マンション管理士って何する人?マンションの管理人と誤解される資格とは

AIでマンション管理士について質問すると、まるでマンションの管理人のような説明が返ってきます。

世の中に国家資格は数多くありますが、マンション管理士ほど誤解されている国家資格はないのではないでしょうか。

 

ネットの資格サイトでも、マンション管理士をマンションの管理人と誤解している記事も見かけます。

私もマンション管理士ですが、この資格の話になると一から説明しなければなりません。

誤解が多い資格なので、独立してもなかなか仕事が取れないとか、まずは仕事について説明しなければならないといった書き込みもあります。

しかし、裏を返せば相手に理解さえしてもらえれば、仕事につながる可能性を秘めている資格といえます。

マンション管理士とは?

資格の種類について

マンション管理士は、名前の通り区分所有マンションの管理に関する専門家です。

区分所有法・民法・管理規約など、マンションの運営・管理に関する知識をもとに、マンション管理組合にアドバイス・相談に応じます。

 

マンション管理士の仕事

  • マンション管理組合にアドバイス・相談に応じる
  • 大規模修繕・管理費のコンサル
  • 修繕工事の実施・進行のアドバイス
  • 管理規約の作成や相談
  • 住民間のトラブルのアドバイスなど

 

マンション管理士は、その名称から管理人と誤解されることが多いですが、実は国家資格であり、マンション管理においての専門家資格です。

難易度を表す指標である合格率は、毎年約10%と受験者のほとんどが不合格になる試験です。

マンション管理士の合格率 →10%(難関資格)

 

同じ不動産系資格で有名なものに宅地建物取引士(通称たっけん)がありますが、難易度は宅建よりも難しく、勉強時間も宅建士の2~3倍必要とされています。

私の場合は、宅建士は200時間、マンション管理士は合格までに1,000時間かかりました。

  • マンション管理士は宅地建物取引士の2~3倍難しい
  • 勉強時間→マンション管理士600時間以上 > 宅建士300時間

 

マンション管理士の将来性は?

コンサルティング

東京の都心部を中心にマンションが持家として定着し、重要な居住形態となっています。

土地の利用の高度化の進展から住環境が変化し、区分所有マンションに住むことは当たり前になりました。

 

現在のマンション戸数は約700万戸といわれ、そこに1,500万人を超す人が居住しているといわれています。

その一方で、1つの建物を何人もの人が区分して所有するマンションは、課題も多く、適正なマンション管理がされていないといった指摘もあります。

1つの建物を何人もの人が所有するマンションでは、権利関係が複雑で構造上の問題が把握しにくく、維持していくことが年々難しくなっています。

国内には築40年を超えるマンションが140万戸あるといわれているのに、建替えについてほとんど実施されていないことも問題視されています。

 

先日も国会で区分所有法の改正が成立しており、現在のマンション管理士の知名度は低いですが、実は一部の人から将来性がある資格と注目されています。

マンション管理士についてよくある誤解

  • 誤解①マンション管理人と同じ
  • 誤解②資格を持っていても稼げない
  • 誤解③簡単に取れる資格

誤解①マンション管理人と同じ?

マンション管理士は、マンション管理人と誤解されることが多いですが、全く異なります。

マンションの管理人は、管理会社の社員などで、マンションの受付業務や点検、清掃などを行う人です。

一方、マンション管理士は国家試験合格後に登録した人で、管理組合の顧問的な立場の専門家です。

  • マンション管理人は管理会社の人→管理会社の人なら誰でもなれる
  • マンション管理士は専門家→試験に合格して登録が必要

 

マンション管理士とマンション管理人では立場も違います。

マンション管理士 マンション管理人
住人側(管理組合側) 会社側(管理会社側)
住人のために業務を行う 会社のために業務を行う
マンションの管理・運営についてアドバイス マンションの管理・運営の事務を行う

 

誤解②資格を持っていても稼げない?

現在は誤解されることが多い資格なので、独立はなかなか厳しいといわれています。

ただ、マンション管理組合と顧問契約を結びながら、ネットの記事を投稿したり、執筆するなどして稼いでる人もいます。

宅地建物取引士や行政書士、司法書士といった他資格との連携で資格を活かすマンション管理士もいます。

  • マンション管理士だけでは厳しい→記事・執筆といった業務も行う、他の資格と連携

 

今は誰でも簡単に自分のホームページやブログが持てるので、以前と比べて独立しやすくはなっています。

動画を活用して露出を増やしてる知り合いは、収入も比例して増えていく傾向にあると言ってました。

 

稼ぐ人

  • 動画やブログで仕事について分かりやすく解説してる
  • 本やネットで記事を書くことで仕事につなげやすい
  • ブログや記事だけで年収1千万円稼ぐ人もいる

 

誤解③簡単に取れる資格?

マンション管理士の資格を簡単に取れると思ってる人は、管理人と勘違いしてる人に多いです。

マンション管理士の試験は合格率が10%前後と低く、難関資格の部類に入ります。

 

合格率が10%の試験の多くは五肢択一ですが、マンション管理士の試験は四肢択一です。

私も最初は四択なら楽だろうと思いましたが、実際に答練や試験を受けてみると、四肢択一が逆に難易度を高くしてると感じるようになりました。

半年も勉強すると答練や予想問題で合格圏内・ボーダーラインに達することができますが、実際に試験を受けると毎年のように1点足りないことが続きます。そういう不合格者は多いのではないかと思います。

四肢だと自然と合格点が高くなる(8割になる年も)ので、少し運が悪いと不合格が続くことになります。

  • 半年も勉強すれば35~37点取れるようになる
  • 合格には運も要求される(捨て問にも正解が必要)
  • ところが実際に合格するまでに、さらに数年かかる人は多い
  • 1,2点で不合格が続く人だらけ

 

なぜマンション管理士は誤解されやすい?

1.名前がマンション管理人に似ている

2.名前が具体的な仕事内容を想像しづらい

3.比較的新しい資格で、認知度も低い

4.独立して開業してる人がほとんどおらず、メディアでも露出が少ない

  • 独立しても食べれない→後に続く人がいない→知名度が向上しない

 

マンション管理士の需要と活かし方

区分所有マンションは複数の人の一定以上の多数決によって決まるので、運営・管理が複雑です。

老朽化マンションの増加から、マンション管理士の社会的なニーズは高まっています。

住人の高齢化や管理の複雑性からトラブルも増加傾向にあり、マンション管理士が注目されています。

ネットや雑誌の記事では、マンション管理士が解説した記事を見るようになりました。

 

来年から区分所有法の改正もありますし、今後ますます注目されることは間違いありません。

ただ、今のところはなかなか仕事につながらないという現実も理解しなければいけません。

現実的な資格の活かし方としては、やはり不動産会社や管理会社で活かすことです。

また、マンションの管理費・修繕積立金がライフプランに大きく影響するので、FPと組み合わせるのも有効です。

マンション管理士資格の活かし方

  • 不動産会社(宅地建物取引士)・管理会社(管理業務主任者)の上位資格として知識を活用
  • FP→ライフプランのアドバイスに知識が活かせる
  • 行政書士→管理規約の作成
  • 司法書士→マンション管理のアドバイスもできる

 

独立後

  • 知識を活かしてブログやライターをする
  • ホームページやブログが必須
  • 誤解が多い資格なのでホームページやブログでの発信が重要
  • ライターだけで月80万円稼ぐ人もいる
  • マンションに興味がある人は多いので、ネットに解説記事・動画を投稿する
  • ホームページとブログを併用してアドセンスで十万円稼ぐ人もいる
  • 現在は本・ブログ・記事・動画で稼ぎやすい時代

 

まとめ

・マンションの管理人とマンション管理士は全然違う

・マンション管理士の知名度は低いが、実は重要な役割を担う資格

・マンション管理士は、知名度が上がれば将来性はある

・不動産会社・マンション管理会社ではキャリアの幅が広がる

・特にマンション管理会社で出世しやすくなる

・マンション管理士の知識を活かして本や記事を書く人も多い

・有資格者はまだ少ないので、ブログや動画に投稿すれば注目されやすい

・現在のところ記事やブログで稼ぎやすい