マンション管理士はマンション唯一のコンサルタント資格

日本には築40年を超えるマンションが140万戸あると言われ、老朽化したマンションがこれから先社会問題化することが懸念されています。

古いマンションであっても修繕積立金が潤沢であれば(ほとんどない)建替えができますが、そうでなければやがてスラム化、建物の崩壊、漏水といった様々な問題が起こる可能性があります。

マンションの運営や管理について様々な問題を解決するコンサルタントがマンション管理士です。

マンション管理士とは

マンション管理士は、区分所有マンションの管理・運営に関して専門的な知識を持つ国家資格者です。管理組合や区分所有者からの相談に対して助言、指導、援助を行います。

具体的には、管理組合と契約してマンションの管理・運営に関してコンサルティングしたり、マンションのルールである規約の改正をしたり、長期修繕計画の見直しといったことをサポートします。最近では、外部専門家としての活躍も期待されています。

ちなみにマンションであっても一棟すべてを一人の人が所有する場合は区分所有建物ではないので、マンション管理士の対象外です。

 

マンション管理士と似た資格に管理業務主任者という資格がありますが、管理業務主任者は管理会社の業務に関する資格なので、マンション管理士とは立場が違います。といっても管理会社は管理組合の業務を請け負うだけなので、対立するわけではありません。

お互いの立場
  • マンション管理士ー管理組合側
  • 管理業務主任者ー管理会社側

     

    マンション管理士がマンションのコンサルタントといっても、マンション管理士には独占業務がなく、あるのは名称独占資格(名乗ることができる)だけです。しかし、マンション管理士試験に合格するには600時間以上の勉強が必要とされており、資格があることは知識の証明になります。

    管理業務主任者に合格するには200時間、宅地建物取引士に合格するには300時間が必要と言われてるので、マンション管理士がいかに難しいかお分かり頂けると思います。

    マンションの修繕をしてる会社や不動産会社でもマンション管理士の知識が役立ちます。区分所有マンションでは30年に2回以上の修繕がありますし、マンションの知識がないばかりに訴えられた不動産会社の人を知っています。

    管理業務主任者の上位資格にあたるのがマンション管理士なので、マンション管理会社に勤めている人にもマンション管理士を取る意義はあります。

    マンション管理士試験

    マンション管理士になるには、年に1度のマンション管理士試験に合格する必要があります。

    マンション管理士試験は例年11月の第4日曜日に実施され、試験は午後1時から午後3時までの2時間行われます。

    問題形式は4肢択一のマークシート方式で、全部で50問あります。

     

    試験は民法から区分所有法といった法律を中心に、管理規約や建築、会計まで広く出題されます。

    1. マンションの管理に関する法令および実務に関すること
    2. 管理組合の運営の円滑化に関すること
    3. マンションの建物および付属施設の構造および設備に関すること
    4. マンション管理適正化法の推進に関する法律に関すること

    管理業務主任者とのダブル合格を目指す人が多い

    マンション管理士試験と管理業務主任者試験は勉強する範囲が重複するので、両方を学習する人が多いです。両方の試験が一緒になったテキストが販売されてるように、両方を学習することが効率的と思われてるほどです。

    また、マンション管理士に合格した人は翌年以降の管理業務主任者が5問免除さ(正解扱い)、反対に管理業務主任者試験の合格者は翌年のマンション管理士試験が5問免除されます。

    マンション管理士試験は難易度が高いので、合格者の多くが管理業務主任者試験に合格した一部免除者です。私も申し込み時に管理業務主任者の合格番号を記入して一部免除を受けました。

    ちなみに管理業務主任者に合格したマンション管理士受験生の試験時間は、10分繰り下げられた午後1時10分からの試験開始となります。

    マンション管理士試験の難易度

    試験レベルもマンション管理士は管理業務主任者の3~5倍難しいとされています。私もマンション管理士と管理業務主任者のどちらも受験しましたが、管理業務主任者とマンション管理士とでは試験のレベルが全然違います(簿記2級と1級くらい違う)。

    宅地建物取引士と管理業務主任者の試験は過去問のみの学習で合格できましたが、マンション管理士はテキストと予想問題集をフル活用したほどです。

    合格に必要な勉強時間が管理業務主任者の3倍といわれるマンション管理士ですが、試験に1回で受かる人は少ないので、実際は600時間以上勉強する人も多いです。周りを見ると1点足りずに不合格という人が多い気がします。

    私も1年目で1点足りず不合格だったので、翌年は過去問を繰り返し解きつつ、区分所有法や標準管理規約をプリントアウトして読み込むことをしました。

    マンション管理士の合格率

    過去のマンション管理士の合格率を見ると、だいたい10%前後の合格率です。

    試験年度 令和6年 令和5年 令和4年 令和3年 令和2年 令和1年
    合格率 12.7% 10.1% 11.5% 9.9% 8.6% 8.2%

    マンション管理士の勉強時間

    既に述べたようにマンション管理士試験の合格に必要な勉強時間は600時間と言われています。

    これは初心者の勉強時間なので、管理業務主任者の合格者はもっと短時間で合格を目指せます。宅地建物取引士に合格してる人も短時間で合格を目指せます。

    ただ、独学の場合は時間がかかります。私は宅地建物取引士と管理業務主任者に合格した後に独学で挑戦しましたが、合格した時は600時間を超える勉強時間でした。

    マンション管理士と管理業務主任者のどちらが就職に役立つ?

    マンション管理士試験は難関資格ですが、就職に役立つという点では管理業務主任者が有利かもしれません。

    特にマンション管理会社では、設置義務と独占業務をクリアするために管理業務主任者が必要です。

    設置義務というのは、管理会社にはマンション管理組合30組に1人の管理業務主任者を置かなければならないという義務のことです。

    管理組合と契約する時の重要事項説明や署名などは管理業務主任者しか行うことができないとされており、資格者しかできない業務を独占業務といいます。

     

    一方、管理会社以外の建設会社や不動産会社ではマンション管理士の方が役立つでしょう。

    建設会社や不動産会社でもマンションについてアドバイスすることがあるので、マンション管理士の専門的な知識が役立つ場面は多いです。

    区分所有マンションは都市圏に集中してるので、区分マンションが集中する東京や大阪等の都市部でないと活躍は難しいかもしれません。

    ただ、地方にいるマンション管理士であってもWebライターならどこにいても活動できるので、記事を書いてそこから集客に成功する人もいるようです。

    マンション管理士のおすすめ講座

    書店に行くとマンション管理士のテキストが様々並んでるので、独学でもマンション管理士試験に合格することは可能です。

    しかし、合格だと勉強時間が多くかかることになり、何より挫折する人が多いです。

     

    資格予備校のテキストは分かりやすく、講義を耳で聞くことができるので耳からも学習できます。

    試験を短期間で突破したいのであれば、資格講座の利用がベストなのは間違いありません。

     

    フォーサイトであれば、テキストはフルカラーなので分かりやすく、合格率も全国平均の3.62倍と高いです。



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    スタディングであれば、スマホがあればどこにいても学習できるメリットがあります。




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    まとめ

    ・マンション管理士はマンション唯一のコンサルタント国家資格

    ・マンション管理士の試験は合格率10%の難関

    ・管理業務主任者に合格してると一部免除(5問)がある

    ・マンション管理会社では管理業務主任者の方が役立つ

    ・マンション管理士は他の業種でも役立つ(特に不動産業)

    ・資格講座を利用して400~500時間、独学だと600時間以上かかる