不動産の賃貸で部屋を借りるときにかかる費用

投稿日:2019年12月14日 更新日:

当事者の一方が物を使用させ、その対価として賃料を支払うことを賃貸借といいます。

土地や建物の賃貸借契約は、それぞれ借地契約とか借家契約といわれます。

賃貸借契約については、民法で契約の解約や更新、修繕義務などを規定していますが、賃借人の保護という観点から民法に優先する法律として借地借家法という法律が定められています。

 

不動産の取引では、他にも多くの法律が関わってきますが、まずは基本的なことを知ることが大切です。

部屋探しの流れ

部屋を探すときは事前に予算と条件を明らかにして伝えておくと、不動産会社の担当者も柔軟に対応してくれます。

普通は予算に限りがあるため、予算を最優先に探すことが多いと思います。希望のエリアの相場を事前に調べておくと条件もまとまりやすくなります。

 

最近は、ネットだけで契約までできるものも出てきましたが、やはりトラブルも多いです。

基本的には実際に不動産会社に行って相談したほうが、アドバイスも聞けます。

 

希望条件がまとまったら、実際に不動産会社を訪問して相談します。

実際に物件を見て回っているうちに条件が変わることもあるので、あまり固く考えなくても大丈夫です。

 

不動会社に行くと最初にアンケートの記入を求められたり、担当者が付いて希望条件を聞かれます。担当者に相談しながら条件をまとめるのでも大丈夫です。

 

記入したアンケートや伝えた条件から、担当者が条件に合った物件を資料で紹介してくれます。その中に気になる物件があれば、実際に現地に行って見学する(内見)とよいでしょう。

 

現地で物件を見て、気に入った物件があったら申込みます。

申込みをしたら、不動産会社や賃貸人による審査が行われますが、審査は数日かかることもあります。

連帯保証人がいない場合は、保証会社を利用するはずなので、保証会社の審査も行われます。保証会社の審査も数日かかります。

 

申込みをしたら審査待ちとなりますが、審査が通った場合に備えて賃貸借契約をいつにするかを打ち合わせます。

この時に契約までに必要な費用と必要な持ち物(住民票や身分証、印鑑など)も担当者から伝えられます。

 

審査が通ったら、後日賃貸借契約を締結します。

その後、入居日に部屋のカギを受けとって引き渡しとなります。

引き渡しが終われば、いつでも引っ越しできます。

部屋を借りるときにかかる費用の内容

部屋を借りるときには、初期費用がかかります。あらかじめどんな費用があるかを知っておくのがよいでしょう。

 

敷金・礼金・保証金

敷金は、賃借人(借りる人)が家賃を滞納した場合や、部屋の修繕費用に備えて、賃貸人(貸す人)に預ける金銭をいいます。

最近のワンルームなどの独身向けの物件では、敷金をゼロにしている部屋もあります。そのかわり最初にクリーニング代が請求されることもあります。

 

礼金は、賃貸借契約を結んだときに、賃貸人に対して支払うお礼の金銭をいいます。

もともとは、戦後の住宅不足の時に部屋を借りるお礼として始まった慣習なので、住宅が余っている現在では疑問視されていることも多いです。

最近の独身向けの物件では、礼金がかからない物件が増えてきましたが、ファミリータイプはかかる物件が多いです。

 

保証金は主に関西でかかります。

関西では、退去時に敷引きといった形で保証金の一部が償却されます。

 

仲介手数料

部屋を紹介した不動産会社に支払う金銭が仲介手数料です。

通常であれば、家賃の1か月分が仲介手数料としてかかることが多いようです。

最近は半月分が主流です。

 

前家賃

契約してから最初の月の賃料の家賃については前払いになることが多いです。

現在は賃料を口座引き落としにしていることが多いので、その場合は2か月目から引き落とされます(1か月目は前家賃)。

また、月の途中で契約する場合は、日割り計算になります。

管理費がある物件は、最初の月の前管理費も必要です。

 

火災保険・住宅総合保険

火災保険は、住宅やアパートなどの建物の火災に備えて加入します。

火災保険だけだと、火災や落雷といった事故のみが補償の対象になるため、水漏れ・洪水などが補償の範囲に含まれる住宅総合保険の利用が多くなっています。

 

保証料

連帯保証人になってくれる人がいればいいですが、親や親族に適当な人がいない場合は、部屋を借りられないことになってしまいます。

そういう場合は、保証会社を利用することで、連帯保証人を探さなくてよくなります。

 

最近は、最初から保証会社を利用することを必須にしている不動産会社も多くなっています。

 

保証会社を利用する場合は、家賃の50%~100%の保証料がかかります。

不動産会社がどんな保証会社と提携しているかによって保証率が違いますが、大体こんな感じです。

 

カギ交換費用

賃貸物件では、賃借人が変わるたびに部屋のカギを交換するのが普通です。

その際、カギの交換費用についてだれが負担するかが問題となりますが、カギの交換費用は特約で借主負担とすることが多いです。

 

賃貸借契約では、賃借人は物件を勝手に変更することは認められないので、勝手にカギを交換することも認められてません。

そうなるとカギ交換が行われてい物件は防犯の点で問題です。

カギ交換を行うことは賃借人にとっても損ではありません。

費用を払ってもカギ交換はしておいた方がよいでしょう。

 

その他

不動産会社によっては、入居の際に会員になることを強制しているところがあります。その場合は会費がかかることになります。

鍵を紛失したときに備え、24時間対応などを利用する場合も会費がかかります

また、町内会の加入は義務ではありませんが、町内会費をまとめて前払いさせられるケースもあります。

さらに一部大手フランチャイズでは、除菌消臭スプレー代がかかることもあります。

 

おわりに

上記以外にも引っ越し代や家具代がかかるのが普通です。

引っ越し代は自分でやれば不要ですし、家具は既に持っていたり、実家から持ってくることで費用を抑えられます。

物件の中には家具付きというものもあるので、こういった物件を選べば初期費用を抑えられます。

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