教育費が準備できないときは奨学金や教育ローンの検討を

30年前の平均賃金は465万円でしたが、30年経った今はむしろ下がってます。

一方で、社会保険料の負担は倍になり、消費税は3%から10%、こんな感じで国民負担率は右肩上がりです。

30年で日本を除く先進国の平均賃金は3割~5割増えているのに、日本だけが約1割のマイナスです。日本は30年賃金が上がらないにもかかわらず、政府は増税と保険料増額ばかりしてるからです。

政府の収入は右肩上がりで増えてるのに、国民の手取りは下がる一方なので、子供にかけられる教育費も減少してます。

手取りが下がってるので、教育資金が前もって分かっていても、教育費を十分に準備できる家庭は減っています。

教育資金が目標額に達しないときは、奨学金や教育ローンの利用を検討することになります。

教育ローンと奨学金の違い

教育ローンと奨学金の違いとしてまず挙げられるのが、教育ローンは親が借りるもので、奨学金は子供が借りるものという点です。

借金の契約者が親か子供かの違いはありますが、どちらも卒業したら返済していくことになります。

 

教育ローンと奨学金のどちらを使うかは一般的に奨学金を優先するのが有利といわれてます。

まずは奨学金の給付型を探し、だめなら貸与型を検討します。

どちらの奨学金も借りられない場合は、公的な教育ローンを検討し、それでもだめなら民間の教育ローンを利用します。

奨学金には給付型と貸与型がある

奨学金には、返済不要の給付型の奨学金と、貸与型の奨学金とがあります。

2020年4月から授業料・入学金の減免+給付奨学金がスタートしています。

この制度の開始により対象者が拡大し、学生の意欲が重視されるようになりました。

 

貸与型の奨学金には、第一種奨学金と第二種奨学金があります。

第一種奨学金は無利子の貸与であり、一定の基準をクリアする必要があります。

第二種奨学金は、年利3%を上限とする奨学金ですが、在学中は無利息です。

第一種奨学金は成績の良い学生や経済的理由で著しく修学が難しい学生に貸与されるので、条件が厳しくなってます。

一方、第二種奨学金は、第一種奨学金よりも緩い基準になってます。

 

また、地方独自の奨学金や大学独自で行っている奨学金もあり、地方自治体の奨学金は本人が住んでたり、親が住んでること等の条件を満たす必要があります。

教育ローンには公的なものと民間のものがある

教育ローンには、日本政策金融公庫が扱う教育一般貸付といわれる公的な教育ローンと、銀行やJAなどが取り扱う民間の教育ローンとがあります。

教育一般貸付は、子供一人につき350万円まで借りられる制度です(海外留学等の一定の場合は450万円)。

ただし、親の所得制限があるので、利用できないことがあります。

返済利率は年2.40%(2024年10月)、返済期間は18年以内の設定で、連帯保証人が必要です。連帯保証人の代わりに保証機関を利用することもできます。

 

公的な教育ローンを利用できないときは、民間の教育ローンを検討します。

民間の教育ローンは、銀行やJA、ろうきんなどで取り扱いがあります。

借り入れ条件についてはそれぞれ異なるので、どこを利用するか比較することも重要です。

繰上げ返済ができる

比較的低金利といっても第二種奨学金と教育ローンは借金です。

繰上げ返済をすることで利子負担を減らすことができます。

繰上げ返済とは、返済しているローンの元金部分の一部または全部を返済することで、返済期間の短縮や総返済額の軽減を図ることです。

元金の一部を返済することを一部繰り上げ返済、残額を全て返済することを全部繰り上げ返済といいます。

繰上げ返済をする場合は、それをすることでどれだけ効果があるか知っておくことも大事です。繰り上げ返済をするということは、それだけ手元の資金が減るからです。

まとめ

・必要な教育費を準備できないときは、奨学金や教育ローンを検討する。

・奨学金や教育ローンを利用する条件として一定以下の収入というものがある。

・奨学金には給付型と貸与型があり、貸与型には第一種奨学金と第二種奨学金とがある。

・第一種奨学金は無利息、第二種奨学金は上限3%の利子がかかる(在学中は無利子)。

・教育ローンには、国(日本政策金融公庫)の教育ローンと民間の教育ローンとがある。

・教育ローンを利用する場合は条件を比較検討する。