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年金は老後だけじゃない|老齢・障害・遺族年金の受給要件を解説

年金は老後だけじゃない|老齢・障害・遺族年金の受給要件を解説

公的年金には国民年金と厚生年金保険があります。

年金というと老後に受け取るものと思うかもしれませんが、実は年金は老後だけのものではありません。

私も社会保険労務士の学習をするまでは、年金は老後に受け取るものだけと思ってました。

また、老後になれば誰でも年金を受け取ることができると思ってましたが、年金を受け取るには要件があることを知りました。

年金を受け取るには、金額の前にまず最低限の加入期間を満たす必要があります。

 

この記事から分かること

  • 公的年金から受け取れる3種類の年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)
  • 老齢年金を受け取るために必要な10年の受給資格期間
  • 「一人一年金の原則」と、例外的に併給できるケース
  • 障害年金・遺族年金それぞれの受給要件(保険料納付要件を含む)
  • 加入期間が10年に満たない場合の対処法

 

目次[閉じる]

公的年金から受け取れる年金の種類

国民年金と厚生年金保険で主な年金給付として定めてるのは、老齢年金の他に障害年金と遺族年金があります。

 

年金とそれぞれの保険事由

保険事由 国民年金 厚生年金給付
老後(65歳) 老齢基礎年金 老齢厚生年金
障害 障害基礎年金 障害厚生年金
死亡 遺族基礎年金 遺族厚生年金

 

老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は65歳になると年金を受け取れますが、障害年金(障害基礎年金と障害厚生年金)は被保険者が事故で障害を負った時、遺族年金(遺族基礎年金と遺族厚生年金)は被保険者が死亡した時に年金を受け取れます。

老齢年金と障害年金は本人に、遺族年金は遺された遺族が受け取ることになります。

  • 老齢年金→65歳になったら
  • 障害年金→要件を満たす障害を負ったら
  • 遺族年金→被保険者等が死亡したら

 

一人一年金の原則

年金制度には、一人一年金の原則があるので2つの年金を受け取ることはできません。

しかし、同一の事由によって発生した年金は受け取ることができることがあります。  

  • 老後→老齢基礎年金と老齢厚生年金
  • 障害→障害基礎年金と障害厚生年金
  • 死亡→遺族基礎年金と遺族厚生年金

また、第2号被保険者だった夫を亡くした65歳以上の妻は、自分の老齢基礎年金と遺族厚生年金を受け取ることができます。

この場合に妻に障害基礎年金の受給資格があれば、障害基礎年金と遺族厚生年金の併給が可能(選択できる)です。

  • 併給ができるものもある

 

年金をもらうには「加入期間」が必要

公的年金を受け取るには、最低限度の加入が必要です。

  • 年金は自動でもらえるものではない

  • 要件を満たさないと1円も出ない

  • 何年加入したかが最重要

 

老齢年金を受け取るには10年以上の加入期間が必要

老齢基礎年金を受け取るためには、10年以上の受給資格期間が必要です。

以前は25年でしたが、それだと様々な事情で無年金になってしまう人(ニート・引きこもり等)が出てしまい、保険料の払い損になってしまうことから短縮されました。

 

10年にカウントされる期間とは

受給資格期間とは、保険料納付済期間、保険料免除期間、猶予期間、合算対象期間をいい、全部足して10年以上が必要です。

※未納期間は、受給資格期間に含まれない点に注意が必要です。

10年に足らない場合は、未納の保険料を支払ったり、任意加入することで10年の受給資格期間を満たすことができます。

 

老齢厚生年金は何年加入すればもらえる?【1ヶ月でももらえるが前提あり】

老齢厚生年金は国民年金10年が前提

老齢厚生年金の方は、老齢基礎年金の受給資格(10年)を満たしていれば、たとえ1カ月しか加入していなくても支払われます(本来支給の老齢厚生年金)。

ただし、年金額も1か月分に相当する額なので少ないです。

  • 老齢基礎年金→10年以上加入すれば受け取れる
  • 老齢厚生年金→国民年金の要件を満たしたうえ、厚生年金への加入実績があれば受け取れる

 

国民年金と厚生年金、もらえる年金の違い

◎国民年金だけの期間しかない人(自営業・無職)

  • 老齢基礎年金のみ

 

◎厚生年金にも加入していた人(会社員)

  • 老齢基礎年金+老齢厚生年金

 

10年に足りない場合はどうすればいい?

◎追納・未納分の支払い

  • 追納できる期限がある→10年
  • 未納→2年

 

◎任意加入制度

  • 60歳以降も加入できる

  • 65歳まで延長可能

 

障害年金・遺族年金は必要な年数の考え方が異なる

公的年金には、老齢年金以外に障害年金と遺族年金があります。これらは老齢年金と違い、原則10年の資格者期間が不要です。

  • 原則10年が不要

  • 納付要件が重要

 

障害基礎年金の受給要件

  • 初診日のある月の前々月までの年金加入期間のうち、保険料納付済期間と免除期間を合計した期間が3分の2以上あること
  • 【特例】初診日が令和8年(2026年)4月1日より前にあり、初診日において65歳未満である場合は、初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がなければ、納付要件を満たしたものとして扱われます。この特例は2025年の年金制度改革で延長され、現在は令和18年(2036年)3月末まで適用される見込みです。
  • 20歳前に初診日がある場合は、納付要件そのものが不要です(別の枠組みで判定されます)

 

障害厚生年金の受給要件

  • 厚生年金保険の被保険者期間に初診日がある病気やケガであること
  • 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間のうち、保険料納付済期間と免除期間を合計した期間が2/3以上ある
  • 初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料の未納期間がないこと

 

遺族年金を受け取るには

遺族基礎年金を受け取れる人は、子(18歳になった年度の3月31日まで)または子がいる配偶者です。

つまり18歳未満の子がいなければそもそも遺族基礎年金の対象ではありません。

 

死亡した人の要件

死亡した人の要件があり、以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 国民年金の被保険者だった
  • 国民年金の被保険者であった人が国内に住所がある60歳以上65歳未満だった
  • 死亡した時に老齢基礎年金の受給権者
  • 死亡した時に老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること

 

保険料の納付要件

加えて死亡した人の保険料の納付要件があります。

  • 死亡日の前々月末までに保険料納付済期間と免除期間を合計した期間が2/3以上であること
  • 死亡日前日において、死亡日の前々月末までの1年間に保険料の滞納がないこと

 

また、遺族厚生年金を受けるには短期要件または長期要件といった要件を満たす必要があります。

短期要件は加入中の人が死亡した場合の要件をいい、長期要件は厚生年金の受給資格期間を満たした人が死亡した場合の要件です。

  • 遺族厚生年金は複雑
  • 短期要件・長期要件がある

 

年金の加入期間は必ず確認すべき

ポイント

  • ねんきん定期便

  • 未納の放置リスク

  • ライフプランへの影響

ねんきん定期便の見方をFPが徹底解説|年齢で変わる確認すべきポイントとは?

 

まとめ

☐公的年金には老齢年金・障害年金・遺族年金がある

☐老齢年金を受け取るには10年以上の受給資格期間が必要

☐障害年金・遺族年金は10年要件は不要だが、保険料の納付要件を満たす必要がある

☐障害年金・遺族年金の「直近1年要件」は時限的な特例措置(現在は令和18年3月末までの見込み)

☐加入期間が10年に満たない場合は、追納や任意加入で満たせる可能性がある

☐未納のまま放置せず、早めに「ねんきん定期便」等で加入状況を確認することが大切

 

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