雇用保険は、失業した場合にお世話になる身近な制度ですが、どんな内容の給付かまで知っている人は少ないと思います。
雇用保険という制度があることを知ってても、給付の種類を知らなければ受け取ることはできません。
知らなかったために手続きが遅れ、受け取れるはずだった手当が全部もらえなかった人もいます。例えば、雇用保険の受給期間は、原則として離職した日の翌日から1年間ですが、受給期間が過ぎると給付日数を受給し終わっていなくても、以後は受けられません。
もしも、給付を受けられるのであれば、早めに手続きをしておかないともったいない思いをするかもしれません。
この記事から分かること
- 雇用保険の給付の全体像(失業等給付・雇用保険二事業)
- 求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付それぞれの内容
- 育児休業給付が「育児休業等給付」として独立した経緯(2020年4月〜)
- 2025年4月に新設された給付制度
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雇用保険でもらえる給付の全体像

雇用保険は大きく分けると失業等給付と雇用保険二事業になりますが、雇用保険の給付で多くの人が思い浮かべるのは失業等給付の方です。
- 失業手当→失業等給付
失業等給付はさらに、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付の4種類に分かれます。
◎失業等給付の種類
- 求職者給付
- 就職促進給付
- 教育訓練給付
- 雇用継続給付
有名な失業手当は雇用保険では求職者給付の一つです。
一般被保険者は基本手当を、65歳以上は高年齢求職者給付金、短期雇用特例被保険者は特例一時金、日雇労働被保険者は日雇労働求職者給付金がそれぞれ給付されます。
次にそれぞれの求職者給付について見ていきます。
求職者給付の種類

求職者給付には、基本手当、高年齢求職者給付金、特例一時金、日雇労働求職者給付金といったものがあります。
一般被保険者を対象にする求職者給付は、基本手当と呼ばれます。
基本手当についてはこちらで解説してます。
失業したらどうなる?雇用保険の基本手当をわかりやすく解説|受給資格・手続き・必要日数までFPが整理
高年齢求職者給付金は、高年齢被保険者を対象とする求職者給付金で、一時金で支給されます。
特例一時金は、短期雇用特例被保険者が対象で、こちらも一時金で支給されます。
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が対象となる給付金です。
公共職業訓練の指示を受けた場合には、技能習得手当の対象です。技能習得手当には、受講手当と通所手当とがあります。
職業訓練を受ける場合に、家族と離れて寄宿するときは要件を満たすと寄宿手当が支給されることがあります。
受給資格者が、傷病のために連続15日以上就業できないときは、傷病手当があります。
- 基本手当
-
高年齢求職者給付金(65歳以上・一時金)
-
特例一時金(短期雇用特例被保険者)
-
日雇労働求職者給付金
-
傷病手当
-
技能習得手当(受講手当・通所手当)
-
寄宿手当
再就職をサポートする就職促進給付

就職促進給付は再就職の促進を目的としており、就職促進給付はさらに、就業促進手当、移転費、広域求職活動費の3種類に分けられます。
- 就業促進手当
- 移転費
- 広域求職活動費
就業促進手当には、就業手当、再就職手当、就業促進定着手当、常用就職支度手当があります。
就業手当と再就職手当は、一定以上の支給日数を残した場合に支給されますが、就業手当は安定していない職業、再就職手当は安定している職業に就くことが条件です。
就業促進定着手当は、6か月以上定着し、賃金が低下した場合が対象です。
移転費は、就職や公共職業訓練を受講するために住所を変更した場合など、移転が必要な場合に、交通費、移転料、着後手当が支給されます。
広域求職活動費は、公共職業安定所長が必要と認められる場合に支給されます。
スキルアップで給付が受けられる教育訓練給付

教育訓練給付は、厚生労働大臣が指定した教育訓練を修了したときに支給される失業等給付です。
平成26年10月から専門・実践的な教育訓練を対象に上限が引き上げられました。
教育訓練給付の対象講座については、厚生労働省のホームページで一覧が見れます(pdf)。
働きながら受け取れる雇用継続給付

雇用継続給付は、雇用の継続が困難になった場合に支給される給付です。
かつては育児休業給付もこの区分に含まれていましたが、令和2年(2020年)4月の法改正により、育児休業給付は雇用継続給付から独立し、「育児休業等給付」という別建ての制度になりました(財源も雇用継続給付とは別会計で管理されています)。
現在の雇用継続給付は、次の2つで構成されます。
- 高年齢雇用継続給付:高年齢雇用継続基本給付金(基本手当を受給していない場合)と高年齢再就職給付金(基本手当を受給している場合)に分かれる
- 介護休業給付:介護休業を取得した場合に支給される
育児休業等給付(2025年4月に制度拡充)
育児休業等給付は、次の4つの給付で構成されています。
| 給付名 | 内容 | 創設・改正時期 |
| 育児休業給付金 | 原則1歳未満の子を養育するための育児休業に対する給付 | ー |
| 出生時育児休業給付金 | 出生時育児休業(産後パパ育休)に対する給付 | 2022年10月〜 |
| 出生後休業支援給付金 | 一定の要件を満たすと上乗せで支給される給付金 | 2025年4月新設 |
| 育児時短就業給付 | 2歳未満の子のために時短勤務をする場合の給付 | 2025年4月新設 |
出生後休業支援給付金は、出生時育児休業給付金または育児休業給付金と合わせて受給することで、給付率が引き上げられる仕組みです。
育児休業等給付は非課税のため、社会保険料の免除とあわせると、休業前の手取り収入に近い水準の給付を受けられるケースもあります。
雇用保険二事業(助成金・人材育成)も知っておきたい
雇用保険二事業には、雇用安定事業と能力開発事業があります。
雇用安定事業 雇用安定事業は、失業予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他の雇用の安定を図るために行われます。
例 雇用調整助成金、トライアル雇用奨励金 能力開発事業
能力開発事業は、労働者の能力開発や能力向上を行うことで、再就職を容易にし、失業を予防しています。
例 キャリア形成促進助成金、特定求職者に対する職業訓練受講給付金
まとめ
- 雇用保険は「失業等給付」と「雇用保険二事業」から構成される
- 失業等給付は、求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付の4種類
- 育児休業給付は2020年4月以降、雇用継続給付から独立し「育児休業等給付」になった
- 2025年4月には「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付」が新設され、育児関連の給付が拡充されている
- 対象になる給付があるなら、受給期間(原則1年)が過ぎる前に早めの手続きが重要
雇用保険は身近な制度である一方、内容まで把握している人は多くありません。
ハローワークの窓口やパンフレットで、自分が対象になる給付がないか確認してみることをおすすめします。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の受給資格や給付額は状況により異なります。詳細はハローワークにご確認ください。本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。

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