
日本には様々な資格があります。何年も勉強しなければ取得できないものから、数時間受講するだけで取れるものまであります。
法律に基づく国家資格から民間団体による民間資格といったものまであります。
中にはその資格がないと業務できないものと資格がなくても業務を行えるものがあります。
業務独占資格と名称独占資格とは
資格がないとその業務を行えない資格は業務独占資格と言われています。
一方、その資格がなくても業務は行えますが、その名称を名乗ることができない資格を名称独占資格と言います。
業務独占資格で有名なものには、医者や弁護士、司法書士に宅地建物取引士などがあります。
医療行為は医師でないと行うことができず、裁判で代理人になるには弁護士しかできません。司法書士なら登記、宅地建物取引士なら重要事項説明ができます。
名称独占資格で有名なものには、管理栄養士、気象予報士、技術士などがあります。マンション管理士もそうです。
気象予報士や技術士は難関資格として知られてますが、難関資格だからといって業務独占資格とは限りません。むしろ資格の多くは名称独占資格です。
義業を行うには有資格者を置かなければいけない必置義務というものもあります。
必置義務がある資格を必置資格と呼んだりします。
例えば、不動産業者には5人に1人以上宅地建物取引士が必要です。また、マンション管理を行うには30組合に1人は管理業務主任者を置かなければならないとされてます。
独占業務がある業界で資格がないと肩身が狭い
ファイナンシャルプランナー(以下FP)の資格で有名なものにAFPとFP技能士がありますが、いずれの資格も業務独占資格ではありません。そのため、これらの資格がなくてもFPを名乗ることができるので、業務を行う上では何ら問題ありません。
一方で、不動産業界や士業では業務独占資格がないと肩身が狭い思いをすることが多いです。
例えば、不動産仲介業者であれば、不動産の契約前に行う重要事項説明は宅地建物取引士しか行うことができません。
つまり資格がないと契約まで一人で出来ないということです。重要事項説明の時だけ事務員さんに代わってもらい、重要事項説明が終わったら再び営業が説明するというのはお客さんにとっても気まずい瞬間です。
士業の事務所なら代表者が資格を持ってるので業務は行えますが、資格がないといつまで経っても一人前として扱ってもらえません。
現在、何か資格を取りたいけど迷ってる人は、業務独占資格があるものから始めてみるといいかもしれませんね。
士業と言われる資格であれば、時間はかかりますが将来的に独立もできます。副業にもおすすめです。ただし、費用がかかります。
●独占業務がある資格の例
弁護士、医師、歯科医師、公認会計士、税理士、司法書士、宅地建物取引士、証券外務員、生命保険募集人、損害保険募集人、少額短期保険募集人、行政書士、電気工事士、管理業務主任者、薬剤師、不動産鑑定士、建築士、高所作業車、玉掛け技能講習、ボイラー技士、危険物取扱主任者、土地家屋調査士など
名称独占資格は知識やスキルの証明になる
資格の多くは名称独占資格です。
現在人気のファイナンシャルプランナーのAFP、CFP、FP技能士はなくても問題ありませんが、それらの資格があると知識やスキルの証明になります。
少なくともAFPの資格を取るには200時間、CFPの資格を取るにはさらに300時間が必要と言われています。
資格がなくても業務は行えるといっても、資格がある人とない人とでは知識やスキルに雲泥の差があります。
○○の業務が行えますと口で言うより、資格の合格証を見せた方が説得力があります。
女性に人気がある資格に簿記検定があります。
中でも日商簿記の1級と全経簿記の上級は難易度が高いことで知られてます。この2つの資格は税理士試験の受験資格が得られる資格としても知られています。
資格の中には、その資格を取ることで受験資格を得られるものもあります(結構多い)。
どの資格であっても合格することは勉強したことの証であり、自信になります。
日商簿記1級に合格した人は多くの人が自信がついたと言います。
●名称独占資格の例
日商簿記、ファイナンシャルプランナーの資格(CFP、AFP、FP技能士)、実用英語技能検定(英検)、語学の資格、マンション管理士、中小企業診断士、パソコン検定、ビジネス実務法務検定、DCプランナー、相続士、相続診断士、敷金診断士、他多数
まとめ
・資格には業務独占資格と名称独占資格がある
・業務をするのに必要な資格を業務独占資格という。
・名称を名乗るのに必要な資格を名称独占資格という。
・業務独占資格がある業界では、資格がないと肩身が狭い思いをすることがある。
・名称独占資格があると知識やスキルの証明になる