不動産会社では、ファイナンシャルプランナーというより不動産営業でしたが、不動産探しの手伝いの他投資の相談からローンのアドバイスまで行っていました。
当時の店頭金利は、今の2.475%とそう変わらない2.375%でしたが、今のような2%といった優遇幅は取れず、せいぜい0.6~0.7%取れればいい方でした。
ちなみに銀行の店頭金利から優遇幅(優遇金利)が引かれ、実際に適用される金利が実質金利とか適用金利といわれる金利です。
店頭金利ー優遇金利=適用金利
変動金利は、金利が変動する仕組みをいいますが、いきなり返済額が跳ね上がるわけではありません。
変動金利には、急激な負担増を抑える仕組みがあるので、過度に押される必要はありません。
この記事から分かること
- 変動金利の「5年ルール」「125%ルール」の仕組み
- 変動金利が上がっても、なぜ急激に返済が破綻しないよう設計されているのか
- 2026年時点の金利環境と、押さえておくべき変化
- 変動金利を選ぶ際に、恐れるのではなく備えるための考え方
「変動金利は怖い」というイメージの正体
住宅ローンの変動金利を選ぶ人の中には、その仕組みを正しく理解しないまま契約している人が少なからずいます。
金利が上がったら返済額が跳ね上がって家計が破綻するのではないか、というイメージを持っている方も多いのですが、実際には変動金利には返済負担が急激に増えないための仕組みがいくつも組み込まれています。
仕組みを知っておけば、必要以上に恐れる必要はありません。
変動金利の「5年ルール」と「125%ルール」

変動金利は半年ごとに金利の見直しが行われますが、返済額そのものの見直しは5年ごとです。
金利が上がっても、5年間は毎月の返済額が変わりません(元利均等返済の場合)。
さらに、5年ごとの見直し時も、次の返済額は直前の返済額の最大125%までに抑えられるというルールがあります。
例えば現在の返済額が10万円であれば、次の見直しでどれだけ金利が上がっていても、返済額は最大12.5万円までにしかなりません。
急激に家計を直撃する設計にはなっていないのです(※元金均等返済の場合はこのルールが適用されないため、返済方式の確認は必要です)。
それでも知っておきたい「未払い利息」の仕組み
ただし、注意しておきたい点もあります。
返済額が変わらなくても、その内訳(利息分と元本分の割合)は金利上昇に応じて変化しています。
金利が上がれば、同じ返済額の中で利息の占める割合が増え、元本の減りが遅くなります。
これがさらに進むと、支払うべき利息額が毎月の返済額そのものを上回ってしまう「未払い利息」が発生する可能性があります。
この状態になると、返済しているのに借入残高が減らない、あるいは増えてしまうことになります。
とはいえ、これは相当な金利急騰が起きた場合の話です。
現実的に起こりうる金利変動のペースであれば、5年ルール・125%ルールによって急激な負担増は緩和される設計になっている、という基本を押さえておけば、過度に恐れる材料ではありません。
2026年、押さえておきたい環境の変化
長年続いた低金利時代を経て、2024年以降、日本銀行の利上げが進んでいます。
2025年12月・2026年6月と政策金利の引き上げが実施され、フラット35(全期間固定金利)は2026年8月時点で過去最高水準(3.29%)まで上昇しました。
変動金利についても、主要行の最優遇金利は2026年8月時点で年0.945%〜となっており、以前と比べて上昇傾向にあります。
| 変動金利 | 固定金利(フラット35等) | |
| 指標 | 短期プライムレート(日銀の政策金利に連動) | 新発10年国債利回り(市場予測に連動) |
| 2026年8月時点の目安 | 主要行の最優遇金利 年0.945%〜 | フラット35 3.29%(過去最高水準) |
| 見直しの仕組み | 半年ごとに金利見直し、返済額は5年ごと・上限125% | 借入期間中は変わらない |
「これまでの15年は金利が下がり続けたから、これからも下がる」という前提はもう成り立ちません。
ただし、これは「変動金利が急に危険になった」ということではなく、「上昇局面での仕組みを踏まえた備えが必要になった」ということです。
恐れるのではなく、備えるための3つのポイント

1.金利が上昇した場合の返済額をあらかじめシミュレーションしておく
0.5%、1.0%上昇したらいくらになるかを事前に把握しておけば、実際に金利が動いても慌てずに対応できます。
2.繰り上げ返済を活用する
変動金利は当初の金利が低くなりやすいため、返済に余裕がある間に繰り上げ返済を進めておくと、金利上昇局面での負担を抑えられます。繰り上げ返済は早く行うほど利息軽減効果が大きくなります。
3.借入額は変動金利の低さだけを理由に増やさない
金融機関は変動金利でも高めの審査金利を用いて借入可能額を算出するため、実際に借りられる額は固定金利より少なく出る傾向がありますが、それでも無理のある借入額にしないことが大切です。
最初の借入期間のまま返済し続ける人は少ない
住宅金融支援機構の調査によれば、住宅ローンの借入期間は半数以上の人が25年以上で契約していますが、実際には借り換えや繰り上げ返済によって、半数以上の人がより短い期間で完済しています。
当初の契約期間がそのまま完済までの期間になるとは限らない、という点も、変動金利を過度に恐れなくてよい理由の一つです。
FPが固定金利を勧めがちな理由も知っておく

マネー雑誌やネット記事では、固定金利を勧めるFPが多く見られますが、これはあくまでその専門家個人の見解であり、絶対的な正解ではありません。
将来の金利がどう動くかは、専門家であっても正確に予測することはできないからです。
FPはリスクマネジメントを重視する立場上、返済額が確定する固定金利の方がライフプランの設計上アドバイスしやすいという実務上の事情もあります。
なお、新築マンションの営業の中には、ローンを通すためにあらゆる手段を使ってくるケースもあります。
金利タイプの選択以前に、そもそもの借入額・資金計画が無理のない範囲かどうかを確認することの方が、実は重要な場合がほとんどです。
まとめ
- 変動金利には「5年ルール」「125%ルール」があり、急激な返済負担増を抑える仕組みが組み込まれている
- 仕組みを理解していれば、変動金利を必要以上に恐れる必要はない
- ただし2026年は金利上昇局面にあり、「金利は下がり続ける」という過去の前提はもう成り立たない
- 恐れるのではなく、シミュレーション・繰り上げ返済・無理のない借入額という3つの備えで対応する
変動金利を選択している人の多くは、変動金利の特徴を知らずに利用しており、結局、契約後に勉強することになります。
首都圏のマンション市場は、オリンピック需要からの材料不足や職人不足、相続税対策の取引増加によって異常に高騰しています。
一方でエリアによっては不動産価格が下がっているところもあり、神奈川県内でも不動産価格の地域格差が広がっています。
今の神奈川の不動産市場はそんな感じです。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融機関・金利タイプを推奨するものではありません。実際の借入判断は、ご自身の資金計画に基づき、金融機関や専門家にご相談のうえ行ってください。

