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子どもが生まれたら始める教育資金の準備|奨学金・教育ローンと積立方法を1級FPが解説

子どもが生まれたら始める教育資金の準備|奨学金・教育ローンと積立方法を1級FPが解説

今は大学進学率は50%を超え、大学進学は特別なことではなくなりました。

ところが、教育資金は三大資金(教育・住宅・老後)の一つとされるほど高額になりやすく、準備が追いつかないまま奨学金や教育ローンに頼ることになるケースも少なくありません。奨学金を利用しながら自分自身の奨学金も返済しているという、いわゆる「奨学金の連鎖」も社会問題として取り上げられています。

奨学金を利用して学校に通っている学生は今や50%を超えているといわれ、もはや奨学金は身近な存在になっています。

また、教育ローンを利用する家庭も多く、ローンが後々生活に重くのしかかってくる可能性も指摘されています。

 

子どもが生まれたばかりの段階から少しずつ準備しておくことで、進学の選択肢が広がります。

この記事では、奨学金と教育ローンの違い、教育費の目安、積立方法について整理して解説します。

 

この記事で分かること

  • 奨学金と教育ローンの違い(誰が債務者か)
  • 給付型・貸与型奨学金の特徴
  • 幼稚園〜大学までの費用の目安(令和5年度・文科省調査)
  • 教育資金の積立方法(学資保険・新NISA・定期預金)

 

目次[閉じる]

奨学金と教育ローンの違い

奨学金と教育ローンはどちらも借入金ですが、内容的には違いがあります。

まず、奨学金と教育ローンでは、債務者(借り手)に子供がなるのか親がなるかの違いがあります。

奨学金は子供が債務者となり、教育ローンでは親が債務者になります。

  • 奨学金 →子供が借金
  • 教育ローン →親が借金

 

奨学金|子どもが債務者

奨学金は、子供が債務者となるので、子供は社会人になってから返済していくことになります。若い夫婦の中には、子供の教育費を支払いながら、自分の奨学金を返済している人もいます。  

奨学金の利用には、親の年収が一定以下である必要があります。

  • 保護者の年収要件あり(一定以下であること)
  • 利率は教育ローンより低いのが一般的
  • 卒業後に子ども自身が返済

 

教育ローン|親が債務者

教育ローンの場合は、親が債務者(借りる人)になります。親が債務者になるので、親がその借金を返済していくことになります。

教育ローンは、奨学金とは反対に親の年収が一定以上といった条件を満たす必要がありますが、金融公庫等では年収が低い場合は金利が優遇されることもあります。

  • 保護者の年収要件あり(一定以上であること)
  • 国の教育ローン(日本政策金融公庫)では年収が低い場合に金利優遇あり
  • 利率は奨学金よりやや高いのが一般的

 

両者を組み合わせることも

どちらか一方だけを利用せず、併用して家族が助け合いながら返済している家庭も見受けられます。

最近問題になってるのは、奨学金が返済できずに自己破産したり、貧困生活から抜け出せなくなったりするケースが増えていることです。奨学金という名前ですが、実態はローンということを認識して利用すべきです(貸与型)。

 

貸与型の奨学金は「奨学金」という名称ですが、実態は借入金(ローン)です。将来の返済負担を十分に理解した上で利用判断をすることが大切です。

給付型奨学金と貸与型奨学金

奨学金には給付型と貸与型の2種類があります。

 

給付型奨学金

給付型は返済不要の奨学金です。

日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金は、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生を対象に支給されています。

2020年度から「高等教育の修学支援新制度」が開始され、給付型奨学金と授業料減免が組み合わされた制度として拡充されてきました。

2024年度からは多子世帯(子ども3人以上)等への拡大も進んでいます。

 

貸与型奨学金

将来返済が必要な奨学金です。

実は多くの学生が利用しているのがこのタイプです。

  • 第一種奨学金:無利子(成績・家計要件あり)
  • 第二種奨学金:利子付き(要件は第一種より緩やか)

貸与型は、卒業後に社会人として返済していきます。借りる金額・期間によっては、社会人になってからも10〜20年にわたる返済になることもあります。

 

子供の教育資金はいくら必要?

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2024年12月公表)によれば、各学校種の1年間あたりの学習費の目安は以下のとおりです。

 

1年間あたりの学習費(令和5年度・文科省調査)

学校種 公立 私立
幼稚園 約18.5万円 約34.7万円
小学校 約33.6万円 約182.8万円
中学校 約54.2万円 約156.0万円
高等学校(全日制) 約59.8万円 約103.0万円

※学習費総額(学校教育費+学校給食費+学校外活動費)、塾・習い事等の費用を含む。

 

幼稚園〜高校卒業までの15年間合計

パターン 合計金額
すべて公立 約596万円
幼稚園のみ私立、以降公立 約647万円
幼・高が私立、小・中は公立 約776万円
すべて私立 約1,976万円

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2024年12月25日公表)

 

大学の費用(別途)

上記は高校卒業までの費用です。大学の費用は別途かかります。国立大学か私立大学か・文系か理系か・自宅通学か一人暮らしかによって大きく異なります。

大学卒業までを含めた教育費全体では、ケースにより800万円〜2,000万円以上の水準になることもあります。

 

奨学金の社会問題

奨学金免除のデモに参加していたある女の子の話ですが、その女の子は奨学金を借りた後にバイトをしていたのですが、体を壊してしまって大学を辞めなければならなくなり、結局借金だけが残ったそうです。

日本で奨学金というとほぼ貸与型を指しますが、これが海外だと日本と違って給付型も多いようで、3人に1人以上が給付型という国もあります。

日本でも給付型を増やした方がいいといった議論もされてますが、実現はまだ先になりそうです。

 

子供が生まれたら計画したい教育資金|早めの積立が重要な理由

教育資金は、住宅資金、老後資金と並んで三大資金といわれるほど必要金額が高額です。

教育資金は、最低でも1000万円以上、私立へ進学した場合は平均2000万円かかるともいわれています。最近は幼稚園や私立高校で無償化が計画されたりと、教育資金が低額傾向にありますが、それでも数百万はかかります。

こういった多くの資金を必要とするものは、事前にコツコツと準備していかなければ、とても貯められるものではありません。将来必ずかかる金銭であって期限もあらかじめ分かるものなので、子供が誕生したら早めに準備しておきたい資金です。

500万円を貯めるのにも、期間が18年と5年とでは毎月貯めなければいけない金額は大きく異なります。500万円を貯めるのに5年しかなければ毎月8.3万円を貯めなければいけませんので、場合によっては奨学金や教育ローンに頼ることになります。

これが18年だったら2.3万円ですので何とかなりそうですね。

 

教育資金の積立方法

教育資金の積立方法として、主に以下の3つが挙げられます。

学資保険

  • 積立機能と生命保険機能を組み合わせた保険商品
  • 親が亡くなった場合、以降の保険料が免除されながら満期金を受け取れる
  • 強制的に積み立てる仕組みとして機能しやすい
  • 利率が低めの商品が多い

 

新NISA(つみたて投資枠)

2024年から始まった新NISA制度のつみたて投資枠は、教育資金の積立にも活用できます。

  • 積立金額を設定して定期的に購入
  • 運用益が非課税
  • 元本割れのリスクあり

 

注意点としては、新NISAを教育資金の積立に使う場合、進学のタイミングで市場が下落していると元本を割り込む可能性があります。

使う時期が決まっている資金には、全額を投資で積み立てることは慎重に判断する必要があります。

使う5年程度前から定期預金等に移すなど、配分の見直しが考えられます。

 

定期預金・普通預金

  • リスクがなく元本が保証される
  • 現在の金利水準は低く、ほとんど増えない
  • 「安全に確実に貯める」という目的には合う

 

組み合わせる方法も

「全額を一つの方法で」ではなく、組み合わせる方法もあります。

例えば

  • 必ず使う金額(入学金等)は定期預金で確実に確保
  • 余裕のある部分は新NISAのつみたて投資枠で長期積立
  • 万が一に備えた保障が欲しい場合は学資保険も選択肢

どの組み合わせが合うかは、家庭の収入状況・リスク許容度・他の備え(住宅・老後)とのバランスによって異なります。

 

まとめ

教育資金の準備についての要点

 

奨学金と教育ローンの違い

  • 奨学金 → 子どもが債務者(卒業後に子どもが返済)
  • 教育ローン → 親が債務者(親が返済)

 

費用の目安(令和5年度・文科省調査)

  • 幼稚園〜高校まで全公立:約596万円
  • 幼稚園〜高校まで全私立:約1,976万円
  • 大学費用は別途(800万〜2,000万円以上が目安)

 

積立方法の特徴

方法 メリット 注意点
学資保険 強制積立・万が一の保障 利率は低め
新NISA(つみたて枠) 非課税・長期運用 元本割れのリスクあり
定期預金 元本保証・リスクなし 増えにくい

 

まず早く始めることが大切

教育資金は、子どもが生まれた時点から始めるのが理想です。積立期間が長ければ長いほど、毎月の負担を抑えながら準備できます。

奨学金や教育ローンは選択肢の一つですが、借入金であることを理解した上で判断することが重要です。子どもの教育費を一部でも準備できれば、進学の選択肢が広がります。

 

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免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・保険商品の利用を推奨・勧誘するものではありません。教育費データは文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2024年12月25日公表)を参照しています。

制度・費用は本記事執筆時点(2026年4月)のものです。投資には元本割れのリスクがあります。当事務所は投資助言業・代理業の登録を行っておりません。

 

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