![不動産の三冠資格(トリプルクラウン)、四冠資格とは?](https://i0.wp.com/yokohama-lifeplan.com/qualification/wp-content/uploads/2025/01/ai-generated-8800717_1280.jpg?fit=1024%2C558&ssl=1)
不動産業界で需要が高いとされている3つの資格があります。
宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士の3つの資格を指し、この三資格は不動産の三冠(トリプルクラウン)資格と呼ばれることがあります。
2021年に賃貸不動産経営管理士が国家資格になり、不動産三冠資格に賃貸不動産経営管理士を加えて四冠資格と呼ぶこともあります。
いずれの資格も不動産業界で役立つこと間違いなしなので、不動産業界に勤める人は三冠資格・四冠資格に挑戦することをおすすめします。
不動産三冠資格と四冠資格
不動産関連の資格では宅地建物取引士が特に有名ですが、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士も不動産業界で役に立ちます。
不動産四冠資格のそれぞれの役割は以下の通りです。
- 宅地建物取引士は不動産取引の専門家
- 管理業務主任者は区分建物の管理会社の業務をする人
- マンション管理士は区分建物の運営・管理の専門家
- 賃貸不動産経営管理士は賃貸業務の専門家
不動産三冠資格
- 宅地建物取引士
- 管理業務主任者
- マンション管理士
不動産四資格
- 宅地建物取引士
- 管理業務主任者
- マンション管理士
- 賃貸不動産経営管理士
上記の資格の中でも宅地建物取引士が有名ですが、宅地建物取引士は取引に関する資格なので、この資格を持っていてもマンションの知識がない人もいますし、賃貸について素人と変わらない人もいます。すべての資格を取ることで、不動産に関する広い知識を得ることができます。
宅地建物取引士は不動産取引の専門家
宅地建物取引士の資格は不動産業界で働くには必須の資格です。
宅地建物取引士の資格がなくても不動産業界で働くことはできますが、この資格がないと重要事項説明と契約に必要な書類の記名ができません。したがって契約を一人で完結することができません。
宅地建物取引士の業務
- 重要事項説明
- 重要事項説明書への記名
- 契約書の記名
また、不動産業者の事務所には5人に1人以上の宅地建物取引士を置かなければいけない必置義務というものもあります。
不動産業界で働く人に一番最初に取ることをおすすめする資格が宅地建物取引士です。
この資格を学ぶことで民法の基礎も学習できますし、知識が自分の不動産探しでも役立ちます。何より知名度が高く、就職・転職でも役に立ちます。
管理業務主任者はマンション管理の専門家
日本には700万戸のマンションがあると言われ、築40年のマンションは140万戸に上るといわれています。
10人に1人がマンションで生活し、特に東京は多くの人がマンションで暮らしてるので、管理業務主任者の需要は高いと言えます。
分譲マンションは、区分所有法という法律に基づいて複数の人が共有する建物です。区分所有者が全員で管理組合を構成しますが、多くのマンションでは管理をマンションの管理会社に委託します。
管理業務主任者は、マンションの管理を適切にするために管理会社で必要とされる資格です。
管理業務主任者の業務
- 重要事項説明
- 重要事項説明の記名
- 委託契約書の記名
また、管理会社には30組合に1人以上の管理業務主任者を置かなければいけないことになっています(必置義務)。
このように管理会社で管理業務を行うためには管理業務主任者は必須の資格です。
不動産会社は区分所有建物を扱うので、お客さんからマンションについてアドバイスを求められることが多く、不動産業界でも管理業務主任者の知識が役立ちます。区分所有マンションについての知識がないばかりにトラブルになった不動産営業を知っています。
マンション管理士はマンション唯一のコンサルタント資格
マンション管理士も管理業務主任者と同じマンションの運営・管理に関する資格です。
管理業務主任者が管理会社側の資格なのに対して、マンション管理士は管理組合側に立ちます(対立するわけではない)。
マンションの運営・管理について発生する様々なトラブルを解決するのがマンション管理士です。そのためマンション管理士の試験は難易度が高く、試験に合格するには管理業務主任者よりも広く深いマンション管理の知識が必要です。
ただ、宅地建物取引士や管理業務主任者と違ってマンション管理士には独占業務がなく、この資格がなくても仕事はできます。この資格がないとできないのはマンション管理士を名乗ること(名称独占資格)だけです。
マンション管理士の試験は、不動産三冠資格・四冠資格の中で最も難易度が高く、勉強時間と合格率から見ても難関資格と言えます。
不動産四冠資格の比較
必要な勉強時間 | 合格率 | |
宅地建物取引士 | 300時間 | 15~18% |
管理業務主任者 | 200~250時間 | 18~24% |
マンション管理士 | 600時間 | 8~12% |
賃貸不動産経営管理士 | 100~200時間 | 25~30% |
賃貸不動産経営管理士は賃貸業務に関する資格
賃貸不動産経営管理士は、不動産の賃貸業務に関する資格です。
一人が所有してる一棟のマンションやアパートが主な対象ですが、区分所有マンションであっても他人に貸し出せば対象になります。
賃貸不動産経営管理士と管理業務主任者の違い
- 賃貸不動産経営管理士・・・賃貸マンション、アパート、区分所有建物の賃貸管理
- 管理業務主任者・・・区分所有建物の運営・管理
賃貸不動産経営管理士が注目を集めるきっかけとなったのが、株式会社スマートデイズが起こしたかぼちゃの馬車事件です。
スマートディズが投資家に賃貸用物件を建てさせて家賃保証(サブリース)をしましたが、実際の入居率は想定より低く、保証した家賃も下げる必要があったことからトラブルとなり、やがてスマートディスが支払い不能に陥りました。これがきっかけとなって不正融資も明るみとなり、社会問題となりました。
賃貸不動産経営管理士の資格は以前からありましたが、賃貸業務のトラブルが年々深刻化しており、適正な賃貸業務の管理を行う専門家の需要の高まりから2021年に国家資格になりました。
また、管理戸数が200戸以上の管理業者は事務所ごとに業務管理者を置かなければならず、賃貸不動産経営管理士は業務管理者になれます。
まとめ
・宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士の3つを不動産三冠資格という。
・不動産三冠資格に賃貸不動産経営管理士を加えて不動産四冠資格という。
不動産四冠資格の業務の違い
宅地建物取引士 | 不動産の取引を行う専門家 |
管理業務主任者 | マンション(区分所有建物)管理会社として業務を行う人 |
マンション管理士 | 区分所有建物の管理・運営について相談・助言するコンサルタント |
賃貸不動産経営管理士 | 賃貸管理の専門家 |
不動産四冠資格の難易度
勉強時間 | 難易度 | |
宅地建物取引士 | 300時間 | 普通 |
管理業務主任者 | 200時間 | 普通 |
マンション管理士 | 600時間 | 難しい |
賃貸不動産経営管理士 | 150時間 | やさしい |
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