※本記事は令和8年4月1日時点の法令にもとづいています。
土地や建物といった不動産を売却した場合は、売却価額に取得費や譲渡費用を控除した金額(譲渡所得)に税金がかかります。
不動産を売却した時は他の所得と区分して計算し、所有期間による税率をかけて税額が算出されます。
不動産の売却が自宅なら特例の適用もあります。
この記事から分かること
- 不動産を売却したときにかかる税金の種類(所得税・住民税・復興特別所得税)
- 所有期間5年を境に、長期譲渡所得と短期譲渡所得で税率がどう変わるか
- 課税譲渡所得金額の計算方法(取得費・譲渡費用・特別控除)
- マイホームを売ったときに使える主な特例(3,000万円特別控除・軽減税率・買換え特例)
- マイホームの売却で損失が出た場合の損益通算・繰越控除
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不動産を売却するとかかる税金の種類
「4年前に購入したマンションが値上がりしてたので、儲かったと思ったら税金でごっそり持ってかれて何だか損した気分」というのは、東京に住むMさんの話です。
ここ数年はマンション価格の上昇が続いており、値上がりを見込んで購入する人や、新築マンションを購入してすぐに売却する例も見られます。
不動産の売却益に対しては、想定より税負担が大きく感じられることも少なくありません。
不動産を売却したときにかかる税金には、主に次の3つがあります。
| 税金の種類 | 内容 |
| 所得税 | 個人の所得に課税される国税 |
| 住民税 | 所得に応じて課税される地方税 |
| 復興特別所得税 | 2037年まで、所得税額の2.1%が上乗せで課税される |
所得税
売却して利益が出たら、不動産も所得税の対象になるのが原則です。
所得税は個人に課税される税金です。
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10の所得があり、それぞれ計算式があります。
不動産所得は家賃収入等の不動産の賃貸で得られる所得をいい、不動産を売った時は譲渡所得です。
借地権であっても一定の場合は譲渡所得とみなされることがあります。
住民税
不動産を売却して利益があるときは住民税もかかります。
住民税は所有期間が長期の場合は5%、短期の場合は9%の税率です。
復興特別所得税
2037年まで所得税額の2.1%が復興特別所得税として課税されます。
不動産を売却したときも所得税とあわせて基準所得税額に復興特別所得税がかかります。
所有期間で税率が変わる【5年】

不動産は、売却した建物や土地の所有期間が1月1日において5年を超えるかどうかで適用される税率が異なります。
長期譲渡所得とは
売却した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合、長期譲渡所得に該当します。
たとえば、令和8年12月1日にマイホームを売却した場合、そのマイホームを取得したのが令和3年1月1日より前であれば、長期譲渡所得に該当します。
短期譲渡所得とは
売却した年の1月1日現在で所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得に該当します。
同じく令和8年12月1日にマイホームを売却した場合で、取得が令和3年1月1日以後であれば、短期譲渡所得に該当します。
譲渡所得の税率
| 所得税 | 住民税 | |
| 長期譲渡所得 | 15% | 5% |
| 短期譲渡所得 | 30% | 9% |
マイホームを売却した場合は、3,000万円特別控除や軽減税率の特例、買換え特例といった各種特例の対象になることがあります。
また、マイホームの売却で損失が出た場合は、損益通算や繰越控除が利用できる場合があります。
課税譲渡所得金額の計算
課税譲渡所得の計算は以下のようになります。
◎譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額=課税譲渡所得金額
取得費とは
取得費は、土地や建物の購入代金、仲介手数料等の不動産を手に入れるのにかかった合計金額のことです。
取得費の金額が譲渡価額の5%未満のときは、譲渡価額の5%相当額を取得費として計算できます(概算取得費)。
譲渡費用とは
譲渡費用は不動産を売却するときにかかった費用です。
仲介手数料や建物取り壊し費用、測量費、契約にかかった費用などです。
特別控除(3,000万円控除)
特別控除額は、マイホームを売った時の3000万円特別控除の特例などです。
マイホームを売ったときの特例

3,000万円特別控除の特例
一定の要件を満たせば、長期譲渡所得・短期譲渡所得のいずれの場合でも、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
控除後の金額に、所有期間に応じた税率をかけて税額を計算します。
軽減税率の特例
マイホームを売却した年の1月1日現在で所有期間が10年を超えている場合、軽減税率の特例の対象になります。
| 課税長期譲渡所得金額 | 所得税 | 住民税 |
| 6,000万円まで | 10% | 4% |
| 6,000万円を超える部分 | 15% | 5% |
買換え特例
一定の要件に該当する場合、買換え特例が利用できます。
マイホームを売却した年の前年から翌年までの3年間に買い替えをした場合、要件を満たせば譲渡益への課税を将来に繰り延べられる制度です。
ただし、買換え特例は3,000万円特別控除・軽減税率の特例と選択適用(いずれか一方のみ利用可能)となる点に注意が必要です。
マイホームを売って損失がある場合
マイホームを売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えており、譲渡損失が生じた場合は、次のいずれかの特例により、その譲渡損失をその年の他の所得と損益通算できます。
- 新たにマイホームに買い替える場合の特例
- 新たにマイホームに買い替えない場合の特例
その年に通算しきれなかった譲渡損失は、翌年以後3年内の各年分の所得から繰越控除できます。
今回のまとめ
☐ 不動産の譲渡益には所得税・住民税・復興特別所得税がかかる
☐ 課税譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
☐ 所有期間5年超か以下かで、長期譲渡所得・短期譲渡所得の税率が変わる
☐ マイホーム売却には3,000万円特別控除・軽減税率の特例・買換え特例がある(特別控除と買換え特例は選択適用)
☐ マイホームの売却損失は、要件を満たせば損益通算・繰越控除ができる
【免責事項】
本記事は令和8年4月1日時点の法令にもとづく一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断に代わるものではありません。税制は改正される場合があるため、実際の申告にあたっては国税庁の最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家にご相談ください。

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