未来のお金の不安に備える。早めの対策で将来を安心に

年金の併給はできる?一人一年金の原則と例外ケースを解説

年金の併給はできる?一人一年金の原則と例外ケースを解説

国民年金や厚生年金といった公的年金制度では、どのような場合に支給されるかが法律で決められてます。

老齢年金はよく知られていますが、公的年金は老齢だけでなく障害・死亡を原因とする年金もあります。

人によっては、自分の障害年金の受給権がありながら、親の死亡で遺族基礎年金の受給権も持っているケースがあります。

このように複数の年金の受給権がある場合に、全ての年金を受け取れるかという問題があります。

 

この記事では、一人一年金の原則と、例外的に併給できるケースを解説します。

 

この記事で分かること

  • 一人一年金の原則とは
  • 国民年金(1階)と厚生年金(2階)の関係
  • 複数の年金受給権がある場合の選択の仕組み
  • 65歳以上で併給できるパターン
  • 遺族厚生年金の計算例

 

目次[閉じる]

一人一年金の原則とは?

年金制度では、一人一年金の原則というものがあります。

年金には、国民年金と厚生年金とがありますが、1人が選択して受け取ることができる公的年金は、1つだけというのが一人一年金の決まりです。

しかし、実際には多くの年金受給者が国民年金と厚生年金を受け取っています。これには理由があります。

 

国民年金は1階、厚生年金は2階の意味とは

国民年金は原則として全ての国民が対象で、厚生年金は会社員が対象の公的年金とされています。

よくある誤解としてあるのが、「厚生年金に加入していると国民年金の被保険者ではない」というものです。しかし、国民年金はすべての国民が対象なので、厚生年金に加入している人であっても国民年金の被保険者になります。 厚生年金に加入している人は、必然的に国民年金にも加入しているということです。

年金 対象者 給付の種類
国民年金(1階部分) 全ての国民 老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金
厚生年金(2階部分) 会社員・公務員等 老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金

 

国民年金が1階部分といわれるのは、全ての国民が対象となっているからで、厚生年金が2階部分といわれるのは加入している人だけが年金の上積みがあるからです。

つまり、国民年金にしか加入してなければ国民年金のみの被保険者ですが、厚生年金に加入している人は、国民年金と厚生年金の両方の被保険者になります。

 

自営業者と会社員の年金の差

20歳から60歳まで自営業の方と会社員の方では、老齢年金の受取額に差があります。

 

自営業者:国民年金のみ加入のため、老齢基礎年金のみ受取

  • 2025年度の老齢基礎年金満額:約83万円/年(月約69,308円)

 

会社員:国民年金に加えて厚生年金があるため、老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされる

 

このように自営業者と会社員では年金受取額に大きな差が生じます。

 

関連記事

 

複数年金の受給権がある場合は選択

年金制度では、一人一年金の原則によって、老齢、障害、遺族といった支給事由の異なる年金は同時に受け取ることができません。

したがって、障害基礎年金のほかに遺族基礎年金の受給権が生じた場合はどちらかを選択することになります。

 

しかし、実際には多くの年金受給者が国民年金と厚生年金を受給しています。

実は一人一年金の原則は、支給事由の異なる年金を受け取れないのであって、支給事由が同じであれば同時に受け取ることができる場合があります。

支給事由 同時受給できる組み合わせ
老齢 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金
障害 障害基礎年金 + 障害厚生年金
死亡 遺族基礎年金 + 遺族厚生年金

 

複数の年金が受けられる場合(併給)

社会保障

複数の年金を受け取る場合を併給といいますが、65歳以上の場合に併給することが可能となる場合があります。

 

65歳以上で併給できる主なパターン

  • 老齢基礎年金 + 遺族厚生年金
  • 障害基礎年金 + 遺族厚生年金
  • 障害基礎年金 + 老齢厚生年金

 

65歳以降の妻は、自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金とが併給可能となります。ただし、自分の老齢厚生年金が優先され、遺族厚生年金よりも少ない場合に差額が支給される仕組みがとられています。

 

遺族厚生年金は老齢厚生年金の3/4

遺族厚生年金は、夫が受け取っていた老齢厚生年金の3/4になります。

 

計算例

分かりやすく例を挙げてみましょう。

  • 夫の老齢厚生年金 → 100万円
  • 妻の老齢厚生年金 → 25万円・老齢基礎年金 → 75万円

 

夫が死亡すると、遺族厚生年金は夫の老齢厚生年金の3/4 = 75万円が支給対象となります。

妻にはすでに老齢厚生年金25万円があるため、妻自身の年金が優先されます。

給付の種類 金額
老齢基礎年金 75万円
老齢厚生年金 25万円
遺族厚生年金(差額分:75万円-25万円) 50万円
合計 150万円

 

さらに妻が65歳以上だと

妻が65歳以上だと、遺族厚生年金の計算はさらに複雑になります。

遺族厚生年金の2/3と妻の老齢厚生年金の1/2を足した額と比較して多いほうが給付されます。

 

以下のA・Bを比較して、多い方が支給されます。

  • A:遺族厚生年金(夫の老齢厚生年金の3/4)
  • B:遺族厚生年金(夫の老齢厚生年金の2/3)+ 妻の老齢厚生年金の1/2

上記の計算例ではAの方が大きいため、上記の計算例の結果(150万円)が適用されます。

なお、妻の老齢厚生年金が遺族厚生年金より多い場合は、遺族厚生年金は支給されません

 

1人1年金の原則についてのまとめ

一人一年金の原則のポイント

ポイント 内容
原則 支給事由が異なる年金は1つのみ選択
例外① 支給事由が同じなら国民年金・厚生年金は同時受給可
例外② 65歳以上は一部の組み合わせで併給できる場合あり

 

  • 遺族厚生年金は夫の老齢厚生年金の3/4
  • 妻が65歳以上の遺族厚生年金は計算が複雑なため、年金事務所への相談を推奨

 

公的年金は国民にとって非常に重要なのに、あえて分かりにくくしてるのと思うほど複雑です。

年金の受取額や組み合わせは、個人の状況によって大きく異なることがあるので、詳細は年金事務所またはFPにご相談ください。

 

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の年金額の保証ではありません。年金制度は変更される場合があります。

本記事執筆時点(2026年5月)の情報です。詳細は年金事務所または日本年金機構にご確認ください。

 

 

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

コメント Comments

コメント一覧

コメントはありません。

コメントする

トラックバックURL

https://yokohama-lifeplan.com/money/1-person-1-pension-principle/trackback/

関連記事 Relation Entry