就職氷河期はどのような働き方をしていたか?パワハラ、サービス残業が当たり前だった時代

コラム

今の新卒は人手不足と少子化の影響で売り手市場といわれ、新卒の賃金も昔と比べて高くなってます。

今の新卒と何かと比較されるのが就職氷河期世代と呼ばれる人たちです。

就職氷河期世代は、日本経済の不況や労働市場の縮小の影響でなかなか就職できず、仕方なく非正規として働かざるを得なかった世代を指します。

とりあえず非正規で就職したものの、その後も就職できない人は多く、今も非正規雇用で働く人もいます。

就職氷河期世代の中には、いわゆるブラック企業でパワハラを受けて、それがもとで今もニートとして暮らす人も多いです。

就職氷河期世代だった私が、経験を踏まえて就職氷河期世代についてまとめました。

就職氷河期世代とは?就職氷河期を生きた人の今の年齢は?

就職氷河期世代は、バブル崩壊後の1990年代から2000年代にかけて高校や大学を卒業した世代をいいます。

今の年齢で言うなら、50代前半から40歳くらいといったところでしょうか。

 

バブル崩壊によって日本経済は深刻な状況となり、多くの企業が人材採用を抑制したため、正規社員として採用されることがほとんどありませんでした。

非正規として採用される機会が少ないので、契約社員や派遣労働者、アルバイトとして働きながら、就職活動をする人もたくさんいました。

中には契約社員やアルバイトとして働きながら、毎日5時間以上の勉強をして資格取得を目指す人もいました。

現在は、宅地建物取引士や社会保険労務士、行政書士の資格を保有してれば優秀といった扱いかもしれませんが、当時はお話にならないと相手にされないレベルでした。難関資格の司法書士でもそんな話を聞いたことがあります。

だからみんなで弁護士や会計士、ITスキルの取得を目指している感じでした。そうでなければ私のようにブラック企業で働くしかありませんでした。

 

非正規やアルバイトとして働き続けた場合に問題となるのが、将来の年金が少額だったり、老後資金が不足することです。

厚生年金保険の老齢厚生年金は報酬比例によって年金額が変わるので、納めた保険料が少額では受け取れる年金も少額です。

また、収入が少なく生活に余裕がなければ、資産運用どころではないので老後資金が不足するのも無理ありません。

このままだと就職氷河期世代の多くが、年金不足から生活保護を受給せざるを得ないでしょう。

老後の問題だけではなく、その人のキャリア形成もまともにできない人がたくさんいます。これは政府の失敗として責められるべきでしょう。

 

人材不足を補うように派遣法も改正され、非正規雇用の増加と賃金格差が広がったと言われています。

小泉政権が批判されてるのは、派遣法の改正によって非正規労働者を大量に増やしたことが原因とされています。竹中平蔵が製造業で働いてた人から特に嫌われてるのは、製造業の派遣を解禁したのが理由です。

就職氷河期世代はパワハラ、サービス残業が当たり前?

私は大学卒業前に宅地建物取引士の資格を取得したので、ブラック業界といわれる不動産業界に就職しました。

そこでは朝から晩までパワハラがあり、サービス残業も当たり前でした。

幸い私は一番年齢が若かったので可愛がられましたが、別の部署の大人しい性格の人は朝から晩まで怒鳴られてました。それはもう見ているこっちが辛くなるほどでした。

トイレに行っては怒鳴られ、営業報告をしては怒鳴られ、お客様と連絡しては怒鳴られ、少し休んでは怒鳴られ、笑顔になっては怒鳴られ、その人が涙を流してるのを何度も見ました。

今では考えられませんが、当時の上司は怒ることが仕事と勘違いしていた可能性があります。怒られる方はたまったものではありませんが……。

 

サービス残業とは、時間外労働に対して賃金が一切支払われないことを言います。サービス残業は労働基準法違反として処罰の対象になりますが、就職氷河期世代はサービス残業が当たり前でした。

不動産業界のような営業会社はサービス残業が当たり前の風土があるので、私は労働基準法を読んでもなかなかピンとこなかったくらいです。

不動産会社では、どの会社も毎月100時間のサービス残業は当たり前でした。今ならSNSですぐに炎上してしまいますが、当時はそんなものはないし、労働基準監督署が機能してなかったので、それが当たり前の働き方でした。

 

さらに不動産業界では、フルコミッションという働き方が主流でした。

フルコミッションとは完全歩合制の働き方をいい、固定給がなく、成果に応じた報酬が支払われるシステムです。

フルコミッションでは、営業が月に300万円売り上げれば、90万円が営業、210万円が会社の取り分となります。

フルコミッションだと収入が不安定ですが、それ以上に社員ではないので年金が十分でないことが問題でした。

 

フルコミッションなのに朝から晩までパワハラがあったことを思うと、就職氷河期とはなんと酷い時代だったのかと思います。

ここまで見ると何と酷い会社があるものだと思うかもしれませんが、こんな会社でも求人を募集すれば数えきれないほどの応募がありました。もっとも求人情報にパワハラ有りとは書かないので、当然かもしれませんが……。

公務員試験に群がる就職氷河期世代

就職氷河期世代に一番人気があったのが公務員です。

非正規雇用は不安でですし、会社の業績によって倒産があったり、労働契約の更新をしてもらえない可能性がありますが、公務員は待遇もよく、倒産がありません。

そのため、就職氷河期世代はみんな公務員を目指して勉強してました。

「同窓会で同級生が何やってるか聞くと、返ってくる答えは、だいたい公務員を目指して資格予備校に通ったり、独学で図書館で勉強してるでした。」

 

あまりに公務員になりたくて、学歴を偽って公務員になった人が、後にばれてニュースになったこともありました。

景気が悪いと公務員が人気の職業になり、景気が良いと民間企業も人気になります。景気が悪い中国でも似たようなことが起きてるようです。中国経済が不況なので、日本で就職を目指す中国人も増えてます。

公務員試験が人気で倍率が何百倍にもなり、ここでも就職氷河期世代のほとんどは仕事を手にすることが出来ませんでした。

働きたくない就職氷河期世代

せっかく高校、大学を卒業したのに、就職してパワハラ、サービス残業が待ってると思って働かない人も出てきました。

フリーターやニートが話題になったのも就職氷河期と同じ時期です。

「働いたら負け」なんて言葉が出てきたのもこの頃です。

実際に働かなければお金がないので、我慢して働いてお金が貯まったら、仕事を辞めて引きこもるという人もいました。

その後、ブログやアフィリエイトという稼ぎ方が着目され、引きこもりなのに稼ぐ人が出てきました。

私は以前、社会復帰や生活保護者の社会参加を手伝う団体にいたので、ブログやアフィリエイトも紹介しましたが、働くことが嫌いのようで拒否されました。

就職氷河期世代の今

就職氷河期世代で今も働いてない人はたくさんいます。

就職氷河期世代は生活保護の世話になる人が100万人以上いると見られてますが、私はそれの何倍もいると思います。

実家の近所には今も就職氷河期世代の人が暮らしてますが、働いてない人が多いからです。

ただ、最近はタイミーやウーバーといったスキマ時間を活用した働き方ができるようになり、ニートだった就職氷河期世代から「今から仕事行く」といったことを聞くようになりました。

今の若者の中にも、安定より自由を求めて非正規雇用やアルバイトになる人がいますが、たいていは将来のことを考えてません。

今思えば、働くことも大切ですが、選挙に行くことも同じくらい大事なことだと思います。今の政治に不満があるなら、選挙に行って与党や増税をした議員を落選させることが大切です。

まとめ

就職世代の働き方

  • 何年も正社員になれず、ずっと契約社員、アルバイトも多い
  • サービス残業が毎月100時間は当たり前
  • 難関資格を取っても切り捨て
  • 朝から晩までパワハラ
  • フルコミッションのため月0円の人もいた
  • 将来の年金がわずか
  • 老後資金がない人多数
  • 将来生活保護がほぼ確定

思い返すととんでもない時代でしたね」

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