ファイナンシャルプランナーに相談すると、キャッシュフロー表とバランスシートを作成してもらうことがあります。
現在の家計の状況を知るのに有効なのがバランスシートを作成することです。
キャッシュフローが未来のお金の動きを可視化したものだとすれば、バランスシートは今現在の家計がどんな状態なのかを可視化したものです。
会計の知識がある人にはなじみ深い言葉ですが、バランスシートは本来は企業の財政状態を示す財務諸表です。
しかし、この考え方は家計の現状把握やライフプランの分析にも有効です。
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バランスシートとは?家計にも使えるお金の健康診断

企業で使われる「貸借対照表」を家計に応用
バランスシート(balance sheet)は貸借対照表のことで、B/Sと略されることもあります。
バランスシートは財務諸表の一つで、ある時点についての企業の財政状態を表します。
借方(左側)に資産の状況、貸方(右側)に負債、純資産の状況を表します。
企業の財務状態を表すバランスシートは、企業の経営成績を表す損益計算書と並ぶ重要な資料です。
バランスシートを応用して家計の状況を表すこともできます。
キャッシュフロー表との違い(未来 vs 現在)
キャッシュフロー表が将来のお金の流れを表すものであれば、家計のバランスシートは現在のお金の状況を表します。
- キャッシュフロー表 = 将来のお金の状況
- バランスシート = 今のお金の状況
ライフプランの立て方とは?将来のお金が見えるキャッシュフロー表の作り方
家計版バランスシートの基本構造
簿記は、借方と貸方を使って取引の流れを記録したものです。
企業であれば、資産には売掛金や貸付金、負債には借入金や買掛金などが入りますが、個人が対象の家計では少し異なります。
資産(assets)とは?(現金だけじゃない)
保有する経済的価値のあるものを資産といいます。
- 資産:現金預金、有価証券(株式・債券・投資信託他)、住宅、車両、貯蓄型保険など
負債(liabilities)とは?(将来支払う義務)
返済や支払い義務があるものを負債といいます。
- 負債:住宅ローン、自動車ローン、奨学金など
純資産(net assets・equity)とは?(本当の意味での資産)
資産と負債の差額を純資産といいます。
資産が1億円あっても9千万円の負債を返せば残りは千万円しか残らないように、純資産こそが本当の資産といえます。
- 純資産:資産ー負債
バランスシートのルール
バランスシートには、資産を借方、負債と純資産を貸方といったルールがあります。
また、資産=負債+純資産といったルールが成り立ちます。
| 資産 | 負債 |
| 純資産 |
家計バランスシートの作り方

① 資産と負債の情報を集める
資産:現金、定期預金、株式、債券、投資信託、貯蓄性保険、マイホームなど
負債:住宅ローン、自動車ローン、カードローン、奨学金など
マイホームや自動車は現在の市場価格が資産価値になります。
ただし正確に算出しようとすると手間も時間もかかるため、まずは不動産ポータルサイトや中古車サイトなどで概算値を確認する程度で十分です。
② 総額を算出する
資産と負債をリストアップしたら、それぞれの総額を出します。
資産の株式は現在の価値、住宅ローンやクレジットなどの負債は残高です。
残高は支払額明細表で確認できます。
③ 純資産を確認して家計の健康状態をチェック
バランスシートを作成するメリットは、資産と負債が一目で分かり、家計状況のバランスが分かることです。
負債が資産を上回れば債務超過なので、早期の改善が必要です。
家計バランスシートの具体例
資産
固定資産
|
負債
負債合計 2100万円 |
| 純資産 合計 2600万円 | |
| 資産合計 4700万円 | 負債・純資産合計 4700万円 |
バランスシート活用のポイント

終身保険やマイホームは資産に含める?
資産というと現金や預金、株式や債券といった現金や現金化しやすいものをイメージしがちです。
しかし、終身保険や学資保険といったものも資産になります。終身保険は解約すれば解約返戻金としてお金が戻り、学資保険は将来の教育資金になります。
また、購入したマイホームも資産です。資産は、現時点や将来に現金を生じさせることができる(家を売る→現金)ものだからです。
一方、負債は現在または将来に資産を減らすもの(義務)をいい、よくあるのは住宅ローンや奨学金です。
債務超過は要注意サイン
債務超過は、全ての資産を処分しても債務(借金など)が残る状態です。
資産の質も大事(流動性=換金性)
現金・株式・マイホーム・債券・金・車など、資産の形は様々です。
それぞれにメリットとデメリットがあるので確認も必要です。
- 現金→インフレに弱い・すぐに使える
- 株式→値上がりが期待できる・リスクが高い
- マイホーム→相続対策になる・流動性が低い=換金しにくい
- 債券→比較的安定・インフレに強いとはいえない
- 金→リスク回避手段・利息が付かない
結果をどう活かす?家計改善の進め方

負債が多い場合の対策
バランスシートを見たうえで、負債が多い場合は早期返済を目指したり、資産運用を見直したり、支出削減を考えます。
資産を増やすための考え方
資産を増やすには、収入を増やす、支出を減らす、運用をすることで可能です。
- まずは貯蓄を作る
- 良い負債と悪い負債を分ける
- 長期分散積立でお金に働いてもらう
- 資産配分を考える
- 定期的に見直す
キャッシュフロー表とセットで見る
収支では健全な家計に見えても、将来の時点で大きくマイナスする時は資産を取り崩すことになります。
バランスシートは、ライフプランやキャッシュフロー表とあわせて分析すると、より実態が見えてきます。 実態が見えてくれば改善策も立てやすくなります。
まとめ|まずは現状を知ることが家計改善のスタートライン
- バランスシートは家計の資産状況をチェックするツール
- キャッシュフロー表とセットで分析するとより効果的
- 資産ー負債=純資産が実質的な資産
- 子供の入学は収支がマイナスになりやすい時期→資産から補う
- 資産状況がマイナスになる→改善が必要

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