住居確保給付金とは?家賃を支援する制度の仕組みと要件を解説

差し押さえ 不動産

離職や廃業、あるいはやむを得ない事情による収入の減少で、家賃の支払いが難しくなることがあります。

こうした状況にある人を対象に、家賃相当額を支給する制度が「住居確保給付金」です。

 

生活困窮者自立支援法にもとづく制度で、2015年から続く常設の制度です。

かつて新型コロナウイルスの感染拡大時には、要件緩和や再支給の特例など一時的な拡充措置が取られましたが、こうしたコロナ特例は2023年3月末で終了しており、現在は通常の制度として運用されています。

 

この記事から分かること

  • 住居確保給付金とはどんな制度か(対象者・目的)
  • 支給される金額の考え方と、支給期間(原則3か月・最長9か月)
  • 受給するための収入・資産等の要件
  • 2023年4月の制度改正で何が変わったか
  • 申請の流れと、求職活動などの継続要件

 

住居確保給付金とは

住居確保給付金は、離職・廃業等によって経済的に困窮し、住居を失った、または失うおそれのある人を対象に、家賃相当額を支給する制度です。

単に家賃を補助するだけでなく、就労機会の確保に向けた支援(求職活動のサポート等)とセットになっている点が特徴です。

 

支給された給付金は、本人ではなく、賃貸人(大家・管理会社)の口座に直接振り込まれます。

 

支給額と支給期間

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支給額は、「基準額+実際の家賃額-世帯全体の収入合計額」という式で算定されます(世帯人数ごとの上限額あり)。

基準額・上限額は、世帯の人数や居住する自治体によって異なります。

 

支給上限額の目安(生活保護の住宅扶助基準に準じるため、自治体・世帯人数により異なります)

世帯人数 支給上限額の目安
単身世帯 数万円程度(自治体により異なる)
2人世帯 単身世帯よりやや高い水準
3人以上の世帯 さらに高い水準

※具体的な金額は自治体・年度によって毎年見直されます。正確な金額は、お住まいの市区町村の窓口・公式サイトでご確認ください。

 

支給期間は原則3か月です。求職活動の状況が良好で、一定の要件を満たす場合は、3か月ごとに2回まで延長でき、最長9か月まで受給できます。

 

主な受給要件

住居確保給付金を受給するには、次のような要件をすべて満たす必要があります(自治体により細部の表現は異なります)。

  1. 離職・廃業の日から原則2年以内であること(やむを得ない事情がある場合は延長あり。後述)
  2. 就業機会の減少(本人の責任・都合によらない収入減少)により、離職・廃業と同程度の状況にあること
  3. 離職等前に、世帯の生計を主に維持していたこと
  4. 経済的に困窮し、住居を失っている、または失うおそれがあること
  5. 世帯全員の収入合計が、基準額と家賃額を合算した「収入基準額」以下であること
  6. 世帯全員が保有する金融資産の合計額が、基準額の6倍(上限100万円)以下であること
  7. 誠実かつ熱心に求職活動を行うこと
  8. 類似の給付を重複して受けていないこと
  9. 世帯員のいずれもが暴力団員でないこと

 

2023年4月の制度改正で変わったこと

2023年4月、住居確保給付金の制度に次のような見直しが行われました。

 

離職期間要件の緩和

「離職・廃業後2年以内」という要件について、疾病・負傷・育児等のやむを得ない事情で30日以上求職活動が困難だった場合、その日数を2年に加算できるようになりました(最長4年まで延長可能)。

 

収入算定の見直し

児童扶養手当・児童手当など、特定の目的で支給される手当を、収入の算定から除外できるようになりました。

 

自営業者の求職活動要件の緩和

自営業の方については、一定期間、ハローワークでの求職活動に代えて、事業再生に向けた活動(経営相談等)でも要件を満たせるようになりました。

 

コロナ特例の再支給は2023年3月末で終了

一方で、解雇以外の理由(収入減少等)でも再支給を申請できる、新たな要件が設けられています。

 

求職活動などの継続要件

住居確保給付金を受給している間は、次のような求職活動等を継続する必要があります(ハローワーク等での求職活動を行う場合)。

  • 月4回以上、自立相談支援機関等の面談・支援を受けること
  • 月2回以上、ハローワークで職業相談を受けること
  • 原則週1回以上、求人への応募または面接を受けること

 

自営業の方で、事業再生に向けた活動を行う場合は、経営相談窓口(商工会議所や「よろず支援拠点」等)への相談を軸にした要件に代えられる場合があります。

 

申請の流れ

住居確保給付金の申請は、お住まいの市区町村の自立相談支援機関(生活困窮者自立支援制度の窓口)で行います。

まずは窓口に相談し、制度や手続きの流れについて説明を受けたうえで、必要書類を添えて申請するのが一般的な流れです。

 

支給が決定すると、相談支援員による面談等を通じて、就職に向けた継続的な支援を受けることになります。

 

まとめ

  • 住居確保給付金は、離職・廃業等で家賃の支払いが困難な人を支援する常設制度(コロナ特例は2023年3月末で終了)
  • 支給額は家賃相当額(生活保護の住宅扶助基準が上限の目安)、支給期間は原則3か月・最長9か月
  • 収入・資産・求職活動など、複数の要件をすべて満たす必要がある
  • 2023年4月の改正で、離職期間要件の緩和・収入算定の見直し・自営業者向けの柔軟化が行われた
  • 申請はお住まいの市区町村の自立相談支援機関(くらし支援窓口等)で行う
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