何となく「資格を取れば役に立つかも」「勉強してる自分カッコイイ」
そんな気持ちで資格講座に申し込んだものの、気づけば受験料や教材費ばかりが積み重なっていた……。
資格を取ったのはいいが、1円も生まないどころか、維持費だけで毎年何万円も出ていく……。
いわゆる「資格貧乏」になっていませんか?
資格は人生の武器になりますが、目的を持たずに選ぶと高い買い物になることもあります。
私も以前は資格の講師として、また、就職相談の相談員として活動してたので、資格に関するネタはたくさんあります。
今回は、資格を選ぶ前に立ち止まって考えたい3つの視点を紹介します。
資格が役に立たないと言われる理由
1.取得しても就職・転職に直結しなかった
資格には、国家資格・公的資格・民間資格があります。
中でも民間資格は趣味的な資格が多く、国家資格や公的資格と比べて評価が低いことがあります。
たとえば、○○アドバイザー、○○検定、○○士など、名前は凄そうでも、その資格の知名度がほとんどないことも多く、そうだとすると履歴書に書いても評価されない可能性があります。
評価する側の採用担当者が、その資格を知らなければ、確かに評価されることはないでしょう。
2.需要が少ない・飽和状態
資格の知名度があっても、資格保有者が多ければ採用の決め手になりにくいケースがあります。
- 資格保有者が多い→差別化にならない・決め手になりにくい
また、現場経験や実務能力が重視される分野では、資格があるだけでは不十分ということがあります。
- 簿記 → 実務能力が重視される
- 宅地建物取引士 → 重要事項説明の経験・実務経験が重視される(別の面で採用されやすい)
- 高所作業車 →資格よりも他の実務能力が重要
3.維持費や更新料が高いのにリターンが少ない
資格の多くは登録料や年会費がかかるため、その資格を活かしていなければ、コスト面でマイナスです。
また、〇年毎に更新料がかかる資格も多く、コストパフォーマンスが悪いと感じる人も多いです。
- ファイナンシャルプランナー、宅建士、士業など → 更新料がかかる(特に士業は年間10万円~60万円も)
- 簿記、○○技能士など→更新料なし
役に立たないと言われる資格でも役に立ってる人はいる
資格といってもピンキリです。多くの人に役に立たないと言われる資格であっても、人によっては役に立っていると感じる人はいます。
同じ資格でも……
資格の種類 | 役に立ってると感じる人 |
趣味や教養系 | 楽しめればOKと思ってる人 |
起業・副業で活かせる資格 | その人の工夫次第で△~◎ |
就職に役立つ資格 | 今は別の業界でも将来的に転職する予定の人 |
業界内でのスキルアップ資格 | 実務に直結すれば有利に◎ |
同じ資格でも業界と関係なければ、基本的には評価されません。
- 弁護士 →事務員の募集(×評価されにくい)
- 事務・コンサル系資格 →建設会社(資格があまり役立たない)
よくある賛否が分かれる例
知名度がある資格であっても賛否が分かれることがあります。
資格の種類 | 評価の別れるポイント |
簿記3級・3級FP技能士 | 教養としては◎、実務では2級以上ないと厳しい |
ファイナンシャルプランナー(FP) | 金融業界以外だと評価されにくい、独立には営業力がいる、FP協会はコスパ悪いと言われることも |
宅建士 | 不動産業界以外だと効果が限定的 |
TOEIC | 高得点でも会話できない人が多い、英語を使う職場でないと効果減 |
アロマ検定・食育アドバイザー、ヨガインストラクターなど | 趣味系としては良い、仕事には結び付きにくい |
資格を選ぶ前に考えておくべき視点
1.なぜその資格が欲しいのか?
目的が明確でないと、勉強を開始してもモチベーションが続かず、学習効果が下がります。また、記憶にも残りにくいです。
資格を目指すうえで、転職したい・副業したい・自分の知識を深めたいなど、将来像とつなげて考えることが重要です。
- 不動産業界に転職したい→宅建士
- お金のことで将来が不安→ファイナンシャルプランナー
- 法律家になりたい→司法試験・予備試験
- 何となく資格を取る→役に立たない資格になる可能性
2.その資格を活かせる場があるか?
実際に仕事で必要なのか、独立・副業で使えるかを考えることも重要です。
資格が必ず要るという分野は実はそう多くないかもしれません。
- 転職・就職→その資格は有利になるか?
- 資格があることで仕事にどれだけ役立つか?
- 「資格がないよりはあった方が良い」が多い(自分が思ってるより評価されない?)
民間資格や趣味系の資格の場合は、活かす工夫が必要なことも多いです。
- アロマ検定→集客の方が重要なことも
Webライターであれば、必ずしも資格は必要ありません。
しかし、資格があると高額な依頼に結び付くことが多いです。
- 専門性なし→安い案件ばかり
- FPや士業→高額案件の依頼が増える
3.費用とリターンが見合うか
資格講座の中には、合格率を低めにして合格させ、登録料と更新料を目的にしているものがあります。
こういった資格は多いので、受験料・教材費・講座代・更新料を総合的に見て判断することも重要です。
資格取得後にどれくらい収入になるかや、仕事増加が見込めるかを冷静に考え、シミュレーションすることも必要です。
- 年間8万円の会費がかかる士業→副業で年10万円以上稼げるなら長い目で見て意味あり
- 年間3万円~(FP)→SGで学んだ知識を活かして運用を始める(年0円 → 数百万、数千万円)
- 資格のリターン・効果は人によることが多い
まとめ:資格が役に立つかは目的次第
- その資格をどう活かすか
- 時間と費用に見合う成果を見込めるか
- 他のスキルや経験と組み合わせることができるか
- 自分が納得したものか
資格の有用性は、それを取得する目的や活用の場面によって大きく左右されます。