社会人になるといくつかの社会保険に加入することになります。 社会保険というのは、事故や失業、病気になった時に備えて加入する、政府や地方自治体が運営する保険のことです。
社会保険は生命保険や損害保険といった民間の保険と異なり、要件に適用すれば強制的に適用される点に特徴があります。
社会保険について理解していないと、本来受けられる給付を逃したり、無駄な保険に加入するといった損につながります。
民間の生命保険や医療保険に加入する場合も、社会保険からどのような給付があるかを踏まえて加入するのが賢い入り方です。
今回は、社会人が加入する代表的な社会保険についてわかりやすく紹介します。
この記事から分かること
- 入社後、会社が自動的に加入手続きをしてくれる社会保険の種類
- 給与明細に書かれている天引き項目(社会保険料・税金)の意味
- 1年目と2年目で天引き額が変わる理由(住民税のタイミング)
- 新社会人のうちに知っておくと得する制度
目次[閉じる]
入社後、手続きは会社がやってくれる
新社会人になると、いくつかの社会保険に自動的に加入することになります。
多くの場合、加入手続き自体は会社(人事・総務部門)が行ってくれるため、自分で役所に出向く必要はありません。
ただし、何に加入していて、給与から何が天引きされているのかを知らないままだと、後々「思ったより手取りが少ない」と戸惑うことになります。
会社員が加入する代表的な社会保険は、労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金の4つです。
給与明細でまず見るべき天引き項目
初任給の給与明細を見ると、額面(基本給+各種手当)から、いくつかの項目が天引きされて手取り額になっていることが分かります。
主な天引き項目は次の通りです。
| 項目 | 内容 | 負担 |
| 健康保険料 | 病気・ケガの医療費、傷病手当金等の財源 | 会社と折半 |
| 厚生年金保険料 | 老後の年金、障害・遺族年金の財源 | 会社と折半 |
| 雇用保険料 | 失業時の基本手当等の財源 | 一部を自己負担(会社の方が多め) |
| 所得税 | 国税。給与額に応じて源泉徴収 | 全額自己負担 |
| 住民税 | 地方税。前年の所得に基づいて計算 | 全額自己負担 |
労災保険料は、給与明細には出てきません。
労災保険は保険料の全額を会社が負担するため、労働者本人の給与から天引きされることはありません。
1年目は住民税が引かれない、2年目から天引き開始

新社会人が見落としがちなポイントが、住民税は入社1年目の給与からは天引きされないということです。
住民税は「前年の所得」に基づいて計算される税金です。
学生時代にアルバイト収入が一定額以下だった場合、入社1年目は住民税がほぼかからないか、非常に少額です。
そのため、1年目の手取りは比較的多く感じられます。
ところが、2年目(多くは6月分の給与)から、初年度の所得に基づいた住民税の天引きが始まります。
1年目と同じ感覚で使っていると、2年目に急に手取りが減ったように感じることが多いので、あらかじめ知っておくと資金計画が立てやすくなります。
4つの社会保険、それぞれ何のためのものか

①健康保険
病気・ケガで病院にかかったときの医療費が原則3割負担で済みます。
それ以外にも、プライベートの病気・ケガで働けず給与が出ない期間の生活を支える傷病手当金(標準報酬月額の1日相当の2/3)、出産時の出産育児一時金・出産手当金などの給付もあります。
②厚生年金
老後に受け取る年金の土台になる制度です。
国民年金(1階部分)に上乗せする形(2階部分)で、加入期間と報酬に応じて将来の年金額が決まります。
万一、障害を負ったり亡くなったりした場合の障害厚生年金・遺族厚生年金もこの制度から支給されます。
③雇用保険
万一、会社を辞めて失業した場合の基本手当(いわゆる失業手当)や、スキルアップのための教育訓練給付、育児・介護で休業する際の給付(育児休業給付・介護休業給付)などの財源になります。
新社会人のうちは実感しにくい制度ですが、将来転職や休業を考える際に関わってきます。
④労災保険
仕事中や通勤中のケガ・病気・死亡を補償する制度です。
保険料は全額会社負担で、労働者に負担はありません。
「通勤中の事故」も対象になる点は、意外と知られていません。
新社会人のうちに知っておくと得すること

ねんきん定期便が届くようになる
厚生年金に加入すると、毎年誕生月にねんきん定期便が届きます。自分の加入記録や将来の年金見込額を確認する習慣をつけておくと安心です。
健康保険証(マイナ保険証)の切り替え
入社時にこれまでの健康保険(親の扶養や国民健康保険等)から、会社の健康保険に切り替わります。切り替えのタイミングで手続きに不備がないか確認しておきましょう。
雇用保険は加入期間が将来の給付に影響する
転職を考える際、雇用保険の加入期間(被保険者期間)が基本手当の給付日数等に影響することも知っておくと、退職のタイミングを考える材料になります。
まとめ
- 新社会人は労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金の4つに自動的に加入し、手続きは基本的に会社が行う
- 給与明細では、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税・住民税が天引きされる(労災保険料は本人負担なし)
- 住民税は前年所得に基づくため、入社1年目は少なく、2年目から本格的に天引きが始まる
- 各社会保険が何のための制度かを知っておくことで、将来のライフプランを立てやすくなる
社会保障は、一人一人が相互に連帯して支えあう仕組みの一方、複雑で知らないと受けられない等、損するようになっています。
特にライフプランを考えるうえで、「自分がどの保険からどんな給付を受けられるか」を知っておくことは非常に重要です。
社会保険を理解していくほど、
-
不要な民間保険を減らせる
-
将来の不安が整理される
-
老後資金の計画も立てやすくなる
というメリットがあります。
65歳までに2,000万円が必要といわれてますが、年金の額によって必要な老後資金の額も変わってきます。これからの長寿時代では、これまでよりも一人ひとりにあった人生計画・ライフプランが必要になるでしょう。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の給与・保険料・税額を保証するものではありません。詳細はご自身の給与明細および勤務先の人事・総務部門にご確認ください。

コメント Comments
コメント一覧
コメントはありません。
トラックバックURL
https://yokohama-lifeplan.com/money/social-insurance-for-employees/trackback/