定年後の生活費にかかるお金はどうなる?人生100年時代に備えるお金の話

ライフプラン

現在、現役で働いてる世代にはまだ老後がイメージしづらいかもしれませんが、40代・50代のうちに定年後にかかるお金について知っておけば対策可能です。

かつては60歳で定年を迎え、残りの人生を年金だけで生活していけると信じる人がいましたが、今は老後2,000万円問題として年金だけでは生活できないという認識が広まりました。

年金だけでは生活できず、70代でも働き続けなければ生活できない人が増えています。

少し前にバスで通勤する90代の人がニュースになりましたが、皆が皆働き続けられるとは限りません。

 

定年後は確定申告を自分で行わなければいけませんが、そのことを知らない人もかなり多いです。

老後にかかるお金について、何も知らなければ対応のしようがありませんが、少しずつ不安を明確にしていくことで現実的な対応策を考えることが可能になります。

なぜ定年後のお金の話が重要なのか

●長寿社会における老後の不安

厚生労働省の簡易生命表によると、2023年の日本人の平均寿命は男性で81.09歳、女性で87.14歳です。

60歳で定年を迎えたとすると、多くの人は残り20年以上の人生があることになります。また、老齢年金は65歳からなので、継続雇用やパートなどで再就職しなければ、無収入期間があることになります。

  • 60歳で定年 → 残り人生20年以上
  • 継続雇用で65、70歳まで働いたとしても、年金だけに頼るのはリスク

 

●公的年金だけでは足りない可能性

厚生労働省が公表している年金のモデル世帯では、夫婦の年金は月22万円といわれ、この金額は比較的恵まれた世帯の数値です。厚生年金は報酬によって比例するので、年収が平均値なら受け取る年金はもっと少額になり、自営業世帯なら半分以下の年金になる可能性もあります。

 

夫婦で毎月10万円、15万円の年金で生活できますか?

おそらく無理という人が大半ではないでしょうか。日本の年金保険料は他の先進国と比較するとそこまで高くはありませんが、受け取れる年金は他国と比べるとかなり劣ります。原因としては高い高齢化率と少子化があります。厚労省が保険料を使いこんだり、データを捏造していたことも過去にありましたが、ここでは触れないことにします。

できる老後対策は、働き続けることと老後資金を準備することです。

 

定年後の生活の対応策

  • 働き続ける
  • 働き続ける → 限度がある
  • 老後資金を準備する
  • 貯金と保険で積み立てる→あまり増えない
  • 積立投資 → 早く始めると無理がない
  • 知っておくと有利 → 社会保険制度(知らないと使えないことも)
  • 老後資金がある → 趣味や旅行も楽しめる

 

定年後にかかる主な費用

  • 食費・外食費
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 洋服・靴など
  • 住居費(家賃・修繕・管理費・固定資産税など)
  • 家具・家電・家事用品
  • 医療・介護費
  • 趣味・旅行・交際費
  • 子や孫への援助
  • その他

 

定年後と現役時代とで変わる生活費は、教育費と子供の食費・洋服、住宅ローンといったところです。賃貸の場合は家賃が生涯かかります。

一方で年齢を重ねるとともに増えるのが医療費・介護費です。

定年後の生活費

  • なくなるもの → 子供関連の費用(教育費・食費・洋服など)、住宅ローン(定年までに完済)
  • 増えるもの →医療費・介護費

 

また、長年会社員だった人の中には確定申告をしたことがないという人がいますが、定年後は自分で収入を申告しなければなりません。社会保険料も国保になれば、扶養がなくなります。

  • 定年しても税金がかかる(所得税・自動車税・固定資産税・消費税・相続税など)
  • 退職金→所得税(退職所得)
  • 国民年金・厚生年金→所得税(雑所得)
  • 国保→扶養という概念がない→専業主婦も保険料がかかる→結構高い
  • 年齢とともに医療費が増える

 

年金でどれだけ賄えるか

公的年金には、すべての国民が加入する国民年金と、会社員などが加入する厚生年金とがあります。

被保険者としての加入期間や報酬によって年金額が一人一人違うのも年金制度を分かりにくくしています。

自分自身の年金がいくらかは、ねんきん定期便やねんきんネットで調べるとして、ここでは平均の支給額を取り上げます。

厚生労働省年金局が公表しているデータによれば、男性の老齢基礎年金は59,965円、女性は55,777円です。老齢厚生年金も含めた場合の平均は、男性は166,606円、女性は107,200円です。

 

国民年金はすべての国民が対象ですが、厚生年金は会社員・公務員の上乗せ年金です。

そのため、自営業者と会社員とでは年金に差があります。また、共働き世帯かどうかでも違います。

現在自営業者でも過去に会社員として働いていたのであれば、その期間に応じた厚生年金を受け取れますが、会社員として働いたことがなければ国民年金だけなので、20歳から60歳まで保険料を納めたとしても、831,700円(令和7年)が上限です。

これでは老後の生活は無理ですよね?やはり公的年金は定年後の生活の基盤となるので、確認しておくことが大事です。

  • 公的年金 →老後のライフプランに関わる重要なこと
  • ねんきん定期便 → 年金額の目安が分かる →対策を立てられる
  • 50歳以上のねんきん定期便 → このまま働いた場合の年金額(将来の予測)
  • 50歳未満のねんきん定期便 → 今まで働いた分の年金額(今後働き続ければ増える)

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老後資金はどれくらい必要?

毎月30万円が生活費にかかるとすれば、65歳から90歳までに1億円近くのお金が必要です。多くの人は年金があるので、1億円から年金を控除しても3,000万円以上が必要になります。ゆとりある生活をしたければもっと必要です。

それほど派手な生活をせず、一戸建ての持家があるなら、もっと安い生活費で収まるかもしれません。

 

毎月22万円の年金を受け取れる夫婦が定年後30年生きるために必要な老後資金

1億円ー(22万円×12カ月×30年)=2,080万円

病気やインフレ、その他予測しがたい特別な費用に備えるとしたら、プラス1,000万円以上は必要かもしれません。

  • 老後2,000万円 → 今は4,000万円(インフレ対策)
  • 老後資金はライフスタイル別によっても異なる

いずれにしてもこの金額を用意するには、長い期間をかけて準備する必要があります。

 

足りない老後資金をどう備える?

ライフスタイル

老後資金は人生の三大支出の一つに数えられるくらい高額なので、準備するには長い期間をかける必要があります。

日本は過去30年はデフレだったので、預金や生命保険でもそれほど問題はありませんでした。

しかし、インフレ時代は預金や生命保険では思ったより増えないどころか、資産が目減りするリスクがあります。資産の目減りについては押さえておくとよいでしょう。

老後資金を準備する方法

  • 積立投資(NISA、iDeCoも活用)
  • 退職金の活用
  • 不動産収入や副業
  • 支出を減らす工夫(特に固定費)

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まとめ

・定年しても人生は20年以上ある

・定年後に年金だけで生活するのは厳しい

・対策は「働き続ける」か「老後資金を準備する」か

・定年後は自分で確定申告する(年金収入だけの人であっても)

・定年後は医療費が増えやすい

・老後資金2,000万円を満額準備できなくても早く始めれば近ずける→後で楽になる

・老後対策(積立投資など)は早くやるほど効果大

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