3級ファイナンシャルプランニング技能士から始めるキャリアデザイン

ファイナンシャルプランナーの資格で有名なものに国家資格のファイナンシャルプランニング技能士(以下FP技能士)があります。

ネットでFP3級は簡単だから取っても意味がないといった書き込みを見ますが、そんなことはありません。履歴書にも立派に書けます。

FP3級は確かに日本で最も簡単な国家資格の一つと言われてますが、この資格で様々な制度の基礎を学べます。例えば、年金や税金についてどれだけ知ってますか?ほとんどの人はあまり知らないのではないでしょうか。

学習する内容も年金、ローン、保険、金融、税金、不動産、相続に関するお金のことなので、学んだ知識が実生活に役立ちます。

3級FP技能士の資格だけでは十分ではないかもしれませんが、この資格をステップにキャリアアップを図ればいいだけです。

そもそも勉強していない日本人が多い

パーソナル総合研究所の調査によると、日本人の社会人の半数が勉強や自己投資を行っていないと答えてます。

たとえ毎日10分でも、勉強してる人と何もしてない人とでは数年後につく差は歴然です。まずは簡単な資格でもいいので始めることが大切です。

 

少し前にリスキリングという言葉が話題になりましたが、リスキリングは企業が社員に対して業務に必要なスキルを身につけさせることです。

今のように時代の変化が著しいと今までに身につけたスキルが旧式化するので、定期的なアップデート・メンテナンスが必要になります。

一生活躍するには学び直しが必要な時代に突入したといえます。

スキルがなくても転職できるのは若者くらいなので、30歳からは今までの経験を元に資格の取得が必要になってきます。

 

FP技能士を取っても経験がないという人は多いですが、ネットを活用して副業を始めて経験値を積む人はいます。FPになりたくてもFP事務所がそもそもないので、私も副業からFPを始めました。

FP資格は広く浅い知識が問われる資格なので、キャリアアップの最初に受ける資格として最適です。人生で関わるお金のことを網羅してるので、人生の資金計画の知識が身につくので自分のライフプランを立てることも可能です。

 

資格講師の界隈では、FP3級、英検3級、ITパスポートの3資格を基礎資格と位置付けて、ここからキャリア計画を立てることをすすめています。

金融の道に進むなら2級、1級と進めばよいですし、会計の資格を目指して金融のエキスパートを目指すのもよいです。法律を学んでライフプランに強い士業を目指すのもいいでしょう。

 

いずれにしても人生100年時代では、今まで身につけたスキルだけで通用するか不透明なので、セカンドキャリアに備えて学習を始めることが必要です。

何歳であっても始めるのに遅いはありません。始めるのに一番早いのは今です。

いきなり2級FP技能士を受けられない

3級FP技能士を受ける理由に、そもそも2級の試験から受けられないというものもあります。

2級FP技能士の試験には以下のような受験資格があるからです。

  • AFP認定講座を受講して修了する
  • 3級FP技能士の合格者
  • 2年以上のFP業務の経験がある

 

3級の合格率が70~80%と高く、多くの人は独学で勉強するので、わざわざ資格講座を受ける人も少ないです。

普段の仕事が保険や不動産、証券や会計事務所であれば実務経験が認められますが、実務経験がなく、資格講座を受講してなければ普通は3級から受けることになります。

3級FP技能士で学べること

FP資格の学習をすると、広くお金についてのことが学べます。

ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続事業承継の6分野を学ぶのは3級から1級まで同じです。

違うのは2級、1級と進むにつれて専門的になっていくことです。例えば年金であれば、3級は制度の概要についてまでですが、1級は具体的な年金額や支給要件まで問われます。

 

ライフプランニング

1. ファイナンシャル・プランニングと倫理
2. ファイナンシャル・プランニングと関連法規
3. ライフプランニングの考え方・手法
4. 社会保険
5. 公的年金
6. 企業年金・個人年金等
7. 年金と税金
8. ライフプラン策定上の資金計画
9. ローンとカード
10. ライフプランニングと資金計画の最新の動向

 

リスク管理

1. リスクマネジメント
2. 保険制度全般
3. 生命保険
4. 損害保険
5. 第三分野の保険
6. リスク管理と保険
7. リスク管理の最新の動向

 

金融資産運用

1. マーケット環境の理解
2. 預貯金・金融類似商品等
3. 投資信託
4. 債券投資
5. 株式投資
6. 外貨建商品
7. 保険商品
8. 金融派生商品
9. ポートフォリオ運用
10. 金融商品と税金
11. セーフティネット
12. 関連法規
13. 金融資産運用の最新の動向

 

タックスプランニング

1. わが国の税制
2. 所得税の仕組み
3. 各種所得の内容
4. 損益通算
5. 所得控除
6. 税額控除
7. 所得税の申告と納付
8. 個人住民税
9. 個人事業税
10. タックスプランニングの最新の動向

 

不動産

1. 不動産の見方
2. 不動産の取引
3. 不動産に関する法令上の規制
4. 不動産の取得・保有に係る税金
5. 不動産の譲渡に係る税金
6. 不動産の賃貸
7. 不動産の有効活用
8. 不動産の証券化
9. 不動産の最新の動向

 

相続事業承継

1. 贈与と法律
2. 贈与と税金
3. 相続と法律
4. 相続と税金
5. 相続財産の評価(不動産以外)
6. 相続財産の評価(不動産)
7. 不動産の相続対策
8. 相続と保険の活用
9. 相続・事業承継の最新の動向

3級FP技能士からのステップアップ

全てのビジネスパーソンに必要といわれているのが、金融、語学、ITの3分野です。

資格であれば3級FP、英検3級、ITパスポートが基本の資格になります。

 

金融、保険を極めるなら、1級まで目指してみてはいかがでしょう。

3級FP→FP2級(200~300時間)→1級FP(500~600時間)

 

労務のスペシャリストになるなら、キャリアコンサルタントや社会保険労務士がおすすめです。年金について深いアドバイスができるようになります。

3級FP→キャリアコンサルタント(200時間)→社会保険労務士(1000~1200時間)

 

税金と金融に詳しい専門家

3級FP→日商簿記3級(50時間)→日商簿記2級(300時間)→日商簿記1級(1000時間)→税理士(2500~3000時間)

 

FP資格は不動産とも相性が良いです。不動産の購入の支援もできるようになります。

3級FP→宅地建物取引士(300~400時間)→管理業務主任者(300時間)→マンション管理士(500~800時間)

 

英語を学んで外国人向けのファイナンシャルプランナーを目指すのもこれからの時代に需要がありそうです。

3級FP→英検3級→英検2級→英検準1級→英検1級

おわりに

技術革新のおかげで良くも悪くも変化の激しい時代になりました。

私も一応英語を学習してますが、ネットの翻訳で世界中の人とビジネスをすることも可能になりつつあります。

自民党の政治が悪いので今は外国人への風当たりが激しいですが、今後は益々人材の移動は激しくなっていくでしょう。

変化が著しい時代を生き抜くには一生勉強し続けることが大事です。

まずは3級FP技能士から始めて、どんどんステップアップしていくのがよいでしょう。