変動金利や固定金利といった住宅ローンの3つの金利タイプの特徴

住宅ローンの金利には、大きく3つのタイプがあります。

住宅ローンのタイプには、変動金利型、全期間固定金利型、固定金利期間選択型の3つがあります。

自分にとって適切な住宅ローンを選ぶためには、それぞれの金利タイプの理解が必要です。

変動金利型の特徴

変動金利型は、借入期間の金利が変動するといった特徴のあるローンです。

政策金利・短期プライムレートといった金利の影響を受け、金利は4月と10月の半年に一回、適用金利が見直されます。

 

変動金利のメリットとしては、金利が固定金利に比べて低いことです。

また、多くの変動金利では、5年ルールと125%ルールというものが適用されます。

変動金利の一般的な返済方法である元利均等返済であれば、金利が変動しても返済額の見直しは5年ごとに行うのが5年ルールです。

また、125%ルールが適用される場合は、返済額が増えた場合も今までの1.25倍までが上限となります。

 

ただし、5年ルール、125%ルールが適用される場合であっても、その間も金利は変動し、変動幅にも制限はありません。

返済額が5年変わらず同じですが、その間の金利の負担は増えているため、返済額の内訳が変わっていることになります。

つまり、金利分が増えるとともに、借金の返済分が減っていることになります。

イメージとしてはこんな感じです。

130,000円(利息18,000円、元金112,000円)→130,000円(利息22,500円、元金107,500円)

 

また、返済額が変動するのでライフプランを立てにくいといったデメリットもあります。

全期間固定金利型の特徴

全期間固定金利型は、借入期間中は最初から最後まで金利が固定されるのが特徴で、毎月の返済額も固定されます。

全期間固定金利型の金利の基準とされるのが10年物国債の利回りです。

10年物国債は市場での取引による影響を受けるので、経済の影響を受けやすく、固定金利は変動金利より先に上がるといわれています。

 

今のような低金利時代では、ファイナンシャルプランナーにもっとも推奨されている金利タイプが全期間固定金利型です。

何より借入期間中は返済額が同じなのでライフプランが立てやすく、変動金利のように市場の金利が上昇しても影響を受けません。

一方で全期間固定金利型は変動金利型と比べて金利が高いです。変動金利が上昇しなければ、当然ですが負担する支払利息は多くなります。

金利は高いですが、計画的に返済できるので、子供がまだまだ小さい家庭に向いています。

固定金利期間選択型の特徴

固定金利期間選択型は、金利が固定される期間を最初の2年、3年、5年、10年、20年等と選択できるのが特徴です。

たとえば、3年タイプのものであれば、3年間は金利が固定され、3年経ったときに再度固定金利を選択できます。

何もしなければ自動的に変動金利になるのが普通です。

固定期間が短いほど金利が低いので、2年より3年、3年より5年の方が金利は高くなります。

固定期間終了後に再度固定金利を選ぶときはその時の金利に影響されます。

 

一定期間は金利が固定するので、教育費がかかる時期だけ固定金利にして、その後は変動金利にするといった選択もできます。

人気があるのは変動金利

令和5年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書によれば、令和4年度は77.9%の人が変動金利を利用しています。

そのほか全期間固定型は3.9%、フラット35等は6.3%、固定金利期間選択型は11.9%という結果です。

 

ここ数年は変動金利の利用者が上昇傾向にありますが、これから金利が上昇する場合に固定金利を選ぶことで金利上昇リスクを抑えられます。

大手金融機関を中心に店頭金利を上昇すると発表したことから、今後はフラット35や全期間固定型が伸びる可能性があります。

といっても結果的に全期間固定型が変動金利を上回るには、かなりの利上げが必要なので、今後も変動金利を選ぶ人が多数を占めると思います。

 

もし、変動金利型か固定金利型かで悩むのであれば、変更金利と固定金利を組み合わせるミックスという選択肢もあります。

おわりに

変動金利を選択した人の中には、金利が低いため、この金額なら返せるといった理由で選ぶ人もいます。こういった理由だと金利が上昇した時が大変です。

高い固定金利で借りたと想定して借り入れ額を抑え、あえて変動金利で借入れ、差額を積立投資することでリスク対策にもなります。

変動金利が上昇しても積立投資しておけば、それを引き続き運用することもできますし、繰り上げ返済や借り換えなど金利上昇に対する備えにできます。

 

今後、金利がどうなるかは専門家でも予測できず、雑誌やネットで言ってるのはあくまでもその人の意見に過ぎません。

金利が確実にどうなるか予測するのは難しいので、様々なシミュレーションをしておくのがいいでしょう。リスクを知っておけば対策も立てやすいからです。