ファイナンシャルプランナーのSG(スタディ・グループ)とは?

先日、日本FP協会のスタディ・グループ(以下SG)に参加してきました。

SGは主にFP協会の会員であるAFP、CFPを対象にした勉強会です。

私は大学の時にCFPに合格したので、そこからいろいろなSGに参加しています。投資の勉強もSGからでした。

SGに参加するとFP協会の継続教育の単位が取得できることから、参加してるのは会員の人ばかりなので、FPの知り合いが増えます。

SGで取り上げるのは実務的な内容が多いので、将来FPとして独立したいと思ってる人なら得るものは多いと思います。

SGにもそれぞれ特徴があるので興味がある人は、まずはビジターで参加してみて自分にあったSGを探してみるのがいいと思います。

日本FP協会の会員には2年ごとの資格更新が必要

日本FP協会では、AFPを普通資格、CFPを上位資格と位置付けて2年ごとに資格の更新を義務付けています。

この資格の更新時にAFPなら15単位、CFPなら30単位が必要です。

単位の取得方法には、FPジャーナルという会員向けの冊子についてる継続教育を受けたり、認定研修を受講したり、執筆、講師をするなどがあります。

SGに参加することでも単位として認められます(2単位)。

私が所属しているSGは年会費として3千円かかりますが、会費はSGによってバラバラ(2千円~1万円)です。

SGの開催の頻度は、年6回から10回といったところです。

 

FPジャーナルの継続教育が費用的にお手頃(1000円以下)で、時間もそれほどかからない(数ページ読んでマークシートで提出するだけ)ので、ほとんどの人がこのFPジャーナルの継続教育で済ませてると思います。

SGで取得した単位は必要な単位の半分までと決められてるので、残り半分はSG以外の方法で取得する必要があります。

CFPの私の場合は15単位をSGで取り、残り15単位をFPジャーナルの継続教育で取得してます。認定研修やFP協会のイベントに参加することもあります。

SGごとに力を入れてる分野が違う

SGに参加しているのは原則としてFP協会の会員なので、FPと関係がある仕事をしている人が多いです。

私が現在所属しているSGには、税理士、社会保険労務士、行政書士、不動産業の人、元ファンドマネージャー、会社員等がいます。

一つ前に所属していたSGは、弁護士、保険会社の人、元銀行員、元証券会社の人がいました。

全体的には銀行と証券会社出身の人が多いような気がします。

 

講義の内容も様々で、FPとして独立した人の体験談や、独立したいFPのセミナー練習を兼ねたような内容のものまでありました。

ほとんどのSGはどの分野もまんべんなくテーマとして取り上げてますが、中には投資に特化したSG、不動産に特化したSGがあったり、特定の分野に特化してるSGもあります。

SGの中にはFPとして独立を目指す人向けものもあるようです。運営者の方針がSGの特性(取り上げるテーマ、目指す方向)に影響します。

ちなみに私が先日参加したSGのテーマは、税制改正に関することでした。

私がSGで講師をしたこと

SGにも50人以上会員がいるものから、10人以下のものまであります。

会員数の少ないSGだと講師を依頼されることもあります。

私もSGで講師をしたことがありますが、「不動産業界でのFP資格の活かし方」「ライフプラン相談の現場」といったテーマで講師をしました。

SGから講師を依頼された場合は、最初はみんな知識も経験もないので、自分にできる限りのことを頑張ればいいと思います。

 

講師をした時も単位が認められます。

FPジャーナルの継続教育は会員ページからなので特別な手続きはありませんが、SGや講師、研修に参加した場合は会員ページから自己申請が必要です。申請して認められれば単位が認定されます。

SGのテーマで人気があるのは投資関係

SGに参加してる人の平均年齢は高く、私が所属してるSGの会員の平均年齢は70歳くらいといったところです。

その前に所属していたSGも定年退職した人ばかりでした。退院したばかりの82歳のおじいさんに講師をしてもらったんですが、声が小さくて聞こえないから急きょマイクを取りに行ったこともあります。

日本人はいまだに貯金がメインの人が多いですが、散々テレビでこれからは投資が必要といわれてる影響もあって、投資に関するテーマだと受講者が多いです。

なによりFPにとってもiDeCoやNISAは注目の分野です。年金の専門家というと社労士がいますが、年金だけでは不足する分は投資が必要なので社労士にも人気です。

私の個人的な希望としては個別株についての勉強会に参加したいのですが、なかなかないので本を読んで自習してます。

 

公的年金だけでは老後の生活は厳しいと散々言われてるので、FPにとっても他人ごとではありません。

iDeCoとNISAを活用すれば老後問題は解決できるともいわれてますが、そのためには投資や運用の知識が不可欠です。

日本人はリスクを嫌うといわれることがありますが、リスクを嫌うというより、投資についての知識が不足してることが原因です。

預貯金では資産が目減りしていくと言われてますが、リスクを嫌って安全資産ばかりでも目減りが避けられません。

仕事のためにSGに参加してるというより、自分の老後のために参加してるのかもしれません。

 

同じSGに所属している証券会社の人は、証券会社が個人投資家の資産を搾取していると言ってました。

ラップ口座の残高が伸びているのを見れば確かにそうですね。

個人投資家に不利な商品はCMや広告で流し、個人投資家に有利な商品は紹介しない、これが実態のようです。

iDeCoやNISAはそういった商品がないのがよいですが、だからといって安全資産ばかりだと思ったような老後がおくれないかもしれません。リスクとの付き合い方を学ぶ場としてSGは適してます。

SGは人脈を広げる場になる

SGの講義が終了した後は名刺交換をして人脈を広げることもできます。

SGによって参加しやすいところがあれば、いまいち参加者に優しくないところもあります。

こればかりは相性もあるので、いろいろと参加していみるしかありません。

ビジターとして参加して気に入ったSGがあれば、入会してみるのもいいでしょう。

居心地がいいSGなら積極的に運営に参加してみるのもおすすめです。

SGの運営に参加するようになると、SGを越えたFP同士の付き合いができるようになり、別のSGに所属するFPの人を勉強会の講師として招くこともできます。

FPの中には士業やFP以外の業務をしてる人もいるので、つながりができると何かあった時に相談しやすいです。

 

FP協会の会員でなくても参加できるSGはあるので、自分が興味あるテーマの回に参加してみると勉強になります。

まとめ

・日本FP協会のAFP、CFPの2年ごとに資格の更新方法には、FPジャーナル、講師、執筆、SG(スタディ・グループ・勉強会)等がある。

・SGグループによって開催の頻度、会費が異なる。

・SGの中には投資、不動産といった分野に特化してるものもある。

・FP初心者向け、独立したいFP向けのSGもある。

・SGはFPの人脈を増やせる