賃貸人が賃借人に物を使用させ、賃借人が対価として賃料を支払うことを「賃貸借」といいます。
そして、土地や建物の賃貸借契約は、それぞれ借地契約とか借家契約といわれます。
賃貸借契約については、「民法」で契約の解約や更新、修繕義務などを規定していますが、賃借人の保護という観点から民法に優先する法律として「借地借家法」という法律が定められています。
不動産の取引では、他にも多くの法律が関わってきますが、まずは基本的なことを知ることが大事です。
部屋探しの流れ
部屋を探すときは、事前に予算と条件を明らかにして伝えておくと、不動産会社の担当者も柔軟に対応しやすいです。
普通の人は予算に限りがあるため、予算を最優先に探すことが多いことでしょう。希望のエリアの相場を事前に調べておくと条件もまとまりやすくなるかもしれません。
最近は、ネットだけで契約までできるものも出てきましたが、やはりトラブルも多いようです。
基本的には実際に不動産会社に行って相談したほうが、アドバイスも聞けるのでおすすめです。
希望条件がまとまったら、実際に不動産会社に行って営業さんに相談します。
実際に物件を見て回っているうちに条件が変わる人もいるので、あまり固く考えなくても大丈夫だと思います。
不動会社に行くと最初にアンケートの記入を求められたり、担当者が付いて希望条件を聞かれるので、担当者に相談しながら条件をまとめるのもいいと思います。
記入したアンケートや伝えた条件から、担当者が条件に合った物件を資料で紹介してくれるので、気になる物件があったら実際に現地に行って見て(内見)みましょう。
実際に現地に行って物件を見て、気に入った物件があったら申込みになります。
申込みをしたら、不動産会社や賃貸人による審査が行われますが、審査は数日かかることもあります。
連帯保証人をつけない場合は、保証会社を利用するのが普通なので、保証会社の審査も行われます。保証会社の審査も普通は数日かかります。
申込みをしたら審査待ちとなるので、次は審査が通った場合に備えて、賃貸借契約をいつにするかを打ち合わせます。
この時に、契約までに必要な費用と必要な持ち物(住民票や身分証、印鑑など)も担当者から教えられるはずです。
審査が通ったら、後日賃貸借契約を締結します。
その後、入居日に部屋のカギを受けとって引き渡しとなります。
引き渡しが終われば、いつでも引っ越しができます。
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部屋を借りるときの費用にはどんなものがあるか
部屋を借りる際には、初期費用がかかるので、あらかじめ支払いについてどんな費用があるかを知っておくことは大切です。
敷金・礼金・保証金
敷金は、賃借人(借りる人)が家賃を滞納した場合や、部屋の修繕費用に備えて、賃貸人(貸す人・大家)に預ける金銭をいいます。
最近のワンルームなどの独身向けの物件では、敷金をゼロにしている部屋もあります。そのかわり最初にクリーニング代が請求されることもあります。
礼金は、賃貸借契約を結んだときに、賃貸人に対して支払うお礼の金銭をいいます。
もともとは、戦後の住宅不足の時に部屋を借りるお礼として始まった慣習なので、住宅が余っている現在では疑問視されていることも多いです。
最近の独身向けの物件では、礼金がかからない物件が増えましたが、ファミリータイプはかかる物件もまだまだ多いです。
保証金は、主に関西でかかります。
関西では、退去時に敷引きといった形で保証金の一部が償却されたりします。
仲介手数料
部屋を紹介した不動産会社に支払う金銭が仲介手数料です。
通常であれば、家賃の1か月分が仲介手数料としてかかることが多いようです。
前家賃
契約してから最初の月の賃料の家賃は前払いになることが多いです。
今は、賃料を口座引き落としにしていることも多いので、その場合は2か月目から引き落とされます(1か月目は前家賃)。
また、月の途中で契約する場合は、日割り計算になります。
管理費がある物件は、最初の月の前管理費もかかります。
火災保険・住宅総合保険
火災保険は、住宅やアパートなどの建物の火災に備えて加入します。
火災保険だけだと、火災や落雷といった事故のみが補償の対象になるため、水漏れ・洪水などが補償の範囲に含まれる住宅総合保険の利用が多くなっています。
保証料
連帯保証人になってくれる人がいればいいのですが、親や親族に適当な人がいない場合は、部屋を借りられないことになってしまいます。
そういう場合は、保証会社を利用することで、連帯保証人を探さなくてよくなります。
最近は、最初から保証会社を利用することを必須にしている不動産会社も多くなっています。
保証会社を利用する場合は、家賃の50%~100%の保証料がかかります。
不動産会社がどんな保証会社と提携しているかによって保証率が違いますが、大体こんな感じです。
カギ交換費用
賃貸物件では、賃借人が変わるたびに部屋のカギを交換するのが普通です。
その際、カギの交換費用についてだれが負担するかが問題となりますが、カギの交換費用を特約によって借主負担とすることも許されると解されています。
賃貸借契約では、賃借人は物件を勝手に変更することは認められていないので、勝手にカギを交換することは許されません。
であれば、カギ交換が行われていないと、防犯の点で問題があります。
カギ交換を行うことは賃借人にとっても損ではありません。
カギ交換費用について説明をし、特約などで賃借人が負担することを明らかにすれば、特約で借主負担とすることが認められます。
その他
不動産会社によっては、入居の際に会員になることを強制していることがあります。
その場合は、会費がかかることになります。
鍵を紛失したときに備え、24時間対応などを利用する場合も会費がかかることが多いようです。
また、町内会の加入は義務ではありませんが、町内会費をまとめて前払いさせられるケースもあります。
それと、一部大手フランチャイズでは、除菌消臭スプレー代がかかることもあります。