ローン

住宅ローンの固定金利はリスクがなくても損をする可能性がある

投稿日:2015年4月6日 更新日:

投資をしている人や仕事で扱わない限り、金利について普段から調べたり、考えている人は少ないと思います。

日頃からローンを扱っている人でない限り、なかなか誤解も多いのが変動金利や固定金利といった住宅ローンの金利です。

 

今回は固定金利について日頃思うことをまとめてみます。

目次

変動金利と固定金利のおさらい

変動金利は、その名の通り借入期間中に金利が変動します。

そして、固定金利は借入期間中、金利が変わらないものをいいます。

固定金利には一定期間金利が変わらないものと、全期間金利が変わらないものとがあります。

 

低金利のときは固定金利を選択し、高金利のときは変動金利を選択することが有利とされています。

低金利の時に固定金利を選択すれば、将来金利が上昇しても低い金利を享受できます。反対に高い金利の時は変更金利を選択しておけば、将来金利が低下した際に月の返済額が安くなります。

 

どちらの金利が有利になるかは選択時点では分からないですから、リスクに対処できるライフプランに基づいて返済計画を立ててみることが重要です。

変動金利から固定金利に選択する人が増加?

政府の景気対策による影響があってか将来の金利上昇リスクに備えた選択をする人が増えているそうです。

つまり、住宅ローンのタイプを変動金利から固定金利に乗り換える人が増加中のようです。

 

一般的には、同時期であればリスクがあるため変動金利の方が固定金利よりも金利が低くなります。

固定金利に乗り換える人が増加しているのは、将来的には金利が上昇すると見込んでいる人が多いからです。

今のうちに固定金利にしておけば、将来金利が上昇しても低い金利のままですむわけです。

現在は低金利時代といわれているので、将来の金利上昇リスクが不安な人は、将来に備えて固定金利へと借り換えるのは有効な手です。

 

例えば、3,000万円を変動金利0.975%で35年のローンを組んだと仮定します。

この場合の月々の住宅ローン返済額は84,336円となります。

5年後の時点では、借金が2,631万円残っています。

 

このまま変動金利の金利が変わらなければ返済額は84,336円のままで、残り30年間で利息と元本合わせても3036万円の返済額で済みます。

ところが借り入れてから5年後に金利が上昇して3%になったとしたら、月々の返済額は110,943円になってしまいます。

 

実際にはルールがあるのでこうはならないかもしれませんが、固定金利を選ぶことは、その返済額以上に増えないということなので計画を立てやすくなります。

 

メリットとデメリットはどちらにもある

これから先も日本が低金利のままかは分かりませんが、政府が描くシナリオでは中長期的には金利が上昇していくようです。

しかし、日本には少子高齢化問題や需要減といった社会構造上の問題があるので、当分はローンの金利が急激に上がるとは思ってません。

 

アメリカやイギリスでは、ローンの金利は変動金利でも4%~5%で、固定金利では5%を超えているようです。

35年固定のフラット35でも1%台なので、日本の住宅ローン金利は他の先進国と比較しても突出して低い状態です。

 

国の経済環境等によっても異なりますが、低金利のときに固定金利へと移行するのは合理的な判断です。

変動金利は半年ごとに見直すとされ、上がり続ければ生活不安になるリスクがあり、そうなると最終的な総返済額が過大になる可能性があります。

また、変動金利には1.25倍ルール(返済金額が1.25倍までしか上がらない)や、5年ルール(返済額が5年一定)によって未払い利息の発生というリスクもあります。

 

変動金利にも固定金利にも、それぞれにメリットがあり、デメリットもあります。

変動金利はリスクがありますが、今のような低金利が続けば固定金利より安くすみます。

固定金利は返済額が固定されるので将来の計画が立てやすいのですが、低金利が続けば変更金利よりも返済額が高くなります。

 

変動と固定のどちらが正しいかは後にならないと分からない

 住宅ローンを選択する際に、多くの人が悩まれるのが「変動金利」か「固定金利」のどちらにするのがいいかです。

結論としては、将来どうなるかが誰にもわからない以上、どちらの選択が正しいのかは誰にもわかりません。

変動金利と固定金利のどちらを選んでも、どちらの選択が有利かは後にならないと分かりませんから、考えるだけ無駄です。

 

変動金利と固定金利のどちらが良いのか知るには、前提として将来の金利がどうなるか分からなければならず、将来の金利がどうなるか分からない以上、現時点では答えが出せないのです。

だからといって全く住宅ローンのことについて調べずに利用するのも考えものです。

なぜなら住宅ローンのことについて全く知識を持っていない人より、住宅ローンについての知識がある人の方が不動産購入で失敗が少ないからです。

物件探しは妥協しないのに、住宅ローンについては後から後悔する人は多いです。というよりローンのために将来の生活を犠牲にする人が多い気がします。

 

固定金利で借りても見直しは必要

固定金利を選択すると返済期間中の金利が変わりませんから、固定金利にはリスクがないようにみえます。

お客様の中には支払い終わるまで金利が変わらないことが正しいと思っている人もいます。

固定金利で同じ借入額を借りたとしても、実際はその時々の経済環境や状況によって固定金利の適用金利が違うので返済額も異なります。

 

たとえば今から10年前のフラット35の固定金利は、2.8%程度でした。

現在のフラット35であれば、頭金1割以上あれば1.11%、1割未満しか用意しない場合でも1.55%です。

これらの金利で35年の住宅ローンを組むと、月の返済額はいくらになるでしょうか。

 

例 ローン借り入れ額 3,000万円

2.8%の場合 112,132円

1.11%の場合 86,232円

1.55%の場合 92,591円

つまり、借り換えすれば2万5千円安くなるということです。

 

同じ種類(フラット35)の金利タイプを選択しても、その時の適用金利によって返済額は変わってきます。

固定金利はその人が借りた金利が変動しないだけで、その後も市場の固定金利の水準は変動します。固定金利で借りたからといって見直しをしないとひどく損することもありえるということです。

このようにローン利用者の状況によって、借り換えや繰り上げ返済等、ローンの見直しを行うことで費用を抑えることができます。

 

フラット35でも借り換えはできるということを知らない人は多いです。

 

終わりに

せっかく買ったマイホームも住宅ローンが返済できなくなり、マイホームを失う人はバブル崩壊後も減少していません。

住宅ローンを一度組んでしまえばこの先、30年、40年と返済していかなければなりません。

一流企業に入社して出世するような人でも住宅ローンで失敗してしまった人は多かったりします。

住宅ローンの返済が滞れば、マイホームを失って借金だけが残ります。マイホームを失った後も借金を返済していく義務はなくならないのです。

これから不動産を購入する人は、購入後も相談できる会社を選択すれば、何かと頼りになるはずです。

  • この記事を書いた人

たくあん(ネトゲ)

横浜で不動産仲介業ファイナンシャルプランナーをしています。

 

住宅ローンが老後に与える影響は深刻です。

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不動産だけでなく、ライフプランの相談にも寄り添った対応をしていきます。

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