業者任せはキケン?住宅ローンで失敗する主な原因

投稿日:2019年12月6日 更新日:

人生で一番高い買い物といわれる不動産ですが、住宅ローンのことを深く考えずに購入して失敗してしまう人がいます。

不動産のことについては時間をかけて探しても、住宅ローンのことになると業者任せという人は多いです。

住宅ローンの返済は、35年の期間に及びますから長く付き合うことになります。そうであれば物件探しと同じくらい住宅ローンを重要視してもいいのではないでしょうか。

中高齢では収入が限られることや老後資金の確保が厳しい状況を鑑みて、将来のキャッシュフローを考えて住宅ローンの返済計画を立てることも重要です。

住宅ローンを限度額まで借りて返済が苦しい人

かなりの年収があっても住宅ローンで失敗してしまう人はいます。

住宅ローンは金額が大きいので、月々の家計に与える影響も大きく、かつ、返済期間が長期にわたります。さらに子供の教育時期と重なると住宅ローンが生活に重くのしかかってきます。

住宅ローンのような高額な借り入れはそう経験するものではないので、よく分からないまま契約すると後が大変です。

 

住宅ローンで失敗する理由で多いのが、すべて業者任せにしたというものです。

不動産業者も様々なので、お客様のことを考えて相談に乗ってくれる業者がいれば、目いっぱい借りさせようとする業者もいます。

契約したら不動産業者とは終わりですが、住宅ローンは借りてからが始まりです。

全て業者任せにするのではなく、住宅にかかる費用を見積もってみたり、第三者のFPに相談してみることも大切です。

 

家賃と同じ感覚で月々の返済額を決めてしまうのは危険です。

賃貸の場合は家賃だけ支払っていれば済みますが、所有した場合は毎月のローン返済以外にも維持費がかかります。

賃貸の延長線として住宅ローンの返済を考えていると、毎年かかる維持費とリフォーム費用が大きな負担となります。維持費を払ってリフォームまで手が回らない家庭は多いです。

所有することによって生じる維持費には、管理費、修繕積立金、リフォーム代金、固定資産税といったものがあります。

不動産によっては維持費だけで月あたり5万円を超えることもあります。

 

住宅ローンの毎月の返済額の判断としては、子供の教育費が多く掛かる時期と重なっても返していけるかという点です。

返済していける金額と借りられる金額を区別する必要があります。

 

借りられる金額と返していける金額の違い

住宅ローンを借り入れる際に気を付けたいのが、借りられる金額と返していける金額を区別することです。

 

借りられる金額は、借りる人の主に収入から見積もった銀行が貸してくれる金額です。

年収以外にも年齢、職業、物件、雇用形態等を考慮して決まります。

 

住宅ローンの借りられる金額は、金融機関ごとで違うことがあります。

独自の審査金利を適用するところ、そのときの実効金利によるところ、案件次第というところ、といった感じで金融機関によって基準がそれぞれ異なり、明らかにされてません。

その点、住宅金融支援機構は審査の基準が分かりやすいです。

 

金融機関は収入、年齢、職業、物件、勤務先をもとに限度額を算出するので、借りる人のライフプランまで考えて貸し出してるわけではありません。金融機関が貸してくれる金額が無理のない返済というわけではないということです。

 

対して、返していける金額は、管理費、修繕積立金、固定資産税などの住宅を保有してればかかる維持費を考慮して計算した金額です。

住宅関連だけで考えると将来どのようなリスクがあるか分からないので、シミュレーションをして子供の教育時期や老後も含めて返していけるかを見極めることです。

 

借りられる金額と返せる金額の比較

借り入れられる金額と返せる金額の違いを分かりやすくするため、例を挙げてみます。

例、年収500万円、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、実行金利2%

 

借りられる金額の場合

借入可能額の計算では、金融機関が審査金利を4%に設定しているところが多いので、これをもとに借入られる額を計算します。

計算した結果、3,290万円程度が一つの目安となります。

住宅金融支援機構の場合は、適用金利を審査金利として計算しますので4,400万円になります。

ちなみに毎月の返済額は、3290万円なら月々10万8985円になります。

4400万円なら月々14万5756円となります。

 

 同じ年収をもとにした借入可能額でも、金利が違うとこれだけ違います。

 

返せる金額の場合

返していける金額は、子供の数、生活費等の家庭の状況によって大きく異なるので一概には計算できません。

ここではモデルケースとして、生活費、子供の教育資金関連、その他(娯楽費、洋服代とか)で合計33万円かかる家庭を例にしてみます。

500万÷12=41.6万円 41.6万-33万=8.6万となるので、子供を育ててる期間は毎月返済額が8万円でもぎりぎりです。

さらにこの8万円から管理費、修繕積立金、固定資産税(年1回)を用意しなければなりません。一戸建てなら管理費はかかりませんが、修繕費と固定資産税がかかります。

子供が少し大きくになって配偶者が働き始めたとしても、限度額いっぱいで借りるのはリスクが高いといえます。

夢のマイホームを夢にしない

借りられる金額と返していける金額とでは、金額に大きなさが出ることがお分かり頂けたかと思います。

不動産会社の営業の中には、高い物件を紹介したほうが手数料が多いため、限度額いっぱいを目安に物件を紹介してくる人がいます。

 

住宅ローンが返済できなければ金融機関は抵当権を実行してでもお金を回収してきます。

住宅ローンで破産した人の中には、最初から破産するつもりの人はいません。

失敗した人と同じ轍を踏まないためには、将来にわたって返済していける金額で借りることです。

 

今回のまとめ

・住宅ローンの資金計画は不動産探しと同じくらい重視する

・家を買うと住宅ローン以外にも維持費がかかる

・業者任せにしない

・ローンを借りる前に資金計画を立ててみる

・借りられる金額と返せる金額を区別する

・住宅ローンは借りてからが始まり。定期的に見直す。

 

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