人生100年時代と言われるようになり、定年後も働き続けようとする人は増えています。
中でも定年後にFPとして独立したいという人は多く、私が所属するFPの団体でもFPとして独立したい人から相談を受けます。
しかし、FPの資格を取っただけで仕事になるほど現実は甘くありません。
シニア世代がFP資格で起業を目指す理由

人生100年時代とセカンドキャリア
人生100年時代と言われるようになり、定年後も働くことを希望する人が増えています。
その中でも、これまでの経験を活かせるファイナンシャルプランナー(FP)で独立を目指す人が増えています。
FPの仕事は、家計の見直し・資産運用・住宅ローン・相続など、人生のお金に関する相談に応える専門職です。
FP資格がシニアに向いている理由
シニアにとっては、多くのことは経験済みであり、長年の仕事や人生経験も活かせることから、シニア世代と相性の良い資格と見られています。
実際、私が所属しているFP団体では、9割以上が定年後からFPを始めており、そのほとんどが70歳以上です。
しかも、その半数がCFPというFPの資格でも難易度の高い資格を保有していることです。
ただ、それだけの専門性を持っていても、なかなか仕事につながらないという声をよく聞きます。
難易度の高いFP資格があっても仕事が来ない理由
FP団体で活動する中で見えてきたのは、専門知識が豊富でも仕事が来ない人が多いという現実です。
長年の社会経験があり、金融知識も十分にあり、相談に対して非常に役立つアドバイスができる人であっても、相談依頼がほとんど来ないケースがあります。
それはなぜなのでしょうか?
FP団体で見えたシニアFPが仕事を取れない理由
相談依頼が来ない理由はシンプルです。
それは、相談者に存在を知られていないからです。
CFPという難易度の高い資格を保有していても、ほとんどのシニアFPはホームページを持っておらず、SNSも利用していません。
中にはe-mailも使えない人もいます。
情報を発信しないFPは存在しないのと同じ

現代では、何か相談したいことがあれば、多くの人がまずはインターネットで検索します。
- 住宅ローンの相談
- 老後資金の不安
- 資産運用の悩み
こうした悩みを持った人は、まずはGoogleやSNSで専門家を探します。
しかし、ホームページやSNSのアカウントがない専門家とはつながることができないので、これでは存在していないのと同じです。
いくら知識や経験があっても、ホームページがない、SNSやnoteで発信してない、ネット上で連絡できる手段がない、という状態では、相談者が相談できるはずがありません。
起業では先行投資・集客が重要
60代からFPとして独立した知り合いは、毎月一定額の広告費をかけて集客しています。広告費は決して安い金額ではありませんが、本人の話では、会社員時代よりも収入が増えているそうです。
その人は保険だけでなく証券も扱い、さらに不動産会社とも提携しているため、相談内容に応じて複数の分野から収益を得ることができます。
FPの相談では、家計・資産運用・住宅ローン・保険など、様々なお金の問題が絡み合うことが多く、そのため、保険・金融商品・不動産といった複数の分野に対応できる体制を持っていると、相談者にとってもメリットがあり、結果として収益の機会が増えます。
ただし、こうしたビジネスが成立する前提として、まずは存在を知ってもらう必要があります。
たとえ高度な知識を持っていても、相談者に知られなければ仕事にはつながりません。
そのため、一定の認知を得るまでは、広告や情報発信に力を入れ、ある程度の先行投資は必要といえます。
FPとして独立する場合、資格や知識だけでなく、どのように自分を知ってもらうかという視点も重要です。
AI時代に選ばれるFPになるために
私のライターの知人には、AIの普及によって仕事を失った人もいます。文章の作成や情報整理といった作業は、AIが得意とする分野だからです。
私もAIで情報を収集して株価の分析をしたり、文章の構成の提案や誤字脱字チェックをしてもらったりしますが、ある程度まとまった記事や説明文は数十秒で作ることができます。
しかし、その一方で、AIが生成する情報には誤りも多く、特に専門分野では、もっともらしい説明なのに間違っているケースも少なくありません。
だからこそ、これからの時代に求められるのは、専門知識を持った人がAIを使いこなすことです。
FP×AIで仕事を効率化する
FPの仕事は、制度や金融商品を説明するだけではありません。
相談者の状況を理解し、将来のライフプランを踏まえ判断をサポートすることが求められます。
○○ショックで暴落した金融商品の狼狽売りを防ぐためにいつでも対応できることも必要かもしれません。
こうした相談者に寄り添うことはAIで代替できるものではありません。
むしろAIを活用して情報を収集し、制度の整理をして、基本の文章作成の下書きといった作業を効率化すれば、専門家はより重要な業務に時間を割くことができます。
AI時代は、専門家が自ら発信し、信頼を積み上げていくことがより重要になっています。
求められるSEO
検索で上位に表示させる技術をSEO(検索エンジン最適化)といいます。
以前のSEOは、Google検索で上位に表示されることが主な目的でしたが、AIが普及した今は少し考え方が変わっています。
今のSEOは、AIに勝つのではなく、AIが引用したくなる情報源になることがゴールです。
少し前は分からないことがあれば、Googleで検索するのが普通でしたが、今はAIに相談すれば済むことが増えているからです。
だからこそ、専門知識や実際の体験をもとにした信頼できる情報を発信し、AIや検索エンジンが参照する価値ある情報源になることが求められています。
シニアFPが起業するための3ステップ

専門分野を決める
FPとして独立するのであれば、最初からすべての分野に対応するより、得意な分野に特化したほうが仕事につながりやすくなります。これまでの仕事や経験の中で関わってきた分野は強みになるからです。
たとえば、住宅ローンを借りた経験があったり、詳しいのであれば、住宅ローン相談に特化して、相続を経験した人は相続など、自分の経験と知識を活かせる分野から始めると取り組みやすく、信頼も得やすくなります。
私の場合は、社会保険労務士事務所や保険会社に勤めてた経験があるので、ライフプランと保険の見直しに特化してFPを始めました。
ブログやSNSで信頼を積んでいく
独立してすぐに相談が来ることはほとんどありません。
多くの人は、まずブログやSNSをチェックしたり、動画をチェックしてどんな専門家か確認します。
発信を通じて知識や考え方を知ってもらうことで、少しずつ信頼が積み上がっていきます。継続して情報を発信することが、相談につながるきっかけになります。
相談の導線をたくさん持つ
数年前はホームページが主な窓口でしたが、今はSNSやYouTube、noteなどを通じて、多くの人とつながることができます。
こうした媒体から相談につながるよう、プロフィールや記事に問い合わせ先のリンクを設けておくことが重要です。
また、FPのポータルサイトに登録したり、私のようにFP団体に所属するのも有効です。
相談できる窓口を複数用意しておくことで、機会を広げることができます。
まとめ|シニアFPの起業は発信力がカギ
シニアがFPとして起業する場合、まず重要になるのは認知されることです。どれだけ専門知識があっても存在を知られなければ相談につながることはないからです。
今ならAIを活用しつつ、動画やSNSで情報を発信し、自分の考えや専門分野を知ってもらうことが大切です
シニアFPが成功するためのポイントは次のとおりです。
- 専門分野を明確にする
- 情報発信を習慣化する
- AIを味方にする
FP資格は、シニア世代でも活用しやすい資格の一つですが、資格を取っただけでは仕事に繋がりません。
これからの時代、選ばれるFPになるには、専門知識を磨く、実務経験を活かす、情報発信を続ける、これらのことが欠かせません。
これまでの経験をインターネットで可視化することがシニアFPの起業を成功するためのカギになるでしょう。


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