子供にかかる教育費の目安

住宅取得資金、老後資金と並んで教育資金は3大資金の一つとされています。保険を入れて4大資金ということもあります。

教育はその人の能力向上につながりますし、社会に出て必要とされる労働能力にも直結します。

偏差値の高い学校を目指すことだけでなく、社会に出てからも学習を継続したり、対人関係を円滑にするためには、どのような教育を受けたかが関係してきます。

教育によって身につけたことは一生のことなので、親の立場から教育にかかる資金と必要になる時期を知り、どのように準備するかを考えておくことは重要です。

教育の必要性

子供に教育を受けさせることは、将来就職できる企業や業界の選択肢を広げられます。

日本は今でも新卒が重視される傾向にあるので、難易度の高い学校を卒業することも人的投資と同視できます。

また、日本の景気が良かったときと違い、今は即戦力が求められる傾向にあり、社会人にも働きながらキャリアアップを求められるようになりました。

昔は終身雇用が当たり前でしたが、これからのキャリアには転職することは避けられません。

教育によって身につけた知識や能力は、今後のキャリアにも活きてきます。

子供の頃に必死に勉強した人は、その経験が社会人の勉強でも活きてきます。

子供が社会人になって後のキャッシュフローへの影響を見れば、教育はある意味投資といえます。

教育資金作りの必要性

教育資金は、住宅資金や老後資金と違い、小学校、中学校、高校、大学になれば必ず一定の資金が必要になり、しかも決して安い金額ではありません。

また、進路も多様化しており、多くの人が選ぶ4年制大学の他、専門学校や大学院に進む人も多いです。

留学や大学院の資金は本人が奨学金を活用することが考えられますが、教育資金が全くないと子供の進学の選択肢が減り、中には最初から諦めてしまう子もいます。

そうならないためにも、早いうちに親がいつまで教育資金を負担するか計画しておき、準備することが大切です。

制度を知らなければ教育ローンや奨学金も申請できません。

 

私立か公立かのどちらに通学させるかでも必要な資金は異なりますし、自宅から通うか一人暮らしをさせるかでも異なります。また、文系、理系、医科系かでも大きく違います。

私立、公立だけでなく、習い事や部活動も十代には必要なことなので、こういったことも踏まえて教育資金作りを始めるのがよいでしょう。

幼稚園から高校までにかかる教育費

教育にかかる費用は、公立か私立かで大きく異なります。

子供の意見を参考に家族で話し合うためには、教育費の目安を知ることも大切です。

ここでは文部科学省が公表している「子供の学習費調査」を参考にします。公表してる調査が令和3年度と平成30年度のものしかないので、令和3年度の調査を見ていきます。

 

保護者が支出した1年間の子供1人当たりの総額

幼稚園 小学校 中学校 高校
公立 165,126円 352,566円 538,799円 512,971円
私立 308,909円 1,666,949円 1,436,353円 1,054,444円

(文部科学省 子供の学習費調査)

 

次に公立だけに通った場合や、小中だけ公立に通った場合など、例をもとに15年間の総額を見ていきます。

総額には、教育費だけでなく、給食費や学校外活動費も含まれます。

 

・幼稚園から高校まで公立に通わせた場合

幼稚園47万円、小学校211万円、中学校162万円、高校154万円の合計約574万円

 

・幼稚園は私立に通わせ、小学校・中学校・高校は公立の場合

幼稚園92万円、小学校211万円、中学校162万円、高校154万円の合計620万円

 

・幼稚園・高校は私立に通わせ、小学校・中学校は公立の場合

幼稚園92万円、小学校211万円、中学校162万円、高校316万円の合計781万円

 

・全て私立に通わせた場合

幼稚園92万円、小学校1000万円、中学校430万円、高校316万円の合計1838万円

大学の入学から卒業までに必要な教育費

国立大学は文部科学省令で標準額が定められています。

国立大学の入学料は282,000円、授業料は年間535,800円です。

入学から卒業までの合計は約243万円です。

 

私立大学は、文系の平均で入学金約23万円、授業料約82万円、施設設備費約15万円、その他約8万円となり、4年合計で約443万円かかります。

理科系の平均は、入学金が約25万円、授業料が約114万円、施設設備費が約18万円、その他に約12万円、合計で約600万円です。

医歯系の平均は、入学金約108万円、授業料が289万円、施設設備費が93万円、実験実習費・その他に約160万円かかります。総額だと約3360万円になります。

 

また、大学院まで進んだ場合は、公立なら約135万円、私立なら約189万円がそれぞれかかります。

おわりに

子供にかかる教育費の目安

幼稚園 公立47万円 私立92万円

小学校 公立211万円 私立1000万円

中学校 公立162万円 私立430万円

高校 公立154万円 私立316万円

大学 公立243万円 私立462万円

 

 

参考

文部科学省 子供の学習費調査

文部科学省 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令

文部科学省 私立大学等の令和元年入学者に係る学生納付金等調査結果について

文部科学省 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額