資信託は分散投資でリスクを抑えられる一方、リターンは限定的です。
投資信託以上のリターンを狙うなら個別株も選択肢に入ります。
個別株のメリット・リスク、テンバガー銘柄の特徴、アメリカ株の魅力まで、1級FP技能士が実体験を交えて解説します。
この記事から分かること
- 投資信託のリターンが限定的になる仕組み
- 投資信託にはない、個別株投資ならではの魅力とリスク
- テンバガー(株価10倍株)が期待される銘柄の特徴
- アメリカ株が選択肢に入る理由
- インカムゲイン・キャピタルゲインの違いとテーマ株の考え方
なぜ投資信託より個別株の方が高リターンを狙えるのか

インフレへの対処が目的であれば、投資信託の積立で十分なケースが多いです。
しかし、投資信託のリターンを超えたいと考えるなら、個別株投資が選択肢に入ります。
投資信託の仕組みとリターンが限定される理由
投資信託のメリットに少額から始められて、分散投資が可能であり、価値がゼロにならない(倒産がない)というものがあります。
その一方で、投資信託は複数の株や債券を組み合わせたものなので、その中にはリターンが良いものがあれば、良くないものも入ります。
平均化されることでリターンが一定の範囲に収まることが、投資信託のリターンが限定的になりやすい理由です。
個別株でリターンが大きくなる理由
個別株で投資信託を超えるリターンを生み出す銘柄を見つけることができれば、大きく資産を殖やすことができます。
FIREしたい人、億り人を目指す人は個別株で成功すれば一歩も二歩も近づけます。
個別株は一定額以上の資金が必要でリスクも高く、倒産したら価値がなくなるかもしれませんが、比較的少額から購入できる銘柄はありますし、複数の個別株を保有すれば分散投資になるので、たとえ一つの企業が倒産しても他の銘柄は残ります。つまりやり方次第と言えます。
私も大学生の頃から個別株投資を始め、これまで試行錯誤してきました。中でも、保有していた銘柄がリーマンショックの影響で倒産し、投資した金額をそのまま失った経験もあります。それでも重要なのは、一度の失敗で市場から撤退しないことだと思います。
投資信託と個別株の違い
投資信託は保有している間、信託報酬というコストがかかり続けますが、個別株には信託報酬がありません。
この点も、長期保有する場合のコスト面でのメリットといえます。
効率的市場仮説では、株式市場はあらゆる情報を瞬時に価格へ織り込むといわれますが、実際に個別株を運用していると、必ずしもそこまで効率的ではないと感じる場面の方が多いというのが実感です。
投資信託の代表的なメリットとして「少額から始められる」ことが挙げられますが、個別株にも比較的少額から購入できる銘柄(いわゆる低位株)があります。
低位株には明確な定義はありませんが、一般的には1単元(100株)の購入金額が10万円未満、株価にして1,000円程度を下回る銘柄を指すことが多いです。
投資信託にはない個別株投資の魅力

個別株の主な魅力としては、次の4つが挙げられます。
- 配当金
- 株主優待
- 高リターン(譲渡益)
- 経済への理解が深まること
高リターン(キャピタルゲイン)を狙える
個別株ならテンバガーも狙えます。リスクはありますが、大きく殖やす可能性を秘めているのが個別株です。
個別株同士の値動きがバラバラになりやすい(相関関係にない)銘柄でポートフォリオを組めば、一つが下がっても別の株が上がるので、分散投資になります。
ただし、分散投資はリスクを抑えられる一方で、リターンも平均化される点には注意が必要です。
配当金・株主優待が得られる
個別株のメリットに株主優待や配当金があるという点があります。
高配当株を積み立てながら配当を再投資し、複利効果を狙う人もいれば、株主優待を目的に株主になる人もいます。
経済・企業分析に強くなる
個別株投資を始めると、経済ニュースや企業の決算情報に自然と敏感になるというメリットもあります。
個別株のリスク
個別株には、次のようなリスクがあります。
- 株価の暴落
- 上場廃止(倒産・粉飾決算など)
- テーマの過熱(割高での高値掴み)
- 値動きの激しさ
株価の暴落リスク
株価は様々な要因で値下がりしますが、常に暴落のリスクがあります。
投資信託の場合は損切りする必要はあまりありませんが、個別株だと損切りしないと塩漬けに陥るリスクがあります。
上場廃止・倒産リスク
個別株は、景気悪化で倒産したり、粉飾決算で上場廃止になるリスクがあります。
私自身もリーマンショックの際にこのリスクを経験しています。個別株投資を行う以上、こうしたリスクは常に想定しておく必要があります。
テーマ過熱・高値掴みのリスク
テーマ株の多くは割高になってることが多いので、○○ショックがあると他の銘柄よりも大きく値を下げることが多いです。
成長株は高値掴みのリスクもあり、売上・経常利益などが大きく伸びているのに、購入してから下がり続けることは日常的にあります。
暴落したほうが割安で買えるので、将来的に大きく増やすチャンスでもあります。
テンバガーとは何か

株価が10倍以上になる個別株のことを「テンバガー」といいます。
テンバガー候補を発掘するために、会社四季報を隅から隅まで読み込むという投資家もいます。
テンバガーが期待される銘柄には、経験則としてよく次のような特徴が挙げられます。
あくまで一般的に言われる目安であり、これに当てはまれば必ず株価が10倍になるという保証ではありません。
- 小型株(時価総額300億円以下)
- オーナー社長
- 増収率20%以上
- 上場から5年以内
アメリカ株という選択肢
日本の株式市場と比べて、アメリカの株式市場には高成長・高配当の銘柄が多い傾向があります。
アメリカは日本の約3倍の人口を抱え、日本ほど高齢化が進んでいません。世界経済をけん引する存在であり、世界的に有名な企業も数多く集中しています。
半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)は、AIブームを背景に2023年に株価が3.4倍、2024年には2.7倍という驚異的な上昇を記録しました。ただし2025年以降は上昇ペースが大きく鈍化しており、常にこのような急騰が続くわけではない点には注意が必要です。
値動きの大きさは、個別株、特に成長期待の高いテーマ株に共通するリスクでもあります。
アメリカ株は日本のような単元株制度がなく、1株から購入できるため、少額からでも始めやすいというメリットがあります。
また、アメリカでは「企業は株主のもの」という考え方が根付いており、株主還元に積極的な企業が多い傾向があります。
日本株だけでなく外国株も保有することは、為替リスクへの備えにもなります。
インカムゲインとキャピタルゲイン
株式を保有して配当を得ることをインカムゲインといいます。
一方、株式の値上がりから得られる利益をキャピタルゲインといいます。
インカムゲインとキャピタルゲインの合計がトータルリターンになります。
- インカムゲイン+キャピタルゲイン=総収益(トータルリターン)
株式の中には高配当のものも多く、高成長の企業ならキャピタルゲインに期待できます。
株価上昇が期待されるテーマ株
テーマ株とは、特定の材料が出ることで株価上昇が期待される銘柄のことです。
注目されているテーマにアンテナを張っておくことが、銘柄選びの参考になります。
経済ニュースやSNS、政府の発表資料などから期待される材料をいち早く見つけ、関連する銘柄を探して投資するのが、テーマ株投資の基本的な考え方です。
たとえばコロナ禍では、対面での接客が難しくなったことを背景にデジタルトランスフォーメーション関連のテーマ株が伸び、コロナ後は観光・インバウンド関連のテーマ株に注目が集まりました。現在は生成AIや半導体関連が注目テーマの一つとなっています。
株式投資で知っておくとよい用語
- グロース株:今後の成長が期待できる株
- バリュー株:本来の企業価値より株価が割安な株
- 内需株・外需株:国内向け・国外向けのサービスで利益を得る企業の株
- 低位株:1単元(100株)の購入金額が10万円未満程度の株(明確な定義はない)
- 大型株:時価総額が上位に位置する銘柄(TOPIXでは上位100銘柄が目安)
- 中型株:大型株に次ぐ時価総額の銘柄(TOPIXでは大型株の次の400銘柄が目安)
- 小型株:大型株・中型株以外の銘柄
まとめ
インフレへの対処が目的であれば投資信託で十分なケースも多いですが、投資信託のリターンを超えたいと考えるなら、個別株が選択肢に入ります。
個別株はリスクが高い一方で、配当金や株主優待、テンバガーの可能性など、投資信託にはない魅力もあります。
ご自身の資金計画やリスク許容度に応じて、投資信託と個別株をどう組み合わせるか検討してみてください。

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