マイホームの購入では、ほとんどの人が住宅ローンを利用します。しかし、住宅ローンには、変動金利や固定金利といった仕組み、頭金についてなどの知識が必要なため、土地や建物に比べるとおろそかになりがちです。
住宅ローンの利用で重要なのは、ライフプランに基づいたキャッシュフロー表の作成や、キャッシュフロー表を用いた返済計画です。
マイホーム購入といった目先のことにとらわれると、将来まで考えた全体像が見えなくなってしまいます。
キャッシュフロー表というのは、会社の事業計画書の個人版のようなものです。将来を予測して事業計画を立てても途中で見直しが必要なように、キャッシュフロー表も見直しすることで実現できます。
マイホーム購入に無理がないか判断するためのキャッシュフロー表づくりであっても、今後起きる教育費や自動車の購入費についてどうするの対策も検討できます。
住宅ローンを借りる際になぜキャッシュフローが必要か

なぜキャッシュフロー表が必要なのか
住宅ローンは、何十年におよぶ長期の返済です。
長期にわたることから、多くの家庭では住宅ローンの返済期間と教育費の問題・老後資金の問題は同時に考える必要があります。
また、長期にわたるので、その期間の金利や物価高、見直しも必要です。
しかし、多くの住宅ローン利用者は、借りる時の状況だけでしか見ません。
今払えるだけで住宅ローンを判断すると、後で資金不足に陥るリスクがあります。
そこで効果的とされているのが、将来のお金の流れを見える化するキャッシュフロー表の作成です。
キャッシュフロー表とは?
キャッシュフロー表とは、年単位で収入・支出・貯蓄残高を見える化したものです。

◎キャッシュフロー表の主な項目
- 収入(夫・妻)
- 税金・社会保険料
- 生活費・教育費・保険料(生命保険・損害保険)
- 住宅ローン
- 車の購入・旅行費・家電費など一時的支出
- 老後の積立・年金見込み
住宅ローンがキャッシュフローに与える影響
住宅ローンは高額であり、長期間にわたるので、キャッシュフローに与える影響は大きいです。
- ローン返済が家計の何割を占めるのか?
- 子どもの進学時や退職後の返済は問題ないか?
- 変動金利の場合、金利上昇リスクも考慮(シミュレーションしておく)
- ボーナス返済がある場合、ボーナス減少リスクも見ておく(できれば毎月の収入だけで考える)
無理のない住宅ローンか見極めるポイント
住宅ローンがライフプランに無理を与えないかを見るには、いくつかポイントがあります。
- 返済負担率(年間返済額の年収に対する割合)が25%以内が理想
- 数年ごとの貯蓄残高がマイナスにならないか
- 子どもの進学に問題ないか
- 住宅ローンだけでなく、毎月の維持費も考慮
- 個別の修繕費のような一時金も毎月あたりでシミュレーション
- 老後の生活に資金不足はないか
- 将来の収入減少・リタイア後の返済計画が明確か
キャッシュフロー表を作る方法
キャッシュフロー表は、収入や支出、将来の収入(公的年金・私的年金)が分かれば、ExcelやGoogleスプレッドシートで作れます。
キャッシュフロー表を作るには広範な知識が必要なので、ファイナンシャルプランナーに相談して作成するのもおすすめです。
いずれにしても住宅を購入する前に必ず一度は作ってみることをおすすめします。
ライフプランの立て方とは?将来の安心を実現するキャッシュフロー表の作り方
キャッシュフロー表は作りっぱなしではなく見直しが前提
キャッシュフロー表は、一度作って終わりではありません。
住宅ローンは30年以上続くため、その間に収入・支出・家族構成・金利の状況は変化します。
そのため、キャッシュフロー表は定期的に見直すことが重要です。
◎ 見直しが必要になる主なタイミング
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子どもの進学・独立
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転職・昇給・休職
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住宅ローンの金利見直し・借り換え
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物価上昇・生活費の変化
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修繕積立金・管理費の増額(マンション)
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夫婦どちらかの働き方の変更
最初の計画だけで家計が破綻するケースの多くは、「住宅ローンを組んだ後に生活が変わったのに、家計の計画を放置していた」というものです。
キャッシュフロー表は将来のリスクを予測→修正することで、本来の効果が発揮されます。
定期的な見直しをすれば、安心にもつながります。
まとめ|住宅ローンは今だけでなく将来も見据えて判断
住宅ローンは、今だけを見るのではなく、将来も考えて総合的に判断することが重要です。
- キャッシュフロー表は住宅購入を成功に導く地図
- 無理のない返済計画は、家計と心の安心につながる
- 不安があるならプロに相談して可視化を!

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