今回は、女性におすすめな資格「宅地建物取引士」についてお話させていただきます。
宅地建物取引士というと、通称「宅建士」と呼ばれて親しまれている資格ですが、この資格は毎年約20万人(2018年は21万人以上)の人が受験する人気の国家資格です。
宅地建物取引士の活躍の場の中心は、ブラックというか男性的な業界である不動産業界です。
ブラックなイメージがある不動産業界なので、マイナス的なイメージを持つ人もいますが、実は宅地建物取引士は女性におすすめの資格です。
特に不動産業界では、宅地建物取引士資格を持つ女性は就職・転職に有利です。
確かに不動産業界といえば、売上至上主義、男性社会のイメージは強く、数年前までは完全出来高制の企業も少なくありませんでした。
数年前からブラック企業がネットでたたかれたり、労働基準法が知られるようになってからは、不動産業界でも固定給の企業が増え、現在では完全出来高制はあまり見なくなりました。
こういった不動産業界の変化は、女性にとっても働きやすくなってきたといえます。
まだ受付や事務の女性に宅建士登録をさせている企業が多いですが、女性のソフトな接客は売れる営業の要件を備えてます。宅建士資格を持った女性は重宝されること間違いありません。
不動産業界における宅地建物取引士の現状
女性についての宅地建物取引士の現状ですが、まだまだ不動産業界では女性が少ないです。
不動産会社で女性が多いのは、売買よりも賃貸や管理をメインとしている会社です。
管理をメインとしている不動産会社であれば、女性に売上を求めることがあまりないことから女性に人気です。
賃貸や管理をメインとしている会社でも、資格があれば多少は重宝されます。といっても売買営業に比べたら限定的です。
売上が常に求められる売買の不動産業界は、女性からの人気が悪く、特に営業は人気がありません。
売買をメインとしている不動産会社では、受付や事務の女性が資格を保有していることが多いです。
不動産業界には、宅地建物取引士の設置義務があるので、事務の女性に資格を取得させて設置義務をクリアしているというわけです。
売買不動産の現場では、宅地建物取引士を持っていない営業は多いです。売買営業に求められるのは売上なので、資格はあったらいいくらいです。
ただ、宅建士の果たす役割は賃貸よりも売買の方が大きく、登録だけしてる宅建士より、全ての業務を一人で行える宅建士は貴重です。特に女性は。
宅地建物取引業者を営むには5人に1人の宅地建物取引士の設置義務がある
不動産会社には、事務所に5人に1人は宅地建物取引士を置かなければいけないという設置義務があります。
中小の不動産会社では、設置義務を満たすために宅地建物取引士の有資格者を募集することがよくあります。
宅地建物取引士の独占業務は重要事項説明ですが、事務の女性に重要事項説明まで行わせることはあまりありません。実務まで理解してる人が少ないからです。
本当に宅地建物取引士の資格を持つ人がいない新店舗などで、別の店舗にいる女性を急きょ連れてきて、その女性に重要事項説明を行わせたというケースはありますが、基本的にはありません。
事務の女性には重要事項説明までさせないことが多いですが、営業なら女性でも最後まで担当するので重要事項説明も行います。
知り合いの不動産業者に聞いたところ、受付や事務の女性の採用基準に宅地建物取引士の資格保有をあげています。
特に売上を重視している会社では、営業は資格よりも成績が大事ということが多く、そういった会社は社員も多かったりするので、宅地建物取引士の資格を持つ女性をよく募集しています。
以上のことから、宅地建物取引士の資格があれば女性の就職・転職にも有利です。
女性の売買営業は不足してる
常に人材募集をしているイメージの不動産業界ですが、特に女性の営業が不足しています。
男性と比べて女性の場合は、初対面であってもお客さんから支持を得やすく、相談しやすいといわれます。
売買業界の現場は女性が少ないのにもかかわらず、女性が売上トップの会社が多いです。
インテリアについてのきめ細やかなアドバイスであったり、男性では気づかない点に気づいたり、住宅ローンに関する悩みにも親身になって対応してくれるなど、お客さんにとっては接しやすいようです。
特に女性目線でのアドバイスは、男性には気づかないことも多いので、それだけで重宝されます。
さらに、宅地建物取引士の資格を持っていれば、全ての面でお客さんをサポートできますから、資格がある女性営業というだけで武器になります。
宅地建物取引士の知識は不動産業以外でも役に立つ
宅地建物取引士の試験では、民法や宅建業法といった法律を学びますが、これらの法律は普段の生活でも役立つ知識です。
民法は、普段の生活に関わる法律ですが、宅地建物取引士の勉強をして初めて民法を知ったという人も多いです。
また、不動産には賃貸又は売買のいずれであっても関わることになるので、不動産取引のルールである宅建業法を学んでおいて損はありません。
たとえ不動産業界でなくても、宅地建物取引士の資格が活きるシーンは数多くあります。
会社によっては資格手当が出たり、民法の基礎があるということで法務部門に配属することもあります。
難しい資格を取得したことは自分自身の自信につながりますし、より難しい法律の資格を目指すときは学んだことが活きます。
宅地建物取引士の試験概要
試験実施日 | 毎年10月第3日曜日 |
受験資格 | なし |
試験方式 | 四肢択一のマークシート方式 |
試験内容
・民法14問
・宅建業法20問
・法令上の制限8問
・その他の関連知識8問
合格率および合格基準
合格率 15%~18%
合格基準 合格率が15~18%になるように31点~38点で調整
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宅地建物取引士になるまでのスケジュール
宅地建物取引士になるには、まず、試験に合格しなければなりません。
宅建士の試験は、合格率15%程度と7人に1人しか受からないことを考えれば、そう簡単ではありません。
資格予備校によれば、宅建士に合格するまでに必要な勉強時間は約300時間だそうです。
1日1時間勉強しても1年近くかかります。
休日をうまく活用すれば半年で合格は可能ですが、仕事やプライベートによってなかなか勉強ができないこともあることでしょう。
試験直前は勉強を優先するくらいでないと合格は難しいです。
宅建士試験に合格するためには、分かりやすいテキストと過去問題集が重要です。
独学の場合の勉強方法としては、テキストを読んで問題集を繰り返し、再びテキストに戻って問題集を繰り返すといったやり方で大丈夫です。
試験前は、何度も間違えた箇所を復習するといいでしょう。
10年分の過去問を全部解けるようになれば合格できます。
合格発表は、11月26日(2024年)です。
無事に試験に合格した後は、2年以上の実務経験があれば登録できます。
もし2年以上の実務経験がないのであれば、実務講習を受講することで実務経験2年と同等とみなされます。
受講後、実務講習修了証を持参して宅建士の登録ができます。
登録した後、宅建士の交付申請をして宅地建物取引士証を交付してもらいます。
この際、合格してから1年を経過している場合は、法定講習が必要となります。
宅建士証の交付を受けて初めて重要事項説明が行えます。
宅地建物取引士証の更新
ちなみに宅建士証は、5年ごとの更新が必要です。
宅建士の法定講習は、ほとんど毎月行われています。
神奈川県は更新費用が16,500円かかるようです。
ちょっと高いですが、5年なので他の士業とかに比べたら安いです。
宅地建物取引士法定講習で必要なもの
・顔写真4枚(カラー・たて3cm×よこ2.4cm)
・今までの宅地建物取引士証(新規は登録通知はがき・身分証明書)
・認印
・宅地建物取引士証交付申請書
・更新費用16,500円(申請手数料4,500円、受講料12,000円)
法定講習の講習会場は、宅建協会か全日不動産協会かで違いますが、どちらで受講しても問題ありません。
ここでは全日不動産協会の会場を紹介します。
神奈川県の全日不動産協会の講習会場
場所:全日不動産協会 神奈川県本部研修室
所在:横浜市西区北幸1-11-15 STビル6F
受付:9時20分から
講習:9時50分から16時30分