国道交通省は区分所有マンションの修繕についてのガイドラインを公表してます。
区分所有マンションの所有者になると、長期修繕計画に基づいて毎月修繕積立金がかかります。
長期修繕積立計画作成に関するガイドライン及びコメントや修繕積立金ガイドラインは、既にマンションを所有してる人だけでなく、これからマンションを購入しようと思ってる人にも役立ちます。
今回はガイドラインで重要と思う部分を取り上げました。
長期修繕計画作成ガイドライン
区分所有マンションでは、複数の人が共同で専有部分、共用部分を使用し、所有者全員で管理組合を構成します。
建物部分は経年劣化していくので、適時適切に修繕が必要です。この修繕は毎年行うものではありませんが、多額の費用がかかるので毎月積み立てていくことになります。
修繕時に大きな負担にならないよう、将来の修繕工事を予想、計画して積立額を設定します。
重要だと思う部分を取り上げましたが、人によっては別の部分が重要と感じるかもしれないので、リンクを貼っておきます。
長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント(https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000204.html)
ガイドラインには、修繕工事項目と修繕周期が一覧で表示されてるので交換時期の目安がわかります(例 給水管更生15年、取替30年)。
・推定修繕工事では、建物・設備の性能等を新築時と同等水準に維持、回復させる修繕工事を基本としている
・区分所有者の要望に応じて建物および設備の性能を向上させる改修工事を設定する
・計画修繕工事の実施の要否、内容は事前に調査、診断を行い、その結果に基づいて判断する
・長期修繕計画及び修繕積立金の額を5年程度ごとに見直しを行う規定を定めることが望まれる
・修繕周期は修繕工事項目ごとにマンションの仕様、立地条件等を考慮して設定する
・設定にあたっては、経済性等を考慮し、推定修繕工事の集約(まとめて工事する)等を検討する
・推定修繕工事費は、推定修繕工事項目の詳細な項目ごとに算出した数量に設定した単価を乗じて算定
・修繕積立金の運用益や借入金の金利、物価変動について考慮する場合は、作成時点において想定する率を明示する
・修繕積立金の積み立ては、均等積立方式を基本とする
修繕積立金ガイドライン
国土交通省は、修繕積立金に関する基本的な知識や目安も公表しています。こちらは上記の長期修繕計画作成ガイドラインが元になってます。
マンションの修繕積立金に関するガイドライン(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html)
・修繕積立金は、共用部分について管理組合が行う修繕工事の費用に充当するための積立金であり、専有部分について各区分所有者が行うリフォームの費用は含まれません。
・修繕積立金の額の目安および専有床面積当たりの修繕積立金の額の計算式
計画期間全体における修繕積立金の平均額の算出方法(㎡当たり月単価)
(算出式) 計画期間全体における修繕積立金の平均額(円/㎡・月)
Z=(A+B+C)÷X÷Y
A:計画期間当初における修繕積立金の残高(円)
B:計画期間全体で集める修繕積立金の総額(円)
C:計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額(円)
X:マンションの総専有床面積(㎡)
Y:長期修繕計画の計画期間(ヶ月)
Z:計画期間全体における修繕積立金の平均額(円/㎡・月)
修繕積立金の額の目安は、建物の規模が大きくまとまった工事量になると通常は修繕工事の単価が安くなります(工事を集約できる、施工性が向上する)。
修繕積立金の方式には、均等積立方式と段階増額積立方式があります。
安定的な修繕積立金の積立てを確保するには均等積立方式が良いとされています(実際は段階増額積立方式がほとんど)。
段階増額積立方式を採用したマンションでは、購入者の当初の月額費用は抑えられますが、5年ごとの見直しで金額が増加するのが一般的です。
タワーマンションや複雑な形状のマンションでは、特別の修繕が必要なので、修繕工事費が高くなる傾向にあります。
また、建物に比べて屋外の敷地が広いと給水管や排水管が長くなり、電灯や道路の舗装も多く必要なため、修繕工事費が高くなります。
他にも塩害や寒冷地といったことに影響を受けます。
スポーツジムや専用バスがあるマンションでは、これらの維持費についても所有者が負担しますが、これらは修繕積立金ではなく管理費の費用です。
まとめ
長期修繕計画のポイント
・修繕工事は新築時と同水準に維持される工事を基本とする
・5年ごとに見直しが原則
・ほとんどのマンションの修繕積立金は段階増額積立方式によって積立てられている
・マンション管理に興味がない人が多い
修繕積立金が不足しているマンションも多いので、購入前に確認することが大事です。