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住宅ローンの繰り上げ返済は得か?損か?|期間短縮型・返済額軽減型の違いと低金利時代の正しい判断

住宅ローンの繰り上げ返済は得か?損か?|期間短縮型・返済額軽減型の違いと低金利時代の正しい判断

現在の住宅ローンは低金利ではありますが、それでも借入額が多く、返済期間が長ければ負担する利息の額は大きくなります。

住宅ローンを変動金利で借りていた場合、金額が大きければたとえ0.1%の上昇でも毎月4,5千円の負担増となることもあります。

前回、金利上昇リスクを減らす方法として、住宅ローンの借り換えについて紹介しましたが、繰り上げ返済という方法でも金利上昇の不安を減らすことができます。

住宅ローンの借り換えについての仕組みとポイント!失敗しないための基礎知識

今回は繰り上げ返済について解説します。

目次[閉じる]

繰り上げ返済とは?仕組みと基本の理解

住宅ローンの毎月の返済とは別に、一定金額を返済することで、残りの返済期間を短くしたり、返済金額を軽くすることができます。

  • 返済期間を短くする→期間短縮型
  • 毎月の返済額を減らす→返済額軽減型

 

全部繰り上げ返済

これは一部繰り上げ返済といわれる方法です。 残りのローンを全額繰り上げて返済したら全部繰り上げ返済になります。

全部繰り上げ返済は残りのローンを前倒しで返済することで、将来発生するはずであった利息を負担しなくて済みます。

 

一部繰り上げ返済

一部繰り上げ返済は、残りのローンの一部を前倒しで返済することですが、こちらも返済した部分(一部)の将来発生するはずであった利息を負担しなくて済みます。

期間短縮型と返済額軽減型のどちらでも、早く行うほど利息の軽減効果は大きくなります。

 

期間短縮型の特徴|もっとも利息削減効果が大きい

期間短縮型の一部繰り上げ返済は、毎月の返済額に変化ありませんが、残りの返済期間が短縮されます。

繰り上げて返済することで、その部分に本来発生するはずだった息を払わなくて済みます。

 

具体例

たとえば、5000万円を金利1%で35年の返済期間で借りた人が、5年後に約100万円を期間短縮型で一部繰り上げ返済すると、負担する利息が約33万円減ります。

また、返済期間も7カ月短縮されます。

  • 利息軽減額……約33万円
  • 返済期間短縮……7カ月
  • →繰り上げ返済で最も効果が高いのが期間短縮型

 

このように一部繰り上げ返済を行うことで、返済期間を短縮させることができ、それにともなって金利負担が減るので、金利上昇の負担を緩和できます。

返済額軽減型の一部繰り上げ返済よりも利息の軽減効果が大きいことから、ほとんどの人は期間短縮型を選んでいます。

35年の住宅ローンを組んで、余裕があるときに繰り上げ返済して20年以内に返済を終わらせる人もいます。

最初から短期間の住宅ローンを組むと月々の返済額が高くなるので、長めに組んであとは繰り上げ返済するというのは効率的とされています。

 

返済額軽減型の特徴|毎月の返済を下げたい人向け

返済額軽減型は、残りの返済期間は変わりませんが、毎月の返済額が少なくなります。

こちらも利息の負担を減らせますが、利息を削減する効果は期間短縮型に負けます。

 

具体例

こちらも5000万円を金利1%で35年の返済で借りた人が、5年後に100万円を返済額軽減型で一部繰り上げ返済した例を取り上げます。

期間短縮型では約33万円の利息を削減する効果がありましたが、返済額軽減型だと約15.7万円の利息しか削減できません。

ただし、毎月の返済額を3216円減らすことができます。

  • 利息削減額……約15.7万円(期間短縮型の約半分)
  • 毎月返済額……3,216円減少

利息軽減額は小さくなりますが、毎月の返済を少しでも軽くしたいという人には合理的です。

 

期間短縮型と返済額軽減型の一部繰り上げ返済とでは効果が異なるので、それぞれの特徴を踏まえて選択することが大切です。

 

低金利時代の繰り上げ返済は本当に有利か?

結論

利息の負担を減らす効果のある一部繰り上げ返済ですが、この効果は適用されている金利によるので、今のような低金利では効果が限定的かもしれません。あえて繰り上げ返済をしないのも一つの選択です。

  • 低金利のうちは繰り上げ返済の効果は小さい
  • むしろ投資が勝つケースも多い

 

100万円を繰り上げ返済した場合

今のように低金利だと、繰り上げ返済をせずに投資信託等で運用したほうがいいというファイナンシャルプランナーもいます。

実際私も試してみましたが、100万円を繰り上げ返済したら24万円の軽減効果が見込まれたのに対して、投資信託で運用したら10年で50万円以上殖えました。

  • 繰り上げ返済した場合の利息軽減効果:約24万円

 

100万円を投資信託で運用した結果

しかも、繰り上げ返済の方は15年なので、投資信託も同じように運用を15年続けたら同じような利回りなら100万円殖える計算です。

  • 実際→10年以内で50万円増やした
  • 15年を運用したら→100万円も可能

 

今ならもっと有利な商品もあります ただ、投資信託の方は利益に20.315%課税される(100万円なら203,150円)ので、その点は注意が必要です。また、保有するにはコストもかかります。

 

繰り上げ返済の注意点

繰り上げ返済は、返済期間を短縮したり、月の返済額を少なくすることができる仕組みです。

繰り上げ返済した部分は利息が発生しないので、金利上昇リスクの回避につながります。

ただし、繰り上げ返済にも注意点があります。

 

注意①住宅ローン控除(減税)が減る

繰り上げ返済は元金を減らすので、住宅ローン控除(減税)の効果が減ります(住宅ローン控除は年末の残債が対象)。

 

注意②借入から完済までの期間が10年未満になると住宅ローン控除が受けられない

繰り上げ返済によって借入期間から完済までの期間が10年未満になると、住宅ローン控除が受けれなくなります。

 

注意③適用金利が低いほど利息削減効果が小さくなる

繰り上げの効果は適用される金利によるので、今のような低金利時代は効果が限定的です。

 

まとめ|繰り上げ返済の結論と活かし方

◎繰り上げ返済の種類

  • 全部繰り上げ返済:以後の利息を全部カット
  • 一部繰り上げ返済:→ 期間短縮型・返済額軽減型がある
  • 期間短縮型 → 利息削減の効果が大きい
  • 返済額軽減型 → 月々の返済額を減らせる

 

◎繰上げ返済を選ぶポイント

  • 利息を小さくしたい → 期間短縮型
  • 月々の返済を軽くしたい → 返済額軽減型
  • 低金利なら無理に繰り上げ返済しなくても良い

 

 

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