自宅を購入したら、多くの人は住宅ローン減税を活用すると思います。
住宅ローン減税は、住宅ローンを利用して住宅を新築、増築または購入した場合に、一定の要件に当てはまれば使える制度です。
住宅ローン減税は、住宅ローン借入金の年末残高の合計額に控除率を乗じた金額を所得税額から控除できます。
主な注意点としては、2024年からの新築は省エネ住宅でないと減税が受けられなくなるということでしょうか。
1年目は確定申告が必要ですが、2年目からは年末調整で申告可能です。自営業者は引き続き確定申告が必要です。
住宅ローン減税の概要
住宅ローン減税は、住宅ローン借入金の年末残高に対して控除率0.7%を乗じた金額を所得税から最大13年間控除(一部は翌年の住民税から)できる制度です。
住宅の性能によって対象となる住宅ローンの借入れ限度額が異なり、新築か中古かによって控除期間も違います。
政府が脱炭素社会を推奨してるせいで、2024年・2025年に新築住宅に入居する場合、2024年1月以降の建築確認を受けた新築は、原則として省エネ住宅に適合しないと住宅ローン減税が受けられなくなります。
フラット35でも2024年4月から省エネ基準に適合することが求められるようになりました。
対象となる所得要件は2,000万円以下です。
省エネ住宅の技術基準に応じたフラット35S が利用でき、フラット35Sが適用されると一定期間金利が引き下げられます。
子育て世帯・若者夫婦世帯が2024年に入居する場合には上乗せ措置があります。
子育て世帯・若者夫婦世帯とは以下のような人をいいます。
・年齢19歳未満の扶養親族を有するもの
・年齢40歳未満であって配偶者を有し、または年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有するもの
新築
令和6年
借入限度額 | 控除期間 | |
一般住宅 | 0円(2000万円※) | 13年 |
省エネ基準適合住宅 | 3000万円 | 13年 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3500万円 | 13年 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 4500万円 | 13年 |
※令和5年までに建築確認が必要で、該当しない場合は0円です。
ZEHは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略です。
子育て世帯・若者夫婦世帯は、省エネ基準適合住宅は4000万円、ZEH水準省エネ住宅は4500万円、長期優良住宅・低炭素住宅は5000万円です(令和7年は、税制改正にて令和6年と同様の方向で検討)。
借入限度額は、減税の対象になる住宅ローン残高の上限をいいます。
中古
借入限度額 | 控除期間 | |
一般住宅 | 2000万円 | 10年 |
省エネ基準適合住宅 ZEH水準省エネ住宅 長期優良住宅・低炭素住宅 |
3000万円 | 10年 |
借入限度額は、減税の対象になる住宅ローン残高の上限のことです。
住宅ローン減税の効果
上の表をもとに計算すると、新築の長期優良住宅・低炭素住宅を購入した人であれば、最大で5000万円×0.7%×13年=455万円となり、最大で455万円が減税されることになります。
ZEH水準省エネ住宅であれば最大で364万円が減税され、一般住宅でも最大273万円の減税効果が期待できます。
中古住宅であれば、省エネ住宅なら210万円、一般住宅なら140万円の減税となります。
所得から控除する所得控除とは違い、住宅ローン減税は税額控除なので、その金額がまるまる使えることを意味しますから効果は大きいです。
といっても、これらはあくまでも最大なので、実際に納める税金が上限になります。実際にフル活用できる人は多くないということです。
とはいえ年間数十万円の減税はかなりの効果です。
住宅ローン減税の主な要件
・自ら居住するための住宅
・床面積が50㎡以上(所得1,000万円以下40㎡)
・合計所得金額が2,000万円以下
・住宅ローンの借入れ期間が10年以上
・昭和57年以降に建築された住宅、または耐震基準適合証明書等を用意
・引き渡し日、工事完了日から6カ月以内に入居
おわりに
住宅ローン減税は、住宅ローンを借りて住宅を新築、増築、購入した場合に利用できる制度です。
年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税(一部住民税)から最大で13年間減税されます。
住宅ローン利用者にはかなりお得な制度ですが、要件が多く、内容も入居する年によって違います。住宅ローンを利用するときは、最新の住宅ローン減税をチェックすることが大切です。