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三角と四角で学ぶ保険と貯金!あなたの家計に必要なのはどっち?

三角と四角で学ぶ保険と貯金!あなたの家計に必要なのはどっち?

社会保険労務士と保険の代理店のオフィスを経営していたときは、お客さんに生命保険の説明をする際、貯金と保険の備えの違いについて図を用いて「貯金は三角、保険は四角」と解説していました。

この言葉は貯金と保険の保障についての性質の違いをうまく表しています。

同じ金額を用意するのでも、貯金と保険ではお金の立ち上がり方がまったく異なります。

 

本記事では、この考え方を図と表で整理しながら、それぞれの向き・不向きを中立的に見ていきます。

この記事から分かること
  • 「貯金は三角・保険は四角」が表す、備えの立ち上がり方の違い
  • 同じ金額を用意するとき、貯金と保険で何が変わるのか
  • 定期保険と終身保険、それぞれの特徴と注意点
  • 名目額ではなく「実質価値(インフレ考慮)」で比べる重要性
目次[閉じる]

保険の基本|生命保険・損害保険・第三分野

保険と貯金の違いの前に、まずは保険について簡単に説明します。

今更ですが、生命保険は人の生死を保険事故とする保険です。そして、物を対象にしているのが損害保険になります。

 

生命保険には、終身保険・定期保険・養老保険といった代表的な保険を筆頭に収入保障保険、逓増定期保険、逓減定期保険、変額保険といった保険があります。

損害保険は、対象が物なので、自動車保険や建物の火災保険、地震保険といったものがあります。損害保険では、実際の損害を補償する実損方式が多いのが特徴的です。

 

対象者の生死を保険事故とする生命保険では、対象者(被保険者)が死亡した場合などに受取人は保険金を受け取れます。

家族の家計を稼ぐ大黒柱が事故にあった場合は、遺族の収入が少なくなるので家族が生活していくのは厳しくなります。

こういった場合に備えて生命保険に加入しておけば、事故にあっても遺族は保険金を受け取れます。生命保険は、残された家族のリスクを保障するために使われています。

 

さらに、この両者の中間にあたる第三分野の保険(医療保険・がん保険・介護保険など)もあります。

生死そのものではなく、入院・手術・所定の状態などに備えるもので、生保会社・損保会社のどちらも扱えます。

 

貯金は三角、保険は四角で備えの違い

横軸を20歳から60歳までの時間、縦軸を「備えの金額」とすると、貯金と保険は次のような形を描きます。

  • 貯金(三角)20歳 → 60歳備えの額時間をかけて積み上がる
  • 保険(四角)20歳 → 60歳加入直後から必要額を確保

図:貯金は時間とともに少しずつ増える「三角」、保険は加入直後から一定の保障が立ち上がる「四角」(イメージ)
 
項目 貯金(三角) 保険(四角)
備えの立ち上がり 時間をかけて少しずつ増える 加入直後から必要額を確保できる
早期に万一があった場合 積立途中の額しか使えない 契約額が満額給付される
使わなかった場合 全額が手元に残る 掛け捨て型は戻らない/貯蓄型は解約返戻金
流動性 高い(自由に引き出せる) 低い(解約に制約・元本割れもある)
向いている目的 使い道未定の資金・近い将来の支出 万一の時にまとまった額が必要な備え
 

 

同じ480万円を「貯金」で用意する場合

「貯金は三角、保険は四角」この言葉の意味を例を挙げて解説してみます。 

 

たとえば万一に備えて480万円を用意したいとします。

毎月1万円ずつ貯金すると、1年で12万円、単純計算で40年かかります。

途中で万一があれば、その時点までに貯まった額しか使えません。仮に1年後であれば12万円です。

積立投資などを併用すれば多少は前倒しできますが、必要額に届くまで時間がかかる点は変わりません。

これが「三角」の備えです。

 

同じ480万円を「保険」で用意する場合

一方、480万円の死亡保障に加入していれば、保障期間内であれば加入直後でも満額が給付されます。

1か月後であっても480万円です。これが「四角」の備えで、保険ならではの強みです。

 

保険の中でも性質は分かれます。

定期保険は割安な保険料で大きな保障を得られますが、保障期間を過ぎると保障は消え、その後の万一には給付されません。いわゆる掛け捨てです。

終身保険は一生涯保障が続き、解約すれば解約返戻金を受け取れます。

 

終身保険の解約返戻金について
終身保険には養老保険のような「満期」はなく、払込終了後も保障が続きます。
解約時に受け取れる解約返戻金の返戻率(払込総額に対して戻る割合)は、商品や金利環境によって大きく異なります
近年の低金利下では、払込終了直後の返戻率が100%前後にとどまる、あるいは下回る商品もあります。
また払込期間の途中で解約すると、払い込んだ保険料を下回るのが一般的です。
「払った分は必ず戻る」と決めつけないことが大切です。

 

インフレを無視すると比較を見誤る

40年という長期では、損得を表面的な金額だけで測ると判断を誤ります。

重要なのは実質価値(インフレを加味した価値)の金額です。

 

たとえば40年の間に1000万円を積み立てても、その間に物価が2倍になっていれば、実質的な価値は500万円分しかありません。

数字は同じでも、買えるものの量は半分です。

終身保険の解約返戻金でも同じで、「支払った保険料と同額が戻る=得」とは限りません。

貯金も保険も、長期になるほどインフレや生活コストの上昇による実質価値の低下を受けます。

インフレを無視すると貯金と保険の優劣を見誤る……これが長期の資産形成で見落とされがちなポイントです。

 

まとめ

  • 「貯金は三角・保険は四角」は、備えの立ち上がり方の違いを表した言葉
  • 保障を得るのに、貯金は時間がかかり、保険は加入直後から確保できる
  • 定期保険は割安だが、保障期間を過ぎると残らない(掛け捨て)
  • 終身保険は一生涯の保障だが、解約返戻金や返戻率は商品・金利環境次第
  • 貯金と保険のどちらが有利かは、目的や家計の状況によって異なり一概に言えない
  • 長期では名目額でなく、実質価値(インフレ考慮)で判断する

 

 

※本記事は1級FP技能士が内容を確認しています。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・保険商品の勧誘や、個別の契約・解約を推奨するものではありません。当事務所は投資助言・代理業等の登録を行っておらず、本記事の情報に基づく判断は読者ご自身の責任でお願いいたします。具体的な保険の加入・見直しにあたっては、契約内容や約款をご確認のうえ、ご自身の家計・ライフプランに照らしてご判断ください。掲載の試算(480万円・毎月1万円など)はいずれも仕組みを説明するための目安であり、実際の保険料・返戻率・利回りを示すものではありません。

 

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