住宅ローンで総返済額を節約できる借り換えと繰り上げ返済

投稿日:2023年7月20日 更新日:

 

ライフプランは、社会に出てから結婚や出産、どこに住むかや趣味、マイホームの購入から子供の進学、何歳で定年するかといった人生設計をいいます。

結婚、出産、住宅取得といったライフイベントでは大きな金額を必要とし、中でも住宅ローンは金額も大きいです。

住宅ローンの返済は毎月決まった固定費なので、リタイアメントプランも含めライフプランに影響を与えます。

 

住宅ローンの見直しは、住宅を購入した人にとって関心が大きい分野です。

今回は毎月の住宅ローン返済額を抑える方法についてまとめました。

住宅ローンの総返済額を抑えられる借り換えと繰り上げ返済

毎月の住宅ローンの返済を抑える方法には、「住宅ローンの借り換え」と「繰り上げ返済」の二つがあります。

 

借り換えと繰り上げ返済のどちらもローンの総返済額を節約する方法です。

どちらがより効果があるかは、最初に借り入れた時の金利と現在の金利の状況によって変わります。

どちらがより有利かは総返済額を比較して検討する必要がありますが、過去と今の金利次第でどちらにも効果が期待できます。

 

住宅ローンの借り換え

住宅ローンの借り換えとは、A銀行で借りて返済している住宅ローンをB銀行で借りて返済し、今後はB銀行で借りたローンを返済していくというものです。

この結果、A銀行の住宅ローンは完済し終わり、B銀行の住宅ローンが残ることになります。

なぜこんな面倒なことをするかというと、A銀行の住宅ローン金利とB銀行の住宅ローン金利が異なるからです。

 

例えば、3000万円を1.5%で35年間借りると、毎月の返済額は約9.2万円です。

これを10年後に0.8%で借り換えたとすると、毎月の返済額は約8.5万円に減ります。

借り換えには手数料がかかり、手数料がいくらになるかは金融機関に寄りますが、ローンの返済額だけで200万円以上有利になるので手数料を控除してもメリットはあるはずです。

 

金融支援機構の調査では、住宅ローンの完済期間は平均16年となってますが、これは借り換えも踏まえたものです。

この数値から繰り上げ返済だけでなく、借り換えを活用している人も多いことが窺えます。

 

ちなみに借り換えでメリットがあるかどうかよくいわれる基準があります。

借り換えするかの目安

・住宅ローンの残りが1000万円以上ある。

・住宅ローンの残り期間が10年以上ある。

・今の金利と借り換え後の金利が1%以上ある。

 

借り換えをする目的として、他には多少損しても金利を固定したい(固定金利に借り換える)とか、最近の保障は厚いので団信を今のものにするといった理由もあります。

 

住宅ローンの繰り上げ返済

一方、繰り上げ返済は、毎月の返済とは別に用意したお金を使ってローンを返済することです。

 

繰り上げ返済には、2種類あるといわれており、それぞれ期間短縮型と返済額軽減型といいます。

期間短縮型は、住宅ローンの返済期間を短縮する繰り上げ返済です。

返済額軽減型は、住宅ローンの返済期間は今まで通りですが、月のローン返済額が少なくなる繰り上げ返済です。

繰り上げ返済の効果は期間短縮型の方が大きく、繰り上げ返済をする余裕がある人が返済額軽減型を選ぶことは少ないので、ここからは期間短縮型をもとに進めていきます。

 

繰り上げ返済の効果としては、100万円を繰り上げ返済すれば、その100万円部分について今後発生する金利について払わなくて済むということです。

例えば、3000万円を1.5%の金利で借りると、10年後は2300万円のローンが残っています。

そのうちの100万円は残り25年で約20万円の利息を支払うことになります。つまり100万円を繰り上げて返済することで20万円の利息を支払わなくて済むことになります。

今は少額から繰り上げ返済できる機関もあるので、積極的に繰り上げ返済している人は多いです。

35年間のローンを組んでも繰り上げ返済で35年を待たず完済してしまう人は多いということです。

 

借り換えと繰り上げ返済のどちらが有利かは総額で見る

毎月の返済額が少なくなっても費用がそれを上回っては損することになります。

住宅ローンには保証料や事務手数料、登記費用に印紙税といった諸費用がかかるので、現在のままがいいのか、借り換えがいいのか、それとも繰り上げ返済がいいのかは諸費用も含めた総返済額で見る必要があります。

 

また、借り換えの場合に固定金利から変動金利にすると金利上昇リスクも考えられます。

それと、子供がまだ小さい場合は、これから教育資金がかかりますが、繰り上げ返済ばかりやって資金がなくなり進学の機会を摘んでしまうのもかわいそうです。私は建設現場で働きながら大学に通いましたが、体力的にも精神的にもきつい記憶しかありません。

 

いずれの選択がどれだけリスクを許容できるかは慎重に判断する必要があります。

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