生命保険と損害保険の違い?保険は目的別に選ばないと的外れになる

保険

社会保険は強制加入が原則ですが、民間保険会社が扱う生命保険および損害保険は必ずしも強制ではありません。特に生命保険は加入が任意なので、目的にあった保険に加入しないと的外れになってしまいます。

 

日本人の9割が何らかの保険に加入していると言われており、生命保険だけを見ても7割から8割の日本人が生命保険に加入しています。

しかし、お客様と会話をしていると、お願いされて生命保険に加入してたり、よく分からず何となくで保険に加入してる人も多いです。

まずは現在のリスクを把握し、これから起こる場合のリスクを踏まえたうえで、保険に加入するか考えることが大切です。リスクと家計状況を踏まえて、あえて保険に入らないという選択もあります。

また、社会保険についての知識があると必要以上の保険に加入しないで済みます。

保険は相互補助

保険の基本的な仕組みは、保険に加入した人がそれぞれお金を出し合って、そのお金を事故に遭った人に受け渡すというシステムです。

保険が発展するきっかけとなったのが船での貿易が活発化したことです。

ヨーロッパで航海技術が進歩して海外貿易が発展すると、貿易事業者がお互いにお金を出し合ってリスクを共有するようになります。

このシステムによって事故のリスクを個人から集団単位へと広げることができました。

日本の社会保障制度は、民間の保険を見習ってできたといわれます。

生命保険会社と損害保険会社で扱える保険

保険の種類を大きく分けると、生命保険会社と損害保険会社に分けられます。

生命保険会社が扱うのは主に人に関する生命保険で、生命保険は第一分野といわれています。

損害保険会社が扱うのは主に物に関する損害保険で、損害保険は第二分野といわれています。

そして、生命保険会社と損害保険会社のどちらも扱える第三分野があります。

 

次にどのような種類の保険があるかについてです。

まず、生命保険会社では人の生死を事故とする保険を扱います。

生命保険の代表的な保険としては、終身保険、定期保険、養老保険の三種類があります。

人気の収入保障保険も定期保険の一種です。収入保障保険は年数の経過によって保険金が減少するので、定期保険と比較して保険料を抑えられるメリットがあります。

住宅ローンで加入する団体信用生命保険も生命保険です。

 

損害保険会社は物や災害を事故とする保険を扱います。

代表的な保険としては、火災保険や地震保険といったものがあります。自動車保険やペット保険などもそうです。

日本が地震大国であることから、地震保険に興味を持つ人が多いですが、地震保険は火災保険とセットでの加入が基本です。

 

生命保険会社と損害保険会社のどちらの保険会社でも扱える第三分野の商品には、医療保険や介護保険、傷害保険やがん保険があります。

 

人の生死に関する保険 → 生命保険会社

物の事故や損害に関する保険 → 損害保険会社

医療・介護・がん・傷害保険 → どちらでも扱える

目的に合わせて保険に加入すること

保険商品には、貯蓄性を備えているものがあります。

代表的なのが終身保険や学資保険ですが、終身保険は解約すると今まで積み立てたお金が返戻されるため、保障を得ながら貯蓄できることになります。

学資保険は子供の入学時などに保険金が受け取れ、契約者に万一があればその後の保険料が免除されます。

今から数十年前は投資がギャンブルのように見られてたので、生命保険が投資の役割を担ってました。

世帯主に万一があった時はもちろんですが、保険料の積立て部分が解約によって老後資金としても使えました。

しかし、現在は投資をする人も増え、何でも保険でカバーする有意性はなくなりました。老後資金目的の商品であってもインフレに勝てないものがあるくらいです。

 

現在は毎年行われる増税と社会保険料の負担増のせいで、必要最低限の生命保険に加入して浮いた保険料を生活費や投資に回す人が増えました。

小さい子供がいる家庭では必要な補償が高額なので、世帯主の保障を優先する必要があります。

反対に子供がおらず、夫婦共働きなら医療保険や老後資金に回した方がよいでしょう。

 

終身保険は一生涯保障が続きますが、保険料は定期保険と比べて高額になります。

一方で定期保険は一定期間しか死亡が保障されませんが、保険料を安く抑えられます。

入院や手術が心配なら医療保険、がんが心配ならがん保険に加入するとよいでしょう。

終身保険

終身保険は保障が一生続く保険です。自分が亡くなったときの墓代として加入する人が多いです。

保険料の払い込みが終了した後に解約すれば、普通の終身保険なら払込期間後は100%以上の返戻金が戻ります。

低解約返戻金の商品は保険料を抑えられますが、払込期間中に解約すると元本割れしてしまいます。

保障が一生涯続きますが、保険金額が決まっているため、インフレで目減りしていくリスクもあります。

定期保険

一定期間の死亡だけが保障される生命保険です。

多くは保険料が掛け捨てですが、終身保険と比較して保険料を抑えることができます。

子供が小さい等、一定期間だけ大きな保障が必要な場合に加入します。

 

現在は収入保障保険が人気です。収入保障保険は、死亡した場合に保険金を毎月定額で受け取れます。受け取る期間が決まってるため、年数が経過するほど受け取る保険金の総額が少なくなります。

学資保険

学資保険は子供の入学や年齢に合わせて一定額を受け取れます。子どもが生まれたら考えていい保険です。

親が亡くなった時はその後の支払いが免除されます。

どのタイミングで保険金が出るかは保険会社によって様々です。

個人年金保険

個人年金は老後の資金用の保険です。老後が心配な人向けの保険です。

被保険者の老後時に受け取れるもの、年金額が決まってる確定型、運用によって年金額が変わるものまで様々あります。

医療保険

医療保険は、病気やケガで入院した時や手術した時に保険金が受け取れます。

医療保険は保障期間によって終身タイプと定期タイプがあります。

がん保険

がんに特化した保険ががん保険です。

がんに特化してるだけあって、がんに対する保障が充実してます。

介護保険

要介護認定を受けた時に保険金を受け取れます。

社会保険にも介護保険がありますが、社会保険だけでは不足する分の保障です。

火災保険

住宅の火災に対する保険が火災保険です。

火災保険の対象は建物が原則で、地震や津波は保障されません。

保障も再調達原価と時価があり、再調達原価が同じ建物を立て直す額なのに対して、時価は経過年数に応じた価値しか保障されません。

社会保険を知ると無駄な保険に加入しなくて済むかもしれない

生命保険は任意ですが、社会保険は強制加入です。

世帯主が死亡した時に小さい子供がいれば、社会保険からも遺族年金が出ることがあります。

また、社会保険にはその月の保険料が高額になった場合に一定額で抑えられる高額療養費というものがあります。また、会社員が病気で仕事に行けない場合に傷病手当金という制度もあります。

社会保険制度は強制加入なのでそちらを活かし、それだけでは不足する保障を民間の生命保険でカバーすると無駄な保険に加入しなくて済みます。

一般的に社会保険だけでは不足することが多いので、民間の保険を利用したり、別途積立投資をしてリスクに備えることが大切です。

まとめ

・生命保険は人の生死に関する保険をいう(第一分野)

・損害保険はモノに関する保険をいう(第二分野)

・生命保険と損害保険の両方に属さなかったり、属す保険を第三分野という

・家庭によって必要な保険は異なる(共働き、子供がいる等)

・目的にあった保険じゃないと肝心な時に役立たない

・生命保険はインフレに弱い

・社会保険は強制加入なので、社会保険をベースに不足する保障を民間の保険でカバーする

コメント

タイトルとURLをコピーしました