住み慣れた自宅を離れ、はじめてのお部屋探しでは、分からないことだらけだと思います。
ここでは、はじめてのお部屋探しにあたって、賃貸不動産について基礎的なことからふれていこうと思います。
賃貸借と所有
そもそも、不動産の所有と賃貸借は何でしょう?
所有というのは、自分のものということです。
自分のものなので、不動産を処分(売る)してお金に変えることが出来ますし、人に貸して家賃収入を受け取ることもできます。
ちなみに家賃収入を得る場合は、労働しなくても収入を得られるので、不労所得といったりします。不労所得については、別の機会にまとめます。
賃貸借とは、難しくいえば、賃料を支払って目的物を貸し借りすることで、これは土地や建物といった不動産に限りません。一般的な貸し借りについては、民法という法律に規定されています。
お金を支払って住まいを借りることを不動産賃貸借契約といいます。
そして、不動産の賃貸借契約では、「借地借家法」という法律によってルールが決まっています。
民法の規定も適用されますが、不動産では民法と借地借家法は借地借家法が優先して適用されます。
賃貸人と賃借人
部屋を貸す人を賃貸人といい、部屋を借りる人を賃借人といいます。これも法律について勉強したことがなければ知らなくて当然です。
賃貸人というのは、家賃というお金を受け取る代わりに賃借人に部屋を使用させる義務があります。
賃貸人は、使用させる義務があるので部屋が壊れている場合は、修繕しないといけません。
賃借人は、部屋を借りる代わりに賃料を支払う義務があります。
民法では、毎月末に後払いで賃料を支払えばいいことになっていますが、当事者同士で別の取り決めをすることもできます。
不動産の賃貸といっても、法律上には様々な取り決めがあるので複雑に見えますが、常識の範囲で使用していれば問題ありません。


不動産探しを思い立ったら
部屋を探すときは、実際に不動産会社に行って物件を紹介してもらいながら質問するのが一番効率がいいです。
でも、ほとんどの人はインターネットで検索して調べながら、自分の中の条件を決めていきます。
あらかじめ住むエリアが決まっているのであれば、ネットで調べれば希望のエリアの家賃相場がどれくらいかが分かります。
家賃相場を調べて自分の条件がまとまった後は実際に不動産会社へ行くのがいいでしょう。
不動産会社のお店前に行くと大概図面が貼ってありますが、図面の中には確認忘れが混じってることも結構あるので参考程度と思っておくのがいいと思います。
中には、1年以上前の物件を店頭に掲載している業者も当たり前のようにいるので注意が必要です。
不動産会社での流れ
不動産会社のお店に入ったら、まず最初にアンケート用紙への記入を勧められるのが一般的です。
アンケート用紙の記入では、条件を再確認しながら記入していきます。
事前に希望条件をまとめておくとスムーズです。
アンケートに記入したら、その条件をもとに不動産会社が物件を紹介してくれます。
紹介してもらった物件の中に興味があるものがあれば、是非営業さんに案内してもらいましょう。
実際に物件の中を見ることを内見といい、内見の手配は営業さんがしてくれます。
実際に内見をしたら場所の雰囲気や建物の管理などを確認してください。
部屋探しの前に条件を整理しておく
初めて引っ越しをする人の場合は、緊張して失敗するかもしれません。
不動産屋に部屋を探しに行く前に、自分なりに条件をまとめておくと整理しやすいです。
失敗例でよくあるものに、物件を見過ぎて頭の中が整理できず、自分の条件とは違う物件で契約してしまい、引っ越してから後悔するという人もいます。
一日で何件も物件を見る場合に起こるミスです。
最初は、自分の中で条件を決めて優先順位をつけてても、内見を重ねていくことで最初に見た物件の欠点を忘れるなんてこともあります。
条件に優先順位をつけた一覧表のようなものを用意して、部屋ごとにチェックしていくのもいいかもしれません。
条件としてこだわりたいものだけを、自分なりのチェックシートをつくっておけばミスの防止にもなると思います。
条件変更の際の判断材料にも使えるかもしれませんね。
そう何度も往復できず、探す期間が限られている人は、一日で何件も物件をみることは多いです。
そういう人は、写真を撮るなり、的を絞るなりすることも必要かも。
内見で確認しておくこと
洗濯機置き場とスペースの広さ、冷蔵庫のスペース、収納スペース、バストイレ、キッチンはガスかIHか、といったところは部屋によって違うことがあります。
インターネットやCATV、BSなどを利用する予定の人は、物件によって対応していないこともあるので確認しておくのがいいでしょう。
売買だと都市ガスかプロパンかを気にする人がいますが、賃貸だと横浜ではプロパンが圧倒的に多いです。
駐輪場が必須の人も最初に確認しておいた方がいいと思います。
バイクの人は、大きさも重要です。東京だと大型バイク可の物件はかなり少なくなります。
そして、中を確認した後は、実際に駅や周辺を見て回ることです。
引っ越しシーズンの場合は、周辺を見てる間に先約が入ってしまうことがありまが、不動産は縁ものですから仕方ありません。
部屋の申込み
借りる物件が決まったら、物件をおさえるために申し込みをします。
申し込みの際に不動産会社によっては申込金として数万円程度請求するケースもあるようです。
申し込みをした後は、申込者に対する審査になります。
学生であれば、通常は親が申し込むので親の審査になります。これから働く人の場合は、証明書が必要になるケースもあります。
留学生の場合は、入学許可証やビザなどが必要になります。
無事に審査が通ったら、次は契約をいつにするかの日程を決めます。
契約の日程が決まったら、契約締結までに用意するお金の計算を不動産会社がします。
合わせて契約締結時に必要な書類を教えてくれますので、契約締結時までに用意します。
ちなみに、契約日(契約開始日)と契約締結日が一緒になることはあまりありません。
契約日開始日は、契約の効力が発生する日、つまり入居可能日を指します。
契約締結日は、契約書に署名捺印をして契約を締結する日ですが、契約開始日より前に契約することが多いです。
契約日になったら必要書類を持っていき、契約場所で契約します。
お金については、契約前までに振り込みするようにいわれるケースがほとんどです。
契約の前に重要事項について説明を受けるので、しっかり聞いておいてください。
契約が終わったら契約日開始日に部屋のカギを受け取れば入居できます。
