毎年10月になると毎年最低賃金が話題になりますが、同時に話題に上がるのが「年収の壁」の問題です。
2025年の税制改正で103万円の壁は123万円に、2026年10月には106万円の壁(賃金要件)が撤廃予定です。
年収の壁についてまとめました。
この記事から分かること
- 最低賃金の仕組みと、神奈川県の最新水準(2025年10月・時給1,225円)
- 「年収の壁」とは何か、なぜ働き控えにつながるのか
- 103万円の壁が123万円に引き上げられた経緯と、2026年分からの178万円への移行
- 106万円の壁(賃金要件)が2026年10月に撤廃予定である理由
- 130万円の壁の判定方法が2026年4月から変わる点
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なぜ最低賃金を定めるのか

最低賃金制度は、企業・事業主が労働者に支払わなければならない賃金の最低額を時間給で定める制度で、次のような目的があります。
- 労働者の生活を保障する
- 労働力の質を向上させる
- 事業者間の公正な競争環境を守る
最低賃金の引き上げは消費の下支えにつながる一方、企業側にとっては人件費の上昇という負担になります。
特に中小・個人事業者にとっては経営体力の問題もあるため、引き上げの検討では「企業の賃金支払能力」と「労働者の生計費(消費者物価指数等)」の両方が考慮されます。
神奈川県の最低賃金は、2025年10月4日から時給1,225円(前年の1,162円から63円引き上げ、引き上げ率5.42%)となっています。
これは全国で2番目に高い水準です。
働き方を制限してしまう「年収の壁」

パートや非正規で働く人の中には、収入を一定以下になるように調整している人がいます。
いわゆる扶養といわれる人たちで、扶養から外れると厚生年金保険料や健康保険料といった社会保険料がかかったり、所得税や住民税といった税金を多く支払うことになります。
理由は明確で、社会保険料の発生、配偶者控除・特別控除のため、税負担の増加など、こういったことにより手取りが減ってしまうからです。
このように配偶者の収入が一定以上になると、配偶者控除や配偶者特別控除が受けられなくなったり、社会保険料の納付義務が生じます。
これらは「年収の壁」といわれ、パートや非正規で働く人の社会での活躍を妨げています。人手不足解消のためにもスキルや能力がある人が年収の壁を気にせず働ける環境が必要です。
税金の壁:103万円→123万円→178万円へ

かつて「103万円の壁」と呼ばれていた所得税の壁は、2025年分の税制改正により基礎控除・給与所得控除が引き上げられ、123万円に変わりました。
さらに、2026年分(令和8年分)の所得税からは、段階的に178万円まで引き上げられる予定です。
ただし、給与からの源泉徴収(毎月の天引き額)への反映は2027年1月以降の給与からとなり、2026年中の差額については年末調整で精算される見込みです。
実際の適用時期・金額は法改正の状況により変わる可能性があるため、最新情報の確認をおすすめします。
社会保険の壁:106万円の壁は2026年10月に撤廃予定
社会保険に関する壁は、106万円の壁と130万円の壁の2つがあります。
106万円の壁(賃金要件)
現行では、以下の要件をすべて満たすと社会保険(厚生年金・健康保険)への加入義務が発生します。
- 従業員数51人以上の企業に勤務
- 雇用期間が2ヶ月を超える見込み
- 週20時間以上の勤務
- 賃金月額8.8万円(年収106万円相当)以上
- 学生ではない
この「106万円」という賃金要件は、2026年10月に撤廃される予定です。
撤廃後は、企業規模や賃金額にかかわらず、「週20時間以上」という労働時間の要件が社会保険加入の主な基準になる見込みです。
130万円の壁
106万円の壁の要件に該当しない人でも、年収が130万円を超えると扶養から外れ、自身で社会保険に加入する必要があります。
2026年4月からは、この判定方法が見直され、労働契約書ベースでの判定に変わる予定です。
つまり、契約上の労働時間・賃金が扶養の範囲内であれば、繁忙期に一時的に収入が増えた場合でも、直ちに扶養から外れるわけではなくなる見込みです。
ただし壁そのものがなくなるわけではない点には注意が必要です。
手取りが逆転しやすいのは年収120〜130万円帯
年収の壁を超えた直後は、社会保険料の負担によって手取りが一時的に減る「働き損」が起きやすいとされています。
目安として、年収120万〜130万円帯でこの逆転現象が起きやすく、140万円を超えるあたりで解消していく傾向があるといわれています。
まとめ
- 神奈川県の最低賃金は2025年10月から時給1,225円(全国2位水準)
- 所得税の壁(旧103万円)は2025年分から123万円に、2026年分からは178万円への移行が予定されている
- 社会保険の106万円の壁(賃金要件)は2026年10月に撤廃予定で、週20時間要件が中心になる見込み
- 130万円の壁は残るが、2026年4月から労働契約書ベースでの判定に変わる予定
- 年収120〜130万円帯は、社会保険料負担により手取りが逆転しやすい水準として意識しておきたい
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税額・社会保険料・手取り額を保証するものではありません。制度の詳細・実施時期は変更される可能性があるため、最新情報は国税庁・厚生労働省等の公式発表をご確認ください。

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