日商簿記1級の概要と難易度を解説!合格率や勉強時間の目安も紹介

日商簿記は企業の会計・財務を理解し、適切に管理するための知識を証明できることから、ビジネスパーソンに人気の資格です。

特に企業の経理・財務の仕事に関わる人にとっては必須といえる資格ですが、個人事業主や経営者、投資家にも役立つスキルなので学んで損はありません。

 

中でも日商簿記1級は、簿記資格の中でも最上位レベルとされ、公認会計士や税理士試験の登竜門といわれる資格です。

日本商工会議所では1級について「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。」と紹介しています。

つまり、日商簿記1級まで身につければ、企業の財務、経理、管理会計について深く理解し、財務諸表の分析や意思決定に役立てることができます。

日商簿記1級とは?試験の概要

日商簿記1級の試験は、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目が試験科目とされています。

商業簿記は、企業と外部との取引を計算・記録することです。簿記から決算書を作るのは、経営責任者や取引先、投資家などの利害関係者が分かりやすく企業の状況や経営成績を理解するためです。

会計学では、財務諸表の仕組みや理論的なことが出題されます。

工業簿記では、商品の仕入れから加工、製造、外部に販売するといった製造業の簿記について問われます。

原価計算では、製品を作るうえでかかった原価が適正か判断したり、予算や資源の配分が適切かなどの経営判断に関する問題が出題されます。

 

合格には100点満点の70点以上必要ですが、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の1科目でも25%(10点)未満だと足切りで不合格になります。

試験科目 試験時間 合格基準
商業簿記 90分(商業簿記と会計学で) 70点以上で合格
ただし、1科目でも10点未満だと足切りで不合格
会計学
工業簿記 90分(工業簿記と原価計算で)
原価計算

 

日商簿記1級の出題形式は、筆記試験で行われます。

択一のように運だけで点は取れませんが、簡単な計算で点につながることもあります。

簿記1級試験は上位〇%が合格する相対試験なので、最後まで諦めないことも重要です。

日商簿記1級の難易度

日商簿記1級は、簿記試験の最高峰といわれるだけあって難易度はとても高いです。

同レベルの簿記試験といわれる全経簿記上級よりも一般的に難しいとされています。

 

簿記2級から1級を目指すのであれば、簿記2級は完ぺきにする必要があります。

簿記2級をさらに難解にしたような問題も多く出題され、試験中に処理しなければいけない計算量も多くなります。

理論的な理解も必要になります。財務諸表が作成できるのはもちろんですが、資料から企業の状態を読み取れないと合格は難しいでしょう。

 

日商簿記1級は大学の会計学レベル、会計士・税理士の登竜門といった位置づけですが、簿記1級までに2,000時間以上かかる人もいます。

日商簿記1級の合格率と勉強時間

日商簿記1級の試験は10%程度ですが、第165回試験で16.8%になるなど近年は合格しやすくなっています。

試験回 申込者数 受験者数 合格者 合格率
168 12,939名 10,420名 1,572名 15.1%
167 11,798名 9,457名 992名 10.5%
165 12,886名 10,251名 1,722名 16.8%
164 11,468名 9,295名 1,164名 12.5%
162 12,286名 9,828名 1,027名 10.4%
161 11,002名 8,918名 902名 10.1%
159 11,389名 9,194名 935名 10.2%
158 9,310名 7,594名 746名 9.8%
157 7,785名 6,351名 502名 7.9%

 

日商簿記1級の合格に必要な勉強時間は、800~1,000時間が目安とされています。

ただし、独学の場合は2,000時間以上勉強する人も結構います。

独学 vs 予備校

日商簿記1級は難関資格なので、独学か予備校かで迷うかもしれません。

独学と予備校のどちらを選ぶかは、それぞれのメリットとデメリットを考える必要があります。

独学のメリット・デメリット

独学のメリット 独学のデメリット
  • 費用が安い(参考書・問題集だけ)
  • 自分のペースで学習できる
  • 理解に時間がかかる
  • スケジュール管理が難しい
  • 合格に時間がかかる
  • 勉強量が多く必要

 

予備校のメリット・デメリット

予備校のメリット 予備校のデメリット
  • 効率的に勉強できる
  • 最新の試験傾向に対応できる
  • スケジュール管理ができる
  • 費用がかかる
  • 通学の場合通う必要がある
  • ペースについていく必要がある

 

スタディングの簿記講座

  • スマホ・パソコンで勉強が完結する
  • 最も受講者が増えている講座
  • オンライン資格講座でトップを走る



ネットスクールの講座を利用して簿記1級の学習をしましたが、2回続けて合格できず、気分転換で予備校をスタディングにしたら分かりやすくて合格できました。

1回目受験(ネットスクール・不合格)→2回目受験(ネットスクール・不合格)→3回目受験(スタディング・合格)

資格予備校との相性もあると思いますが、スタディングのように費用が安いとトライしやすいと思います。

効率的な勉強法と試験対策

日商簿記1級の試験では、2級の何倍もの計算量が出題されるので、計算処理能力を上げなければいけません。

どんなに忙しくても毎日計算問題を一問以上解くといった努力も合格には必要です。

時間を計って過去問を繰り返し解くこともスピードアップの向上になります。

 

頻出論点は過去問については完ぺきにしておく必要があります。

  • 連結会計
  • キャッシュフロー計算書
  • 推定簿記
  • 過去に出題された仕訳

など

 

理論問題は実力が得点に反映されやすいです。

ただ、市販のテキストだと不十分のものも多いです。ある人は市販のテキストでは不十分のため、会計法規集を読み込んで合格したそうです。

まとめ

・日商簿記1級は簿記資格の最高峰

・日商簿記1級の試験範囲(商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算)

・日商簿記1級に合格すると税理士の受験資格を得ることができる

・合格率は10%→最近は合格しやすくなっている

・合格に必要な勉強時間は800~1,000時間(独学は1,200時間以上)