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遺族年金だけで生活は成り立つのか
「もし、自分が先に逝ってしまったら、家族はどう暮らしていくのだろうか……。」
この問いは、誰しも一度は考えたことがあるものだと思います。
人生には様々なリスクがありますが、中でも世帯主が死亡した場合は家族の生活は急変します。
公的年金制度には遺族年金という制度があります。
遺される家族の生活のためにあるのが遺族年金で、日本の公的年金である国民年金と厚生年金保険にそれぞれ遺族年金があります。
公的年金では遺族基礎年金といい、厚生年金保険では遺族厚生年金といいます。
しかし、遺族年金だけで生活費・住宅ローン・教育費をまかなえるケースは少なく、多くの人にとって保障の骨格でしかありません。
まずは、遺族年金の仕組み・支給要件・目安額を理解することから始めてみてはいかがでしょう。
公的年金は2階建て構造になっている

以前も申したように国民年金と厚生年金保険は2階建て構造になっています。
公的年金とは?国民年金・厚生年金の仕組みと基礎を知って賢くライフプラン設計!
国民年金(1階部分)
国民年金は原則としてすべての国民が対象となり、会社員や公務員は上乗せ部分として厚生年金保険の被保険者になります。
- 1階部分 国民年金(自営業者など)
厚生年金保険(2階部分)
65歳になれば老齢を支給事由として国民年金から老齢基礎年金が、厚生年金保険から老齢厚生年金が支給されるのがよくある例です。
- 2階部分 厚生年金保険(会社員・公務員)
年金が調整されることがある
年金には一人一年金の原則というものがあり、2つ以上の年金を受け取れる場合は自分で選択するのですが、支給事由が同じなら2つを受け取れることがあります。
遺族基礎年金と遺族厚生年金は支給事由が同じなら、国民年金の第2号被保険者の死亡によって1階部分の遺族基礎年金と2階部分の遺族厚生年金が支給されます。
ただし、労災保険から支給される年金がある場合は併給調整の対象になります(労災が)。
遺族年金の対象者と受給要件
遺族年金も老齢年金と同じで受給するための要件があります。また、国民年金と厚生年金とでは遺族の意味が少し違います。
遺族年金は保険料を納める人と受け取る人が違うように、受給者の要件があるので他の年金と異なることがあります。
遺族年金を受給するには、死亡者の要件、保険料納付要件、受け取る人(受給対象)の要件の何れも満たす必要があります。
ここからは基本となる国民年金を例に見ていきます。
死亡者の要件
遺族基礎年金における死亡者の要件は、以下の通りです。
- 死亡した時に国民年金の被保険者であること
- 被保険者であった者が、日本国内に住所がある60歳以上65歳未満であること
- 死亡した時に老齢基礎年金の受給権者であること
- 死亡した時に老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること
保険料納付要件
死亡者の保険料納付要件は以下のいずれかを満たす必要があります。
- 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があるときは、原則として保険料納付済期間と保険料免除期間とを合計した期間が3分の2以上あること
- 死亡日の前日において、死亡日の前々月末までの1年間に保険料納付済期間と保険料免除期間以外の期間がないこと(特例、65歳以上除く)
遺族の要件
遺族基礎年金を受け取れる要件として、死亡当時、その人に生計を維持されていることが必要です。
その上で以下の要件を満たす必要があります。いずれも結婚をしていない子どもです。
- 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること
- 20歳未満で障害等級1級または2級の障害者であること
- 上記の要件を満たす子と生計を同じくする配偶者
上の要件から分かるように、遺族基礎年金では18歳以下の子がいないと対象になりません。
遺族年金を受け取れない場合
受給対象者の要件(遺族の要件)を満たせないために遺族基礎年金を受け取れないときは、寡婦年金と死亡一時金という制度があります。
意外と知らない国民年金の独自給付|死亡時の給付(寡婦年金・死亡一時金)
寡婦年金
寡婦年金は、婚姻10年以上の妻が対象になります。
死亡一時金
死亡一時金は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の1人が対象になります。
遺族年金だけでは保障は足りない

遺族年金だけでは多くの場合保障が不足するので、普段から将来に向けた貯蓄や投資が大切です。
十分な蓄えがない場合は生命保険や共済を利用することも有効です。以下の記事でも書いたように保険を利用すれば、責任開始日からすぐに保障が得られるからです。
生命保険は必要?不要?|入るべき人・入らなくていい人の判断基準を解説
「もしも、あなたがある日突然亡くなったら、ご家族の生活はどうなりますか?」 子どもがいる家庭なら、教育費・住居費・生活費合わせて数千万円の備えが必要になることも・・・
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子どもが小さいうちは手厚い保障が要る
子供が小さいうちに万一があるとかなりの保障が不足するので、定期保険だけで済ますというのも賢い選択かもしれません。
高い保険に入らず、生命保険や共済で最低限の保障を得て、浮いた分を投資に回すというのも有効です。
- 基本は遺族年金
- 公的年金だけでは不足するので生命保険を活用
- 子どもが小さい時だけ定期保険で節約するのも賢い→浮いた分は投資に回せる
まとめ|遺族年金は「生活の土台」不足分をどう補うかが重要
- 遺族年金は遺された家族の生活を支えるためにある
- 遺族年金にも国民年金(遺族基礎年金)と厚生年金保険(遺族厚生年金保険)がある
- 遺族基礎年金と遺族厚生年金では遺族の範囲が異なる
- 遺族基礎年金は子がいないと受け取れない
- 遺族年金だけでは保障が足りない
- 子がいない場合は寡婦年金や死亡一時金という制度がある
◎国民年金の第1号被保険者が死亡した場合と対象者
| 年金の種類 | 受給対象 |
| 遺族基礎年金 | 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子、子を持つ配偶者 |
| 寡婦年金 | 婚姻10年以上の妻 |
| 死亡一時金 | 配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の1人 |
◎国民年金第2号被保険者が死亡した場合と対象者
| 遺族基礎年金 | 子、子を持つ配偶者 |
| 遺族厚生年金 | 配偶者、子、父母、孫、祖父母の1人 |

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