家や土地を売ると税金がかかる?不動産売却時の税負担

不動産

※令和6年4月1日の法令の基づいています。

土地や建物といった不動産を売却した場合は、売却価額に取得費や譲渡費用を控除した金額(譲渡所得)に税金がかかります。

不動産を売却した時は他の所得と区分して計算し、所有期間による税率をかけて税額が算出されます。

不動産の売却が自宅なら特例の適用もあります。

売却にかかる税金

不動産を売却したときにかかる税金には、所得税、住民税、復興特別所得税といったものがあります。

 

●所得税

所得税は個人に課税される税金です。

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10の所得があり、それぞれ計算式があります。

不動産所得は家賃収入等の不動産の賃貸で得られる所得をいい、不動産を売った時は譲渡所得です。借地権であっても一定の場合は譲渡所得とみなされることがあります。

 

●住民税

不動産を売却して利益があるときは住民税もかかります。

住民税は所有期間が長期の場合は5%、短期の場合は9%の税率です。

 

●復興特別所得税

2037年まで所得税額の2.1%が復興特別所得税として課税されます。

不動産を売却したときも所得税とあわせて基準所得税額に復興特別所得税がかかります。

所有期間によって異なる税率

売却した建物や土地の所有期間が1月1日において5年を超えるかどうかで適用される税率が異なります。

建物や土地を売った年の1月1日現在で、所有期間が5年を超えると長期譲渡所得に該当し、5年以下の場合は短期譲渡所得に該当します。

長期譲渡所得の場合の所得税は15%、短期譲渡所得の場合の所得税は30%になります。

たとえば、令和6年12月1日にマイホームを売った場合は、マイホームを取得したのが令和1年1月1日よりも前であれば長期譲渡所得、令和1年1月1日以後であれば短期譲渡所得になります。

所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

 

ただし、マイホームを売った場合には、3000万円特別控除や軽減税率の特例、買換え特例といった特例があります。

また、マイホームを売って損失がある場合には損益通算や繰越控除ができます。

課税譲渡所得金額の計算

課税譲渡所得の計算は以下のようになります。

●譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額=課税譲渡所得金額

 

取得費は、土地や建物の購入代金、仲介手数料等の不動産を手に入れるのにかかった合計金額のことです。取得費の金額が譲渡価額の5%未満のときは、譲渡価額の5%相当額を取得費として計算できます。

譲渡費用は不動産を売却するときにかかった費用です。仲介手数料や建物取り壊し費用、測量費、契約にかかった費用などです。

特別控除額は、マイホームを売った時の3000万円特別控除の特例などです。3000万円特別控除の特例は一定の要件に該当すれば長期譲渡所得と短期譲渡所得のどちらでも控除されます。

 

課税譲渡所得金額に所有期間に応じた税率をかけて税額を計算します。

マイホームを売ったときは軽減税率の特例があります。1月1日現在で所有期間が10年を超えている場合に対象です。

課税長期譲渡所得金額 所得税 住民税
6000万円まで 10% 4%
6000万円を超える部分 15% 5%

 

一定の要件に該当する場合は、買換え特例があります。

買換え特例は、マイホームを売った年の前年から翌年までの3年間に買い替えをした場合に、一定の要件に該当したら譲渡益の課税を繰り延べられます。ただし、買換え特例は、3000万円特別控除、軽減税率の特例と選択適用になります。

マイホームを売って損失がある場合

マイホームを売却した年の1月1日において、所有期間が5年を超える場合に譲渡損失があるときは、新たにマイホームを買い替える場合の特例、新たにマイホームを買い替えない場合の特例により、その譲渡損失をその年の他の所得と損益通算できます。

その年で通算しきれなかった譲渡損失は、翌年以後3年内の各年分の所得から繰越控除できます。

今回のまとめ

・不動産の譲渡益には所得税、住民税、復興特別所得税が課税される

・課税譲渡所得金額=譲渡価額−(取得費+譲渡費)−特別控除額

・不動産は所有期間が5年を超えるかで適用される税率が異なる

・マイホームの譲渡損益には特例がある

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