賃貸不動産管理を専門とする賃貸不動産経営管理士とは

2021年に国家資格となった不動産関係の資格に「賃貸不動産経営管理士」があります。

それまではあまり見向きもされませんでしたが、国家資格になったことで人気資格の一つになりました。

この資格は難化傾向にあるので、今のうちに取得しておくのがいいかもしれません。

賃貸不動産経営管理士とは

賃貸不動産経営管理士は、2021年に国家資格となった不動産資格です。

賃貸不動産経営管理士では、主に賃貸マンションやアパートといった賃貸管理に必要な知識を学びます。

 

不動産業界はトラブルが多い業界として知られてますが、特に賃貸業界がトラブルの数が多いとされています。

申込金を手付金と言って受け取る、申込金の不返却、敷金の不返却、不明な費用を請求するなどは結構ふつうです。

ミク「お金のことばっかりね」

敷金や原状回復に関するトラブルは多く、賃貸に関する広い専門知識を有する賃貸不動産経営管理士の活躍が期待されています。

 

賃貸不動産経営管理士の業務

  • 賃料の収納業務
  • 賃貸借契約の更新・解約業務
  • 賃貸経営の相談・賃貸の相談
  • 建物の維持管理に関する提案
  • 退去後の原状回復など

 

不動産業界に新しく入った人は賃貸業務に配属されることが多いので、まずは賃貸業務を覚えながら賃貸不動産経営管理士の勉強を始めるのがおすすめです。

不動産業界では、まずは宅地建物取引士の取得をすすめられますが、賃貸不動産経営管理士で学んだことは宅地建物取引士の試験でも役立ちます。賃貸不動産経営管理士の試験の方が簡単ですが、両資格とも不動産業務を行う上で必要な知識です。

 

令和2年の賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の施行により、賃貸住宅管理戸数が200戸以上の賃貸住宅管理業者には、賃貸管理業登録が義務付けられることになりました。

業務管理者の設置が義務となり、賃貸不動産経営管理士もこの業務管理者になれます。

賃貸不動産経営管理士の試験

※以下、2024年においての賃貸不動産経営管理士の試験概要です。

 

賃貸不動産経営管理士の試験は、例年11月に実施されます。

2019年までの問題数は40問でしたが、2020年から50問になりました。これに伴い試験時間も13時から15時までの120分になりました。以前は90分でした。

受験料は12,000円で、受験資格はありません。

試験会場は、北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、島根、岡山、広島、山口、香川、愛媛、高知、福岡、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の全国38地域で行われます。

 

試験出題範囲
  • ①管理受託契約に関する事項
  • ②管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項
  • ③家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
  • ④賃貸住宅の賃貸借に関する事項
  • ⑤法に関する事項
  • ⑥ ①から⑤までに掲げるもののほか、管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項

     

    令和6年の合格率は24.1%、令和5年の合格率は28.2%でした。

     

    賃貸不動産経営管理士の試験に合格すると登録ができます。

    賃貸不動産経営管理士として登録に必要な要件
    • 管理業務に関して2年以上の実務経験があるもの
    • その実務の経験を有する者と同等以上の能力を有する者

    登録料は6,600円(税込み)です。

    不動産四冠資格

    不動産業界で需要のある資格として不動産四冠資格と呼ばれるものがあります。

    不動産四冠資格とは以下の四つの資格が該当します。

    • 宅地建物取引士
    • 管理業務主任者
    • マンション管理士
    • 賃貸不動産経営管理士

     

    宅地建物取引士は、不動産取引の専門家であることを証する資格です。

    管理業務主任者は、区分所有建物の運営・管理の専門家の資格です。

    マンション管理士も区分所有建物の運営・管理の専門家です。管理業務主任者が管理会社で業務をする場合に必要な資格なのに対して、マンション管理士は管理組合や所有者にアドバイスする資格です。管理業務主任者が普通資格、マンション管理士が上級資格といった感じです。

    以上の3つの資格を不動産三冠資格と呼んでましたが、賃貸不動産経営管理士を入れて不動産四冠資格と呼ぶこともあります。

     

    難易度を比較すると以下のようになります。

    勉強時間 合格率 難易度
    宅地建物取引士 300時間 15~18% 普通
    管理業務主任者 250時間 20% 普通
    マンション管理士 600時間 10% 難しい
    賃貸不動産経営管理士 150時間 25~30%% やさしい

     

    巷では賃貸不動産経営管理士の勉強時間は100~250時間とささやかれてますが、賃貸不動産経営管理士を学習する人は既に他の不動産資格を保有してることが多いので、保有者は100時間くらいでも合格できるという意味です。つまり初めて学ぶ人は250時間かかるかもしれないということです。

     

    資格の勉強自体が初めての人は資格予備校の活用がおすすめです。

    私もよく資格講座を受講してますが、資格予備校を利用すると勉強が楽になります。楽しみながら資格ライフを満喫してます。



    まとめ

    ・賃貸不動産経営管理士は不動産の賃貸業務に関する資格

    ・賃貸不動産経営管理士は2021年に国家資格となった比較的新しい資格

    ・賃貸不動産経営管理士の試験は令和5年に30%を下回った

    ・賃貸不動産経営管理士試験が難化する可能性がある

    ・かぼちゃの馬車でサブリース新法(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律が施行された

    ・サブリース新法で賃貸不動産経営管理士が注目されるようになった