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部屋探しで最初に必要なお金の性質「不動産賃貸」

投稿日:2018年1月4日 更新日:

不動産の一般的な契約には、賃貸と売買があります。

賃貸と売買とでは、かかる費用の内訳も中身も違います。

ここでは、賃貸に関する不動産取引に必要なお金の性質について、よくあるトラブルも踏まえてまとめてみます。

 

目次

敷金について

敷金とは、家賃の滞納や違反行為などの契約違反による損害に備えて、借主から貸主が預かっておくお金のことです。

敷金は契約期間の間、貸主が預かっておきますが、預かり期間については家賃に利息は付きません

敷金は、契約違反による損害のためにそなえて貸主が預かっているものなので、通常は、契約が終了して物件の明け渡しが終われば、損害額を控除して借主に返金されます。

 

単身者向けの賃貸物件については、15年前であれば敷金2か月が当たり前でしたが、保証会社の普及や敷金礼金ゼロ物件が出てきたことで、敷金も1か月の物件が増え、敷金を2か月取るような物件はほとんどなくなりました。

 

横浜・湘南エリアについて調べてみたところ、単身者向けの賃貸物件では、敷金ゼロの物件が半数近くありました。ところが、ファミリー向けの賃貸物件は相変わらず敷金2か月の物件も多かったです。

 

住んでいる間に大家さんが変わった場合の敷金

賃貸借契約の期間には、大家さんがアパートを売却たり、競売手続きを経て、所有者(大家・貸主)が別の人に変わることがあります

 

大家さんが変わった場合に、預けた敷金はどうなってしまうのかが問題です。

 

大家さんが別の人に途中で変わったとしても、前の大家さんに渡した敷金は次の大家さんにも引き継がれます

また、前の大家さんとの間に結んだ賃貸借契約も当然に引き継がれます

どういうことかというと、大家さんが変わったからといって、新しい大家さんに敷金を支払わなければいけないかというとそうではなく、前の大家さんに支払った敷金がそのまま有効に引き継がれるということです。

なので、退去する際は、新しい大家さんから支払っていた敷金が返還されることになります。

賃貸借契約内容についても、引き継がれるので大家さんが変わったからといって賃貸借契約の効力が失われるわけではなにので、そのまま住み続けられます。

ただし、引き継がれるためには借りた人が引き渡しを受けて使用していることが必要になります。

契約は済ませたけれど、引き渡しはまだ先といった場合が問題になります。

 

引き渡しを受けて使用していれば、大家さんが変わったからといって特別な契約は不要です。

 

 

礼金について

礼金は、敷金と違って契約が終了しても返ってきません

 

礼金の始まりは、戦後の住居不足の際に借主から貸主にお礼として支払うことから始まったとされています。

今のように十分に住居がある場合には馴染まない気もしますが、今でも慣習として続いています。

 

最近は礼金ゼロの物件もたくさん増えました。

特にその傾向は単身者向けの賃貸物件で顕著で、少なくとも横浜・湘南エリアでは単身者向けの賃貸物件の半数は礼金が0です。

ところが、ファミリー向けの賃貸物件では、礼金を1か月とるものが多いです。

 

昔と違って礼金で儲けることができなくなった不動産会社は、清掃代や会員費といった別の名目で金銭を徴収用になりました。

 

共益費と管理費

共益費管理費は、同じような意味合いで使われています。

共益費・管理費は、アパートやマンションの共同使用する設備の維持のために使われる費用です。

具体的には建物の電灯や清掃の人件費、共同の水道費用、町内会費などに使います。

つまり、みんなで利用する部分の維持費のことをいいます。

 

賃貸の管理費は、物件によってゼロだったり、高めに設定されていたりと、いまいち分かりにくいと感じていいる人も多いようです。

分かりやすくするために最初から家賃に含めているケースもあります。

広告では家賃ばかりに目がいきますので、家賃を減らして共益費を上げるなんてケースもあります。

 

先月まで家賃10万円だった物件が、今月は家賃8万円になっているのを発見、驚いてよく見たら管理費が2万円増えていたという例も実際にありました。

 

分譲マンションであれば、法律でエレベーターの維持費や清掃、毎月の費用に使用することが決められてます(管理費と修繕積立金はちゃんと区別されている)。

分譲マンションは、設備が充実しているので管理費も高く割高に感じるかもしれません。なので、分譲マンションの賃貸募集では管理費を賃料に含めて募集する大家さんもいます。

 

共益費がゼロだったとしても、貸主には必要な修繕義務があるので電灯がつかない場合は、催促すれば直してくれます。

 

みんなで使う部分のための費用が共益費、管理費になります。

 

申込金と手付金

不動産会社に支払うお金に、申込金手付金というものがあります。

この2つは似ているので混同して使っている人がいますが、この2つは意味が全く異なります。

 

申込金とは

申込金というのは、不動産の購入や賃貸の申込時に支払うものです。

 

申込金の目的は、申し込みの意思表示のためです。

売買だと新築マンションの申込時、賃貸だと都内の業者で必要となることが多いようです。

 

申し込みの際の意思表示に必要となるだけなので、契約が成立しなければ返金されます。

悪質な業者の中には返金しないという強者!もいるようですのでお気を付けを。

 

手付金とは

手付金は、契約が成立した際に支払うお金です。

契約が成立した後でも相手が履行に着手していなければ、手付金を放棄することで契約を解除できます。

手付金には、解約手付と証約手付と違約手付の3つがありますが、不動産の契約では解約手付になります。

 

手付金は、基本的には不動産の売買取引で支払いますので、賃貸では発生しません。

ちなみに、売買では手付金が代金に充当することが多いです。

 

このように似たように使われる申込金と手付金ですが、その性質は全く違うということです。

自分が支払うものが何なのかを理解していおくことが重要です。

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賃貸契約でかかるその他の費用

その他、賃貸では鍵交換費用、火災保険はほとんどの場合にかかります。

鍵交換費用は、ディンプルキーや複数ドアロックの場合は高めになります。

普通賃貸借契約の火災保険は、2年で15,000円~20,000円程度といったところです。法人の事務所などは安い火災保険もあります。

 

最近では、保証会社への加入を必須としている管理会社が多くなっています。

昔は、トラブルに備えて賃貸借契約時に連帯保証人を求められるのが一般的でしたが、最近は敷金がゼロの物件の普及と連帯保証人とのやり取りの煩雑さから、連帯保証人を取らずに保証会社を利用するケースが多くなっています

 

まとめ

・敷金は将来のトラブルに備えて貸主に預けるお金をいう。

・礼金は大家さんへのお礼。

・最近の単身向け賃貸住宅では、敷金と礼金がゼロの物件が増えている。

・共益費・管理費はみんなで使う部分の維持費用の性質を持つ。

・申込金は申し込みの時に支払い、手付金は契約のときに支払う。

・初期費用として、鍵の交換費用、火災保険料、保証会社利用料が多くの場合にかかる。

  • この記事を書いた人

たくあん(ネトゲ)

横浜で不動産仲介業ファイナンシャルプランナーをしています。

 

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不動産だけでなく、ライフプランの相談にも寄り添った対応をしていきます。

ジャンル:雑記、ライフスタイル

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