生命保険は役に立つことがあれば役に立たないこともあります。
自分でも何を言ってるのか意味不明ですが、つまりは事故にあって保険金をもらった人には役に立ち、事故にあわなかった人には役に立たなかった商品(保険料を支払っただけ)ということです。
日本人にとっては身近な生命保険ですが、加入する必要がない人もたくさんいます。
必要以上に保険に加入するのは、老後に向けた資産形成にとって足枷となることがあります。
民間保険の加入を考えているのであれば、公的保険でカバーしきれない部分を補うというスタンスで検討してみるのがいいと思います。
強制の公的保険と任意の民間保険
保険には、国が管轄する公的保険(社会保険)と民間保険会社が運営する生命保険・損害保険とがあります。
公的保険は強制加入ですが、民間保険は任意なので加入するのもしないのも自由です。
公的保険は強制加入のため、加入しないという選択はありませんから、何かあった時の保障を考えるには公的保険をベースに不足分を民間保険で補うのが合理的です。
ところが公的保険で何が保障されるか分からないことから、必要以上に生命保険に加入し保険料が負担になっているケースがあります。
たとえばケガや病気で働けなくなった時のために加入する就業不能保険というものがありますが、障害が残った場合は国民年金から障害基礎年金が、厚生年金からは障害厚生年金が支払われることがあります。
また、ケガや病気で働けなくなった場合に健康保険から傷病手当金、労災保険から休業補償といったものもあります。
これだけあれば民間保険に加入しなくても大丈夫かと思うかもしれませんが、複数の給付があるときは調整され、障害基礎年金や障害厚生年金だけでは生活していくのは難しいので民間保険に加入することになります。
主な公的年金は老後、死亡(遺族)、障害の3つ
まず、公的年金には国民年金と厚生年金とがあります。
老後に受け取ることができる老齢基礎年金、老齢厚生年金はご存じの人も多いですが、公的年金はこれだけではありません。
国民年金と厚生年金には、どちらも被保険者(加入している又はしていた人)が老齢、死亡、障害になった時に支給される年金があります。
現在は65歳を老齢としてるので、65歳になれば国民年金から老齢基礎年金、厚生年金から老齢厚生年金が受け取れます。
被保険者が死亡したときは、18歳までの子がいれば国民年金から遺族基礎年金、亡くなった人に生計を維持されていた遺族がいれば遺族厚生年金が受け取れます。
病気やけがで障害が残ったときは、国民年金から障害基礎年金、老齢厚生年金から障害厚生年金が受け取れます。
これらを受け取るには要件があるので、実際には要件を満たす必要があります。
不足分を民間保険でカバーする
将来どのような不安があるか質問すると、多くのケースで老後の資金問題、死亡したときの遺族の保障、病気やけがで働けなくなったら(入院も)、といったことが返ってきます。
実はこれらの問題は生命保険でもカバーできることはできたりします。
たとえば老後資金作りであれば、終身保険が使われることがありますが、終身保険は保障機能に加えて貯蓄機能があるからです。
老齢基礎年金、老齢厚生年金といった公的保険では不足する分を終身保険や個人年金保険といった貯蓄タイプの民間保険でカバーするのです。
死亡したときの遺族の保障については、遺族基礎年金は子供の養育費的側面があるので18歳までですし、遺族厚生年金を加えても不十分です。
なので、定期保険や終身保険の死亡保障を使って一番お金がかかる時期のリスクを回避するわけです。
病気やけがで障害が残ったら障害基礎年金、障害厚生年金を受け取れますが、やはりこれだけでは収入が不十分です。
そのために加入するのが就業不能保険といわれる保険です。特に自営業の人は会社員よりも保障が少ないので検討していいかもしれません。
このように様々なリスクが公的保険の対象になってますが、公的年金だけでは保障が十分ではないので民間保険を考えるわけです。
終身保険は老後の資産作りに向いていない
私の知り合いに生命保険のセールスマンがいるのですが、その人は生命保険は魔法の商品みたいなことをいってきます。
我々の生活について回る老後資金問題、就業不能問題、死亡した場合の遺族の保障といったリスクに対応した商品が生命保険にはあるからでしょう。
私個人の意見としては、就業不能保険と定期保険は加入してもいいですが、生命保険を使って老後資金作りを行うのは疑問です。
というのは20年生命保険で積立てたところで、20年後に戻るのは元本に毛が生えた程度しか殖えてないからです。
であれば、死亡保障は終身保険にせず、定期保険で補償をカバーして浮いた分を投資に回した方が20年後に期待できると思うからです。
むしろこの先インフレになったら大変です。仮に年2%としても20年も寝かせたら実質的に67万円まで目減りしてしまいます。
あとは死亡保険金は受取人固有の財産なので相続税で使えることくらいでしょうか。
いずれにしても、何かあった時に公的保険では不足する分を保険でカバーするというスタンスが正解だと思います。
まとめ
生命保険に加入する時は、公的年金の支給額を確認し、不足な分を補うという考えが必要です。