「勤めている会社が倒産したんだけど、給料はどうなるの?」
「倒産したから給料を支払えないと言われた」
こういった事態に直面した時、どうすればいいか不安になるはずです。
会社が倒産すると自分自身のライフプランにも大きな影響を与えます。
現在は、建設業界の景気が良くて人手不足のようですが、私が十代の頃は現場仕事は景気の悪い業界として知られており、倒産もよく起こってました。
今はむしろ人手不足によって、黒字なのに倒産するケースが増えてます。
大学の学費を稼ぐために大工仕事をしてましたが、勤めていた会社が倒産してしまったため、1か月分以上の給料を泣き寝入りした経験があります。
当時は大学生だったので、世間知らずでしたし、法律の知識もなかったので、泣き寝入りするしかありませんでした。
会社が単に給料を支払ってくれないとき
会社が倒産したわけではなく、会社が単に給料を支払ってくれないときは、労働基準監督署に相談して会社に支払いを命じてもらうことができます。
今から十数年前はサービス残業が当たり前のように行われていましたが、今も昔もサービス残業は違法です。
労働基準監督署は、こちらから言わなければ動いてくれません。
大学生の当時は、大工以外に鉄筋工でも働いたのですが、その会社は最悪で給料を勝手に下げるのは当たり前で、安い賃金で使えるからという理由で東南アジアの人を採用してこき使ってました。当然、サービス残業は当たり前でした。
私がその会社を辞めた後に聞いた話によれば、辞めた従業員に会社が襲撃されたそうです。まさに因果応報です。
会社が倒産して給料を払ってくれないとき
では、会社が倒産して給料を受け取れないような場合はどうすればいいのでしょうか。
この場合は、一定の条件を満たせば、未払い賃金の一定額を労働者健康安全機構が肩代わりしてくれます。
未払賃金の立替払制度は、事業主に替わって賃金を労働者に支払うので、労働者はお金を借りるわけではありません。
政府は、労災保険の適用事業の事業主(1年以上にわたって事業を行っていること)が破産手続き開始の決定を受けた場合等において、当該事業に従事する労働者で最初の破産手続き開始の申し立てがあった日の6か月前の日から2年以内に退職したものに係る未払賃金があるときに、当該労働者の請求に基づいて、当該未払賃金の立替払いを行います。
賃金支払確保法の条件
- 労災保険の適用事業所であること
- その事業を1年以上行っていること
- 倒産事由等に該当したと労働基準監督署が認めたこと
- 事業から退職して未払い賃金があること
倒産には、法律上の倒産と事実上の倒産があります。
請求する際に、事実上の倒産であれば、労働基準監督署に認定申請書を提出し、法律上の倒産であれば、労働者健康安全機構に裁判所の証明を添えて立替払請求書を提出します。
事実上の倒産の場合は、労働基準監督署は、調査を行って事実を確認しますので、時間がかかります。
いずれにしても、まずは労働基準監督署に相談するのが確実です。
また、労働組合等に相談することで専門家が力になってくれますが、こちらは費用がかかります。
賃金の立て替え払いの限度額
未払賃金の立替払では、原則として未払賃金総額の8割相当額が支払われます。
また、退職日の年齢に応じた限度額があります。
未払い賃金の立替払の額は、次の額の8割が対象限度額になります。
30歳未満 | 110万円 |
30歳以上45歳未満 | 220万円 |
45歳以上 | 370万円 |
上記金額の8割は以下の金額になります
30歳未満・・・・・・88万円
45歳未満・・・・・・176万円
45歳以上・・・・・・296万円
終わりに
重要なのは、倒産しても給料が受け取れるという制度があることを知っておくことかもしれません。
私も勉強しているときに始めて制度を知り、学生時代に知っていれば給料の泣き寝入りを防げたのにと悔やまれます。
また、倒産で離職した場合は、特定受給資格者としてすぐに失業給付の手続きを行えます。
さらに、特定受給資格者は、一般受給資格者より多くの給付を受けられる可能性があります。
会社の倒産によって給料がもらえないのは深刻な問題ですが、大切なのは受けられる制度を活用することです。
- 労働基準監督署に相談
- 未払賃金立替払制度の活用できないか
- ハローワークに相談
私のように泣き寝入りせず、正当な権利はしっかり主張することです。
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