件が同じならどこの不動産会社に行ってもほば同じ物件が紹介されます。
試しにポータルサイトに掲載している物件を家の近くの不動産会社に紹介できるか聞いてみたら分かります。
他のお客さんが申し込みをしない限り、下の会社名だけ変更した販売図面をもらえるはずです。
このレインズがあるのでどこの不動産会社でも同じ物件を紹介されるわけです。
レインズ(不動産流通機構)について
レインズは不動産屋が物件を検索する時だけでなく、不動産を売りたいお客さんがいる時もレインズを使います。
不動産の売却をする際、不動産会社に相談すると媒介契約を結びます。
媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類がありますが、専属専任と専任の媒介契約では、レインズへの登録が義務付けられています。
レインズへの登録が済むと、他の不動産会社もその物件を閲覧できるようになり、他の不動産会社からも条件に合ったお客さんを紹介してもらえるようになります。
一般媒介だけは登録が必須ではありませんが、登録できないわけではないので、言えば登録してくれます。
このように中古物件に関しては、ほとんどの物件が共有されてますが、新築物件であってもレインズに登録する業者さんは多いです。
レインズに登録しておけば、他の不動産会社は図面や資料を閲覧できるので、いちいち図面や資料をFAXしなくて済みますし、早期の売却も可能になります。
以上の理由から、ポータルサイトで見た物件のほとんどは、どの不動産会社でも紹介できるというわけです。賃貸の場合はレインズへの登録が義務付けられてませんが、たいていの物件は申し込みが入ってなければ、どこの不動産会社も紹介できます。
例外は新築マンションですが、なかなか売れない新築マンションだと他の不動産会社に紹介を頼む業者もいます。
ポータルサイトに掲載されている物件は売れ残り?
ネットの掲示板で、いつまでもポータルサイトに掲載されていたり、何社も同じ物件を掲載している場合は、売れ残りという書き込みを見ました。
売れ残りが必ずしも悪いとは限りませんし、売れ残っていてもまともな物件はありますが、売れ残りといわれると良い気はしないと思います。
物件を自社のみで販売(手数料がかからない)しようと思ってもなかなか売れず、仕方なくレインズに掲載し、それでも売れなければ他の不動産会社に依頼することはありえます。
その結果、ポータルサイトに同じ物件が何社からも掲載されてるといったことが起こります。
販売業者の中には、最初から自分たちではお客さんを探さず、仲介業者に任せるという会社もあります。そういった場合は必ずしも売れ残りとは限りません。
不動産探しは、ポータルサイトだけで探すより、信頼できる不動産会社(営業)を見つけて、物件を紹介してもらう方がいい物件に巡り合う可能性は高くなります。
まとめ
・どこの不動産会社に行っても同じ物件を紹介されるのはレインズがあるから。
・レインズは不動産業者のみが閲覧できるサイト。
・レインズに登録してある物件であれば、県外の不動産業者でも閲覧できる。
・不動産を売りたい人にとってもレインズがあれば早期に買主を見つけられる。
・レインズには、過去の成約事例も登録されてる。
・レインズのおかげで不動産会社は市場の流通状況が分かる。