住宅取得資金、老後資金、保険と並んで教育資金は4大資金といわれています。
教育資金は幼稚園から大学まで含めると数千万円に及ぶので、全てをすぐに準備することは不可能に近いです。
教育資金の準備期間は、住宅取得資金や保険の支払いと重なることが多いので、他の積み立てとの兼ね合いも重要です。
住宅取得は遅らせることもできますし、保険は無理に加入する必要はありませんが、教育費が必要な時期はずらすことができません。その反面、必要な金額と時期をあらかじめ見当をつけておくことができます。
何にせよ子供が生まれたらすぐにでも教育資金の準備を始めることが大事です。
子供の教育費の目安
子供の教育費の目安としては、文部科学省が公表してる子供の学習費調査が参考になります。
私立大学でも学部によって学費に差がありますが、ここは平均の数値を参考までに紹介します。
●幼稚園(公立47万円、私立92万円)
●小学校(公立211万円、私立1,000万円)
●中学校(公立162万円、私立430万円)
●高校(公立154万円、私立316万円)
●大学(公立243万円、私立462万円)
教育資金の優先順位
一般的に教育資金の積立期間は、住宅資金や保険の積立と重なります。
既に住宅ローンを組んでいる場合は、ローンの返済が優先されます。
家を失っては元も子もないからです。
教育資金は子供が小さいうちから準備することが大切ですが、準備できない場合は奨学金や教育ローンを活用することを検討します。
教育資金の積み立ては、収入から生活費、保険料などを引いた無理のない範囲で行うことになります。
教育資金の必要な時期と金額は予測をつけ、ある程度幅をもたせます。
2024年から始まったNISAの活用も有利です。
教育資金を作る方法
以下、教育資金を積み立てる方法として代表的なのを挙げます。
1.学資保険
学資保険は、民間の生命保険会社やかんぽ生命等から発売されています。こども保険とも呼ばれます。
学資保険は貯蓄機能と保障機能が備わった保険です。
一定の年齢になると受け取れる入学祝い金や満期を受け取れ、保険料の払込期間に契約者に万一があった場合は以後の保険料支払いが免除されます。
近年は低金利のため人気がいまいちですが、コツコツ貯めることが苦手な人には強制的に積立てられる学資保険を活用するメリットはあります。
支払保険料より受取金額が少ない場合は、別の金融商品を検討することも必要です。
財形貯蓄制度
事業所を通して積立てていく財形貯蓄制度というものがあります。
賃金の4分の1を積み立てる方法で億万長者となった本多清六という人がいますが、強制的に積み立てることは効果的です。
生活した残りを給料前に積み立てるより、最初に強制的に積み立てて、残りで生活すれば気づいたときにはそれなりの金額になります。
賃金から天引きされることで自然と貯蓄ができるのがメリットですが、この財形貯蓄制度は事業主の義務ではなく、全ての人が使える制度ではありません。
金融商品による積立て
教育資金は長期にわたる積立てなので、リスクある金融商品でも貯めることができます。
この場合は長期にわたって継続投資することで、リスクを軽減しながら積立てが可能です。
株式を組み入れない公社債投信なら比較的リスクが低いですが、積立投資(ドルコスト平均法)なら株式投信であってもリスクを軽減できます。
投資には元本割れのリスクがあるので、1つの投資先に集中投資せず、複数の投資先に分散させることでリスクを抑えられます。
また、一口に投資信託といっても商品の中身によってリスクとリターンに差があるので、投資信託の投資先がどういったものかの確認は必要です。
それと投資信託には購入時の手数料以外に信託報酬や信託財産留保額といった手数料もかかるので、保有中のコストの確認はしたほうがよいです。
保有中のコストはパフォーマンスにも影響するので、できるだけ低コストを意識することは大事ですが、その人の投資スタイルによっては必ずしも低コストがいいとはいえません。
NISAで積立て
2024年から始まったNISA制度でも積み立てができます。
金融商品による積立てという点ではNISAも同じですが、NISAで投資すると運用益が非課税になります。
売却時の利益に約20%の税金がかかると結構な金額です。
例えば、毎月5万円を積み立てたら、15年で元本は900万円です。
もし仮に15年間で利回りが5%なら、15年後に1,330万円ですが、利益の430万円に税金が87.4万円かかります。
これがNISAなら非課税なので、430万円を受け取れることになります。
デメリットとしては損益通算ができないという点です。また、解約するとそれまで殖やした資産が減り、複利の効果が失われます。
NISAを始めるには本人確認書類やマイナンバー関係書類を準備して、金融機関に口座開設の申請が必要です。
まとめ
教育資金は住宅資金、老後資金と並んで人生の三大資金といわれており、数千万円が必要といわれています。
老後資金の作り方には、学資保険、一般財形貯蓄、公社債投信、株式投信などがあります。
教育資金は必要な時期と金額の予測が立てやすいですが、後回しになりがちです。
いずれにしても子供が小さいうちから準備することが大事です。