中立のようで中立でない?保険乗合代理店がなぜ問題視されたのか?

保険

複数の保険商品を扱っている乗合保険代理店が人気です。

昔は知り合いの保険外務員・募集人に相談すると、その人が所属する保険会社の商品を紹介されるのが普通でした。

それが1996年に複数の保険商品を扱えるようになり、乗合保険代理店が急速に売り上げを伸ばしました。

複数の保険の中からお客様に最適の商品を紹介する……、一見するとベストな相談先に思えますが、実際はベストとは程遠いようです。

 

そもそも、乗合保険代理店は本当に公平、かつ中立なのでしょうか?

 

乗合保険代理店とは?

生命保険

乗合保険代理店とは、複数の保険会社の商品を取り扱う保険代理店です。

一方で1社の保険のみ扱う代理店は専属代理店といわれます。

私は最初に専属代理店で、次に乗合保険代理店に所属しました。

 

よく言われる乗合保険代理店のメリットには、以下のものがあります。

  • 複数の会社の保険から選べる
  • お客様に最適の商品を紹介する
  • 良い保険に加入できる

 

なぜ世間から公平・中立と思われてるのか?

・複数の商品を提示できるので、お客様は保険の比較ができる

・お客様ファーストの提案ができそう(顧客中心・顧客本位)

・保険相談無料とうたっている → ガツガツ営業されない(営業色が薄そう)

……こういった印象を持たれることが多いですが、実際に公平・中立とは限らないのが実情です。

 

これだけ見るとなぜ乗合保険代理店が問題視されてるのか疑問のように思えます。

 

乗合保険代理店のビジネスモデルとは?

事務作業

保険外務員や保険代理店は、保険会社の保険を売ることで、その保険会社から販売手数料を受け取ります。

同じ会社であっても、例えば終身保険と学資保険とでは販売手数料の報酬率は異なります。

つまり、どの保険を売るかで収益・担当者の売上が違うということです。

 

  • 乗合保険代理店は、どの保険を売ったかによって販売手数料を得ている
  • 保険商品によって報酬率が違う →報酬率が高い商品を売る →報酬が多い
  • 学資保険 →外務員や代理店は儲からない
  • 終身保険・定期保険・医療保険 →儲かる

 

乗合保険代理店

  • お客様に保険売る →保険会社から報酬を得る
  • → 儲かる商品しか紹介しない

 

乗合保険代理店の実際

乗合代理店が30以上の保険を扱えたとしても、実際は2,3の保険を紹介して、お客様はどちらかから選ぶことになります。

乗合代理店が保険会社の代理店契約を続けるには、最低限のノルマが普通はあります。また、保険会社からの販売インセンティブがある場合もあります。

代理店内部でも販売実績評価があるので、そうなると売りやすい・報酬が高い保険を優先して紹介しするようになります。

 

乗合保険代理店

  • ノルマを達成する必要がある
  • 販売インセンティブ目的で売ることも
  • 保険募集人 →報酬が高い保険を勧める

 

  • 理想 → お客様一人一人に最適の保険
  • 現実 → 代理店が儲かる保険を選ばされている

 

こういった結果により、中立なふりをした保険の提案になっている可能性があります。

金融庁が保険代理店に立入検査

2024年には、金融庁が、中古車販売大手のガリバーやネクステージ、FPパートナー(マネードクター)などの複数の乗合代理店に立入検査を実施しています。

一部の代理店で、別法人への支払手数料スキームを用いて不正に手数料を支払っていたことも話題になりました。

 

  • 不祥事相次ぐ → 改善命令・行政処分 → 乗合代理店への信頼低下
  • →廃業する乗合代理店も

 

消費者ができる対策

社会人が加入する社会保険

保険の専門家と一般消費者とでは、保険知識に大きな差があります。

乗合代理店は便利かもしれませんが、全てを鵜吞みにせず、自分でも判断することが大事です。

 

  • 「なぜ、その保険商品をすすめるのか?」理由を聞く
  • 他社商品との比較がない→最適な保険ではない可能性
  • パンフレットを持ち帰って検討する
  • 他の会社の窓口やネットと比較する
  • 口コミを参考にする
  • 保険を扱ってないFPや第三者のFPに相談する

誰の利益になるのかを立ち止まって考えることも必要かもしれません。

 

まとめ

相談者が注意すべきポイント

・乗合保険代理店 = 選択肢が多い = 中立とは限らない

・慌てて決めず、パンフレットを持ち帰って検討する

・自分に合っているか確認する

・他の人・FPの意見を参考にする

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