ライフプランを達成するためにはファイナンシャルプランニングが有効ですが、ファイナンシャルプランニングは家計の現状を把握することから始めます。
家計の現状を把握するためには、収入と費用、所得の違いを知ることも大切です。
収入が高くても様々なお金が引かれるので、実際に使える額(可処分所得)は少なくなります。
可処分所得の中から生活費や教育費、車両費や投資を支出するので、可処分所得の把握は特に重要といえます。
収入は稼いだお金
収入は、仕事や事業で稼いだお金をいいます。
会社員なら給料やボーナス、自営業者であれば売上(事業収入)が収入に該当します。
会社員をしながら不動産投資や株式投資をしていれば、複数の収入がある状態です。
最近は会社員と副業のダブルワークをしてる人も増えました。会社員と副業をしてる人であれば、給与収入と事業収入を足したのものが総収入になります。
●会社員の収入
- 会社から支払われる給料、ボーナスの総額が収入
- 月収30万円×12カ月+賞与40万円×2カ月⇒年収440万円
●個人事業主の収入
- 商売で得た売上が収入
- 飲食店の売上が月平均100万円→年商1200万円
費用は収入を得るために支出したお金
収入を得るために普通は費用がかかります。
収入が多くても費用が多ければ手元に残るお金は減ります。
会社員では費用の多くは会社が負担しますが、個人事業主はたくさんの費用がかかります。
●会社員の費用
- 会社が負担
- 費用を計上できない、給与所得控除が経費みたいなもの
●個人事業主の費用
- 個人事業主の費用はその人が負担
- 仕入費用、支払家賃、水道光熱費、交通費、通信費、広告費など
収入から費用を引いたのが所得
収入から支出を引いた残りが利益です。
個人事業主であれば収入-費用=所得です。
個人事業主は収入から費用を引いた額が所得になりますが、会社員の場合は給与から給与所得控除(55万から195万円)を引くことが認められています。
この所得をもとに税金や社会保険料が課税され、残ったお金が手取り収入とか可処分所得です。
●会社員の所得
- 給料-給与所得控除=所得
- 年収440万円、給与所得控除132万円→所得308万円
●個人事業主の所得(事業所得)
売上-経費=事業所得
年間売上1500万円、経費700万円→所得800万円
収入・費用・所得の関係
収入は給料や事業の売上をいい、費用は収入を得るための支出です。
収入から費用を引いたものが所得になります。
収入が多くても費用が多ければ所得は少なくなります。
所得に対して課税されるので、適切に経費を計上しないと売上全部に税金がかかってしまいます。
収入-費用=所得
収入 | 費用 | |
増える | 所得が増える | 所得が減る |
減る | 所得が減る | 所得が増える |
家計の見直しでは可処分所得の把握が重要
実際に使えるお金は可処分所得や手取り収入と呼ばれます。
所得に所得税・住民税・社会保険料がかかり、残った金額が実際に使える可処分所得です。
収入、所得税、社会保険料、可処分所得は、会社員なら源泉徴収票から確認できます。
自営業者なら確定申告をしてるので、会社員より可処分所得について理解しているはずです。
●会社員の可処分所得=給料-給与所得-(所得税・住民税・社会保険料)
●事業主の可処分所得=売上-費用(経費)-(所得税・住民税・社会保険料)
会社員と個人事業主とでは可処分所得の計算が少し違いますが、社会保険も異なります。
●会社員の社会保険→健康保険(健保組合orけんぽ協会)、厚生年金保険
●個人事業主の社会保険→国民健康保険、国民年金
可処分所得と支出から年間の貯蓄力が把握できる
年間の支出が分かれば、可処分所得から年間の貯蓄力が分かります。
支出は生活費、住居費、車両費、教育費、生命保険料などがあります。これらは家計簿をつけることで把握できますが、最近は家計簿の代わりにアプリを使う人もいます。
- 生活費(食費、水道光熱費、通信費)
- 住居費(住宅ローン、管理費・修繕積立金、固定資産税)
- 車両費(自動車ローン、駐車場代、ガソリン代、損害保険)
可処分所得から支出を引いた残りが貯蓄になります。
残りが実際の貯蓄より少ない場合は使途不明金の可能性があります。何に使ったか分からない金額を使途不明金と言いますが、使途不明金が多い場合は調べたほうがいいかもしれません。サブスクや会費など知らないうちに毎月口座から引き落とされてた金額があれば、それを解約することで貯蓄に回すことができます。
- 可処分所得-生活費・車両費・住居費などの支出=貯蓄
- 貯蓄-実際の貯蓄⇒使途不明金
まとめ
・家計の見直しは可処分所得の把握から
・収入-費用=所得
・所得-(所得税・住民税・社会保険料)=可処分所得(手取り収入)
・可処分所得-生活費支出=貯蓄できる額
・可処分所得-生活費支出=貯蓄額、実際の貯蓄額と違う場合は使途不明金の可能性がある
・使途不明金が多い場合は確認したほうがいいかもしれない
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