今回は基本手当の受給資格と手続き等について解説します。
世間的に失業手当と言う時は、多くの場合求職者給付の基本手当を指します。
基本手当には受給資格があるので、受給するためには要件を満たすことが必要です。
この記事から分かること
- 基本手当(いわゆる失業手当)を受給するための条件
- ハローワークでの手続きの流れと、支給が始まるまでの期間
- 令和8年8月改定後の基本手当日額と、給付日数の目安
- 基本手当以外に知っておきたい給付(技能習得手当・傷病手当等)
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基本手当(いわゆる失業手当)の受給には要件がある

一般的に「失業手当」と呼ばれるのは、雇用保険の求職者給付における「基本手当」を指します。
受給するには、一定の要件を満たす必要があります。
一般被保険者の受給資格
基本手当は、被保険者が失業した場合において、原則として、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12箇月以上ないと支給されません。
ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者(※1)については、離職の日以前1年間に被保険者期間(※2)が通算して6箇月以上であれば受給資格要件を満たすことができます。
- ※1.特定受給資格者と特定理由離職者について
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特定受給資格者とは、倒産や解雇等により、再就職の準備をする時間的余裕がなく離職した人をいいます。特定理由離職者とは、特定受給資格者以外で契約期間が更新されなかったこと等、やむを得ない理由で離職した人をいいます。
- ※2.被保険者期間について
- 離職日からさかのぼって1ヶ月ごとに区切り、賃金支払基礎日数が11日以上ある月、または労働時間数が80時間以上ある月を1ヶ月として計算します。有給休暇も1日として数えられます。
基本手当を受けるための手続き

まずはハローワークで求職申込み
基本手当を受給する場合は、公共職業安定所に出頭して求職の申し込みをします。
受給資格の要件を満たす場合は、受給資格の決定がされ、失業の認定日も定められます。
失業の認定日は4週間に1回行われ、「離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日」について失業の認定がされます。
失業の認定日に、失業している日について認定を受ければ基本手当が支給されます。
就職活動実績の必要性
失業というのは、ただの離職と違い、労働の意思と能力があるにもかかわらず、仕事に就けない状態をいいます。
そのため、失業の認定には、その期間に就職活動をしたかが求められます。
就職活動には、求人に応募するだけでなく、資格の受験なども認められます。
受給までの手続きの流れ
| ステップ | 内容 |
| ① 求職の申し込み | ハローワークに出頭し、求職申込みを行う |
| ② 受給資格の決定 | 要件を満たせば受給資格が決定し、失業認定日が設定される |
| ③ 待期期間(7日間) | 失業している日が通算7日間経過するまでは支給対象外 |
| ④ 給付制限(自己都合の場合) | 待期満了後、原則2ヶ月間は支給されない |
| ⑤ 失業認定 | 4週間に1回、直前28日間について就職活動実績等を確認 |
| ⑥ 支給開始 | 失業の認定を受けた日について基本手当が支給される |
自己都合退職の給付制限は2ヶ月(5年で2回まで)

基本手当を受給するためには、離職した後に公共職業安定所で求職の申し込みが必要ですが、申し込みをしたからといって、すぐに手当てを受けられるわけではありません。
手当てを受けるには、待機期間を満たす必要があるからです。
7日間の待期とは
支給の開始には、失業している日が通算して7日間が必要とされ、この7日は待期期間といわれます。
求職の申し込みをしても、待期が満了しなければ基本手当は支給されず、待期は手当の対象となりません。
自己都合退職は給付制限あり
自己都合による離職の場合、待期期間(7日間)に加えて給付制限があります。
かつては3ヶ月でしたが、令和2年10月の制度改正により、5年間で2回までは給付制限期間が2ヶ月に短縮されています(3回目以降は3ヶ月のまま)。
つまり、自己都合退職者の多くは、7日間の待期+2ヶ月の給付制限を経て、ようやく支給が始まる形になります。
基本手当の計算と日額のしくみ

基本手当の1日あたりの金額は、まず「賃金日額」を算出し、そこから決まります。
賃金日額の計算式:離職前6ヶ月間の賃金総額 ÷ 180
賃金日額には年齢による上限・下限があり、そこから算出される基本手当日額にも上限があります。
令和8年8月1日から、平均給与額の上昇を反映して以下の通り引き上げられました。
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の上限(改定後) |
| 30歳未満 | 7,450円 |
| 30〜45歳未満 | 8,270円 |
| 45〜60歳未満 | 9,110円 |
| 60〜65歳未満 | 7,830円 |
基本手当日額の下限は2,562円です。
基本手当の給付率は、59歳以下は賃金日額の50〜80%、60〜64歳は45〜80%となっており、賃金が低いほど給付率が高くなる仕組みです。
所定給付日数(何日もらえるか)

所定給付日数は、一般の被保険者、特定受給資格者・特定理由離職者、就職困難者かどうかでそれぞれ日数が異なります。
また、雇用保険の被保険者であった期間や年齢によっても違います。
ここでは、一般の被保険者の所定給付日数について紹介します。
被保険者であった期間が、1年以上10年未満であれば90日、10年以上20年未満であれば120日、20年以上であれば150日となります。
ここでいう被保険者であった期間とは、離職の日まで同一の事業主に雇用されていた期間をいい、その前の期間でも資格を喪失してから1年以内であれば通算できる場合があります。
| 被保険者であった期間 | 1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
| 所定給付日数 | 90日 | 120日 | 150日 |
受給期間は原則1年、見落としやすい落とし穴

受給資格者が基本手当の支給を受けることができる期間を受給期間といいます。
原則1年間
基本手当を受け取れる権利があっても、原則として離職日の翌日から1年間(受給期間)を過ぎると受け取れなくなります。
所定給付日数分をすべて消化していなくても、受給期間が過ぎれば支給は打ち切られます。
受給期間を延長できるケース
60歳以上で定年退職した人
- 離職日の翌日から2ヶ月以内に申し出ることで、最大1年延長
妊娠・出産・育児等で30日以上働けない人
- 職業に就けなくなった日の翌日から1ヶ月以内に申し出ることで、最大4年まで延長
これらは自動的に延長されるわけではなく、自分で申し出る必要がある点に注意が必要です。
就職が難しい場合に使える「延長給付」
所定給付日数を消化しても再就職が難しい場合、一定の要件を満たせば給付が延長される制度があります。
- 訓練延長給付:公共職業訓練等を受講する場合に給付が延長される
- 広域延長給付:広範囲での求職活動が必要な地域的な雇用状況にある場合
- 全国延長給付:全国的に失業状況が悪化した場合
- 個別延長給付:災害等により離職した人や、特に就職が困難な事情がある人が対象
いずれも要件が細かく定められているため、該当する可能性がある場合はハローワークへの早めの相談が推奨されます。
基本手当以外に知っておきたい給付

一般被保険者には、基本手当以外にも求職者給付があります。
技能習得手当
公共職業訓練等を受講する際、受講手当(日額500円、40日分が上限)や通所手当(交通費相当額)が支給されます。
寄宿手当
訓練を受けるために家族と別居する場合、月額10,700円が支給されます(別居しない日がある場合は減額)。
傷病手当
求職の申し込み後に病気やケガで働けなくなった場合、基本手当に代えて傷病手当(基本手当と同額)が支給されます。
ただし待期期間・給付制限期間中や、健康保険の傷病手当金等を受けられる日は対象外です。
まとめ
基本手当を受けられる場合であっても期間内に申出をしなければ受け取れませんので、注意が必要です。
- 基本手当の受給には、原則として離職前2年間で被保険者期間12ヶ月以上が必要
- 自己都合退職の場合、7日間の待期+2ヶ月の給付制限(5年で2回まで)を経て支給開始
- 基本手当日額は令和8年8月に引き上げられ、年齢区分ごとに上限が異なる
- 受給期間は原則1年で、延長には自分からの申し出が必要
- 技能習得手当・傷病手当など、基本手当以外の給付もあわせて知っておくと安心

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