
ネットの掲示板では、宅地建物取引士(以下宅建士)の試験について「宅建士は簡単な試験」「宅建士はバカでも受かる」「落ちたら恥ずかしい」といった書き込みを見かけます。
確かに宅建士の試験は他の士業の試験(1,000時間~)に比べると勉強時間は少なく済みます。
しかし、宅建士試験に合格するには一般的に300時間必要とされており、300時間は結構な時間です。
私も他の資格試験で毎日1~2時間を勉強に充ててますが、1時間の学習を10カ月続けると知識の差は雲泥の差です。
何年も不動産業界で働いてる人でも、宅建士試験を受け続けてる人はたくさんいます。
宅建士試験は決して簡単な試験ではありません。簡単な試験ではありませんが、短期合格は不可能ではなく、ちょっとしたコツがあります。
コツさえつかめば実は短期合格が可能な試験です。
宅建士試験が簡単といわれる理由
宅建士の試験は、毎年合格率が15~18%に調整される、5人に1人しか合格できない試験です。
それにもかかわらず宅建士の試験が簡単といわれるのは何故なのか?、理由とからくりについて解説します。
他の難関資格と比較すると合格率が高い
宅建士の試験は資格の登竜門といわれ、毎年20万人が受験する人気資格です。
不動産業界以外の受験生も多く、宅建士資格をステップにして行政書士や不動産鑑定士といった士業に進む人も多いです。
他の士業の合格率は10%以下(行政書士平均12%、不動産鑑定士5%、司法書士5%、社労士6%)なので、士業の合格率と比べれば宅建士試験の合格率は高いです。
また、法学部の人にとっては宅建士の民法は基礎なので、そういった人から見れば簡単と感じるかもしれません。
宅建士の知名度が高いことから、実はあまり勉強せず受験する人もたくさんいます。
真剣に勉強した人の実際の合格率は50%ともいわれ、真剣に学習した人から見れば、確かに簡単なのかもしれません。
他の資格よりも必要な勉強時間が短い
宅建士の試験に合格するには一般的に300時間必要といわれています。
他の士業が1,000時間以上勉強するのに比べると、これは確かに短いです。
同じ不動産系資格といわれるマンション管理士でも600時間なので、勉強時間は短めです。
しかし、実際に勉強してみると分かりますが、毎日1時間の勉強を300日続けるのは結構しんどいです。特に勉強に慣れてない人には1ヶ月でも大変です。
他の士業と比べれば挑戦しやすい資格ですが、決して簡単とは言えません。
四肢択一のマークシート試験だから
士業の試験でも択一試験はありますが、多くは五肢択一で出題されます(社労士、司法書士、予備試験、行政書士)。
四肢択一であれば、適当に選んでも五肢択一より正解しやすいです。
また、問題文の量が減るので、肢の文章を読む労力も少なくなります。
マンション管理士の試験も四肢択一ですが、行政書士や社労士の後に勉強すると随分と楽に感じました。
反対に合格点も上がりやすくなるのが難点です。
勉強をしっかりやってきた人なら点が取りやすいのが四肢択一です。
試験範囲が狭く対策しやすい
宅建士試験の出題範囲は、民法、宅建業法、法令制限、税・その他となっており、他の法律系資格に比べると覚えることが少ないです。
民法は法学部出身者なら勉強しなくても分かりますし、宅建業法は暗記中心なのできちんと勉強すれば得点しやすいです。
受験した時は税についての知識があまりなかったので、税金は勉強しませんでしたが、税金からの出題が少なく対処しやすかったです。全体的に対策しやすい資格試験といえます。
その一方で今までに法律の学習をしたことがない人はかなりの労力が必要です。
初学者が仕事しながら取るには覚悟が要るのが宅建士試験です。
過去問からの出題が多い
宅建士試験だけでなく、他の試験でも重要なポイントは繰り返し出題されます。
特に宅建士試験は、過去問からの類似問題が6割以上出題されます。
そのため、過去問を徹底的に繰り返せば、合格点に届くと言われています。
私の周りには、テキスト中心で何年も不合格の人がいる一方、テキストを使わず過去問をひたすら繰り返して2カ月で合格した人がいます。
ただ、近年は難化傾向にあり、ひっかけ問題や応用問題も出題されてますから油断は禁物です。
独学で合格する人が多い
宅建士試験は、書店に行けば参考書や問題集が充実してるため、資格予備校に通わなくても合格しやすいです。
実際、ネットでは3カ月、4カ月の独学で合格したといった体験話をたくさん見かけます。
不動産会社で働いていた頃、元ヤンが宅建士に6回目の試験で合格してました。
その人に資格予備校を利用しなかったのは何故か聞いたら、そんな学校があることを知りませんでした。あまりに参考書や問題集が充実していて、予備校があることを知らなかったようです。
昔と比べれば資格予備校も低価格になって利用しやすくなりましたが、宅建士は独学で合格する試験と認識されてるようです。
宅建士試験は実はコツが必要な試験
不動産会社に勤めてましたが、ほとんどの社員が不合格でした(合格率10%くらい)。
宅建士試験は簡単ではありませんが、試験に合格するにはコツがあります。
まず、民法の権利関係でつまずく人が多く、ここは時間をかけて勉強する必要があります。一回、二回で理解しようとしないことがコツです。
また、宅建業法と法令制限は暗記科目とされ、コツコツ暗記すれば合格ラインに届きます。
出題数も宅建業法と民法の割合が多いので、これらを中心に学習すると高得点につながります。
資格試験で効率よく知識を習得するには、試験に出る分野を中心に学習し、試験に出ないところは勉強しないことです。
たとえば、宅建士試験の範囲だったとしても、1点、2点にしかならないところを何十時間も割くのは非効率です。その時間を権利関係や宅建業法に充てたほうが点につながります。
そういった意味では過去問を中心にした学習法が効果的です。
過去問を中心にした学習法は試験範囲を中心に重要ポイントを効率よく学ぶことができるからです。
重要な論点であれば、以前出題された問題と全く同じ問題も出題されることがあるくらいです。
確かに近年は応用問題が増え、過去問だけでは対応しにくくなってますが、そういった問題は他の受験生も分からないので、合否を分ける問題にはなりません。
宅建士試験に合格するためのコツ
- 過去問に早くから取りかかる
- 宅建士の試験では民法と宅建業法・法令上の制限の比率が高い(中心に学習する)
- 民法の権利関係は理解することを中心に学ぶ
- 宅建業法は暗記中心なので得点になりやすい
- 毎日欠かさず学習する
- 宅建士が簡単という周りの声に惑わされずコツコツ学習を積み重ねる
「宅建士試験は簡単という声に騙されるな!私が3回落ちて気づいたこと」
宅建士の試験は簡単ではないと言い切るのは、宅建士試験に4回目にして合格したMさんです。
Mさん「私は法律の知識がなかったので、民法の理解が大変でした。勉強の中心は往復1時間半の通勤時間でした。試験直前期は帰宅前に図書館や喫茶店に寄って勉強もしました。」
ミク「宅建士の勉強で特に苦労したのは何でしょう?」
Mさん「民法の詐欺と錯誤、無効と取り消しの区別が何度勉強しても難しく、試験当日まで勉強してました。一方、出題数が少ない分野は過去問の範囲だけに止めました。」
ミク「なるほど、では、宅建士試験の本当の難易度を一言でいうと何でしょう」
Mさん「宅建士試験は難関試験ということです!合格率も15~19%と低いですし、法律の理解力も求められます。1年にわたる勉強が必要なので挫折もしやすいです。私なんか4年近くかかりました。」
Mさん「簡単という人はこの試験を受けたことがない人ではないでしょうか?そうに違いありません。本当の難易度は実際に受けた人しか分かりません。簡単という声に惑わされず、目標に向かって突き進むことが重要です!」
ミク「受けたことがない人が否定してるんですね。他人の挑戦を軽んじることなく、リスペクトを持つことが大切ですね。」
まとめ
コツを知れば3~6ヶ月の勉強で宅建士試験に合格することは可能です。ただ、法律初学者は民法で苦戦する可能性があります。
宅建士が簡単と言われるのは、戦略的に学習できるからであって、何となくダラダラ勉強していればいつまで経っても合格はできません。
宅建試験が簡単といわれる理由
- 合格率が高い
- 過去問の繰り返しが多い
- 本当に勉強した人は合格しやすい
- 四肢択一のマークシート試験だから
- 独学で合格する人が多い
- 勉強時間が300時間と短いから
実は難しい理由
- 民法の権利関係の理解に時間がかかる
- 合格には7割以上必要だから
- 相対試験で上位15%に入らないと不合格だから
- 宅建業法は暗記が大変だから
- 勉強時間が300時間と長いから
宅建士試験に合格するためのコツ
- 過去問を中心にした学習
- 権利関係を初めに、宅建業法にも時間を割く
- 模試・予想問題集では40点以上を目指す
- 過去問10年分を3周する→弱点を洗い出し(合格者の8割が実践)